次世代のオペラを目指すデジタリリカ Mid Green Stage 〈イタリアオペラ・ガラ・コンサート〉

東京ミッドタウンは2007年3月、六本木に開業した複合施設。その芝生広場で東京ミッドタウン主催NEW STAGE OPENスペシャルイベント「Mid Green Stage」がゴールデンウィークに開催された。 初日(4月27日)のコンサートは二期会・若手精鋭による≪イタリアオペラ・ガラ・コンサート≪。オペラと言えば、今年はヴェルディ生誕200周年にあたる。全 詠玉(ソプラノ)、新津耕平(テノール)、井上雅人(バリトン)、そしてエレクトーン伴奏・清水のりこが『椿姫』『リゴレット』から名場面・名曲を披露した。会場は屋外のため天候が心配されたが幸いにも好天に恵まれ。家族連れ、カップル等、多くの人で賑った。

企画・演出そしてコーディネータ役の彌勒忠史氏が登場。「ブラヴォ」「ブラヴィ」の声のかけ方やオペラのエピソード等の解説も楽しく、歌が始まると芝生に寝転がっていた人たちもどんどんオペラの世界、ヴェルディの音楽に引き込まれていった。

このコンサートには「Digitalyrica(デジタリリカ)」という冠がついている。企画・演出の彌勒氏にお話を伺った。 「この言葉はDigital(デジタル)とLyrica(リリカ:イタリア語でオペラの意)を合わせた私の造語です。エレクトーンがオーケストラの替わりではなく独自の音楽でオペラとコラボできれば…。例えば5.1サラウンドを使ったりすれば、音楽を前後、左右に動かすこともできるし、それは新しいオペラの誕生にもなります」と言う。また、今回の東京ミッドタウンのテーマ"NEW STAGE"に合わせ、「次世代のオペラを、次世代を担うオペラ歌手で上演する」ことにも熱い思いを語っていた。

エレクトーンとオペラの共演は20年以上の歴史を持つが「Digitalyrica」という明確なコンセプトを持つオペラ・コンサート活動が大いに期待される。

エレクトーンシティ渋谷・記

エレクトーン演奏/清水のりこ

2013年4月27日 東京ミッドタウン芝生広場