艶やかな着物姿で「日本人の心」を表現 『蝶々夫人』ハイライト with STAGEA in 晴海トリトン

「ECO宣言2009! ECOな生活をここ、中央区から始めよう!」というキャッチフレーズのもと、中央区観光協会の設立50周年を記念したイベント「グランレビュー in中央区」が去る7月25日土曜日、晴海トリトンスクエアのグランドエントランスで開催されました。タレントのテリー伊藤氏やオリンピック金メダリストの岩崎恭子氏をゲストに迎えた地球環境を考えるトークショーなど数々のイベントが披露されたのですが、その日の棹尾を飾ったのが二期会オペラ歌手の出演によるオペラ『蝶々夫人』のハイライトステージでした。

蝶々夫人役で新進気鋭のソプラノ嘉目真木子は振袖姿で登場、「ある晴れた日に」などの有名アリアの熱唱や迫真の演技と相俟って、その美しさが特設ステージの上でいっそう映えました。スズキ役のメゾ・ソプラノ、岩田真奈は夏の空を思わせる涼しげで青色も鮮やかな着物で舞台に華を添え、確かな歌唱で進行役のナレーションも兼ねて奮闘。ピンカートン役の情熱的なテノール、羽山晃生は純白も凛々しい海軍士官の制服姿で蝶々夫人への愛情を高らかに歌い上げました。40分間のハイライトにはお客さまも息を飲むように引き込まれている様子が伝わってくるようであり、大きな拍手に包まれながらフィナーレを迎えました。

そしてこのプッチーニによる色彩感に溢れたスケールの大きな音楽を創り出してくださったのが西岡奈津子さん(EL)でした。当初、晴海トリトンの大きな吹き抜け空間の中ではピアノ伴奏に限界があることから悩んだ末、この問題を解決してくれたのがSTAGEA=ELS-01Cでした。まさに名手と呼ぶにふさわしい西岡さんの手腕により、軍艦の大砲の音までリアルに再現され、奥行きと広がりのある音楽がグランドエントランスの巨大な空間に満ちていきました。お客さまは、あたかも大編成のフルオーケストラが目の前で演奏しているような錯覚を覚えられたことでしょう。

これからもSTAGEAとの共演機会が増えそうです。

二期会21 嶋田拓生

(上から)写真1:左から羽山晃生、嘉目真木子、岩田真奈|写真2:エレクトーン演奏/西岡奈津子

2009年7月25日 晴海トリトンスクエア グランドエントランス