25年振りのエレクトーン再会 堂ノ脇恭子コンサート「VOICES vol.1~portrait of kyoko」

長く厳しかった夏がようやく落ち着いた10月8日に、初めてヤマハエレクトーンシティさんのホールでコンサートを開催させていただきました。

私自身、子ども時代に10年以上エレクトーンを習っており、講師を目指したいと思っていたほど、想い出深い楽器でした。その後エレクトーンを弾く機会もなかなかなく、共演も今回が初めてとなりますが、25年余りの間でこれほど楽器が進化していたことに、本当に驚きました。

エレクトーン演奏をしてくださった長谷川幹人さんのアレンジは、オーケストラが演奏しているかのようなスケールの大きさで、コンサートを盛り上げてくださいました。美しい音、神秘的な音、力強い音……。聖歌やクラシック、ミュージカルの楽曲から、シャンソン、そして歌謡曲まであったのに、どんなジャンルの楽曲にもぴったりの音を作り出してしまうのです。

30分ほどの音楽劇も上演しましたが、さまざまな効果音で場面の背景を浮き上がらせ、臨場感たっぷりの作品にしてくださいました。私がお伝えするイメージを、その場でどんどん具体的な音やメロディーにしてしまう技術に、もう驚くばかり。台本と自分一人しかいない舞台に、ドラマチックな彩りを与えてくださったので、音に導かれるように自然に芝居の中へ入っていくことができました。

お客様からも「効果音もオーケストラも、すべてエレクトーン1台から出ている音なの?」と、驚きの声をいただいています。この魅力を知った歌い手は、エレクトーンから離れられなくなるのではないでしょうか?

ホールの音の響きの良さやリハーサル室の充実等という会場の素晴らしさももちろんですが、スタッフの皆様のていねいなご対応もうれしく、大変ぜいたくな環境でステージ創りをさせていただくことができました。心から感謝しております。「VOICES」第2回目も、エレクトーンの音色とともに、またこの場でお届けできたらと願っております。

劇団四季を経て、「ジェニーの肖像」(主演)、「太平洋序曲」「サンデー・イン・ザ・パーク・ウィズ・ジョージ」(共に宮本亜門演出)等のミュージカルをはじめ、TVドラマ、映画、声優と幅広い分野で活躍中。

堂ノ脇恭子

2010年10月8日 エレクトーンシティ渋谷