若い歌手にとって意義ある経験 リュミエール エレガント・オペラ・クラシックス

若手女性演奏家グループ〈リュミエール〉の歌手たちの出演、そしてエレクトーンによるオーケストラ伴奏によるオペラ・アリア・コンサートの第2回目。前回に引き続き指揮させていただいた。

エレクトーンによるオーケストラ伴奏で歌うこと、これは歌手にとって、とても意義のあることだ。通常歌手たちはオペラ・アリアをピアノ伴奏で歌うことが多い。ほんの一部のプロの頂点の人を除いて。そうすると感覚にずれが生ずることがある。ピアノ伴奏だと、その伴奏が慣れていれば、歌手が勝手に歌ってもなんとかつけてしまう。ごまかしてしまう。

そのうち歌手も勘違いして、歌手は好きなように歌うもの、それに上手くつけるのがよい伴奏者だと…。しかし実際にオーケストラ伴奏で歌う場合、あるいはオペラの本公演ではそうはいかない。指揮を見なくてはならないし、オケはすぐにつけられない。そこで「歌いにくい!」 と文句を言う…。

もちろん歌手のなかにも(原曲がオーケストラ伴奏の場合)オーケストラの音をイメージし、指揮者がいることを想定してピアノ伴奏で歌っている人もいる。こういう人はいざオペラの現場に入ってもすぐに対応できる。最初から楽しむこともできるだろう。

そういう意味で普段オーケストラと共演することが少ない歌手、特に若い歌手たちにとって、エレクトーンとの共演は非常によい経験になるはずだ。今のエレクトーンは本当にクオリティが高い。前回に引き続き出演した人たちは今回、より楽しめたようだし、初めて経験した出演者たちも人によってだが、戸惑い、発見、あるいは感激もあったようだ。

前回に引き続き演奏してくれた杉田香織さん、菊地友夏さん、ともによくやってくれた。

指揮/飛鷹佑依

エレクトーン演奏/菊地友夏、杉田香織

2011年4月9日 エレクトーンシティ渋谷