しみじみとうたう高津佳・日本の抒情歌 高津佳ランチタイムコンサート

埼玉・東京・横浜の三ヶ所にて開催された高津佳コンサート。最終の横浜公演が「驛の食卓」にてエレクトーンとのコラボレーションで行われました。

歌い手である高津さんは、長年にわたり特に日本歌曲の研究・解釈・ピアノ伴奏において日本の第一人者として活動を続け、たくさんの声楽家の伴奏を手がけてこられたピアニスト“塚田佳男”さん。歌い手としての活動では“高津佳”として4枚のアルバムをリリースしており、各地での演奏も行っています。20年程前からエレクトーンにも注目してくださり、今まで発売されてきたCDのすべて、またオペラ歌手が歌う「日本の歌」「映画音楽」など様々なご自身の企画構成のコンサートにエレクトーンのサウンドを取り入れてくださっています。

プログラムは前半にNHKのラジオ歌謡を特集。1946年から1962年までの間、NHKラジオ第一で800曲近く放送され、中には「夏の思い出」や「雪の降る街を」などラジオ歌謡であることを知らない方にも愛され歌い継がれている曲が数多くあります。エレクトーンサウンドとの相性も良く、曲の持つ叙情的な要素と変化に富んだ曲想を自然な形で表現できたのではないかと思います。  エレクトーンのソロコーナーでは、タンゴの名曲やイタリア民謡など、横浜地ビールと美味しい食事に囲まれたこの場所の雰囲気を更に盛り上げる曲を。そして後半はポピュラー抒情歌の数々と塚田佳男さん作曲のオリジナル曲「母の詩」。作詞をされた早崎日出太氏からも作詞、作曲に至ったエピソードが語られ、会場はランチタイムコンサートならではの温かい雰囲気に包まれました。

CD『見果てぬ夢こころの歌3』のライナーノートに「本当はピアニストとしてより歌い手としての人生を送りたかった…」と書かれている高津佳さん。そのサポートをできた喜びと共に、心からの歌を、これからもたくさんの方々に聴いていただきたいと願っています。

長谷川幹人

エレクトーン演奏/長谷川幹人

2013年11月16日 関内 驛の食卓