心ゆくまでジャズ ヴォーカルを満喫 Chika swings with エレクトーン!

2公演目は「ジャズ ヴォーカル」。歌うのはChika。大橋巨泉とマーサ三宅の次女である(余談だが、最近の若者は「巨泉さん」を知らない……)。国内外のジャズフェスティバルに多数出演。そのスインギーなヴォーカルには定評がある。昨年は本場モントレージャズフェスティバルに招かれ日本人ヴォーカリストとして大好評を博した。

スタートは倉沢大樹(エレクトーン)と広瀬潤次(ドラムス)の演奏であっという間にジャズの世界に引き込まれたが、ン? 曲はショパンの「ノクターン」(倉沢流のひとひねりか…)。まずは〝一番弟子〟の冨田佳音が2曲。そしてChika登場。「素敵なあなた」を冨田とのデュエットで聴かせた。Chikaソロは「Bluesette」から「You've Got a Friend」まで5曲。倉沢との掛け合いがまさにジャズの醍醐味である。

第2部はバラエティに富んでいた。レイ・チャールズのソウルフルな歌から自作の「両手をひろげて」、美空ひばりも歌ったという「テネシーワルツ」etc. また、子守歌替わりに考えたという「月の砂漠~キャラバン」の組み合わせもChikaならではの名唱である。

倉沢の演奏はピアノ/ベースを基本に生ギターやサックスが加わり、またストリングスあり、ビッグバンドありでこれぞエレクトーン。グルーヴィーなドラム・広瀬潤次はさすがスーパードラマー。二人のスウィング感と超絶技巧は「聴いて」、「見て」大いに楽しむことができた。

Chikaの歌、最後は「A Song for You」。 しっとりとしたバラードで締め、アンコールはノリノリの「Day by Day」。Chikaの広い音域と、真似のできないロングトーン……ジャズ・ヴォーカル満喫の2時間であった。

エレクトーンシティ渋谷・記

エレクトーン演奏/倉沢大樹

2012年10月20日 エレクトーンシティ渋谷