あっという間の熱い2時間 第4回 ミュージック 4 for ラヴァーズ

イスが4つ並んだだけのシンプルなチラシのごとく、開場時の舞台には4つの空のイスと2台のSTAGEAとクラビノーバだけが照明で照らされている。

高田三郎作曲「平和の祈り」がパイプオルガンとともに厳かにアカペラ風に歌い出される。毎度おなじみになった「ミュージック 4for ラヴァーズ」コンサートのオープニングです。

英文法的には意味不明のタイトルなのですが、それは雰囲気だけでわかっていただくとして、いつもの4人の歌い手で開催されるこのコンサートは約二年に一回のペースで行われています。今回は2008年1月に続き、2009年12月19日・20日の二回公演がヤマハエレクトーンシティで開催されました。

前回同様、演出に鈴木清信氏、照明に松田直樹氏を迎え、さらに今年は新たに司会者として俳優の中村大樹氏を迎え、コンサート後半は「紅白歌合戦」に挑戦。ゲスト歌手に、白子萌/隅田川倫子/二丸/流山コロ助の四人(実は出演者の斎藤恵・蓮沼律子・田の上一洲・大門康彦)が登場し、UFO(ピンクレディー)あずさ二号(狩人)昭和枯れすすき(さくらと一郎)など、昭和の名曲、全7曲を熱唱。オンタイムで聴いていた中・高年のお客様はもちろん、リメイクでしか聴いたことがないはずの十代・二十代の若い世代のお客様をも熱狂の渦へと巻き込み、熱い二時間をあっという間に終えました。

このコンサートの特徴は、各ジャンルで活躍している全く色の違った4人の歌い手が、自分のキャラクターを失うことなく、一つの舞台を作り上げていることにあると思います。今回も、紅白歌合戦のほか、讃美歌、フォーク、演歌、カンツォーネ、日本歌曲、ミュージカルなど多岐にわたっての演奏曲となりましたが、どの曲についても二人のエレクトーン奏者、山木亜美・伊倉由紀子両氏の輝くべき音楽センスが散りばめられ、オーソドックスな管弦楽からパーカッシブな現代音、POP音楽、SEに至るまで、4人の歌との幅広い饗宴を果たしてくれました。

大門康彦

エレクトーン演奏/山木亜美・伊倉由紀子

2009年12月19、20日 エレクトーンシティ渋谷