新春を華やかに 崔宗宝 ニューイヤーコンサート

新春に相応しい豪華な顔ぶれによるニューイヤーコンサート、1月5日、神奈川県海老名市文化会館大ホールにて開催されました。中国出身バリトン歌手、崔宗宝さんの「海老名でもウイーンのようなニューイヤーコンサートを!」という強い情熱により始められたこのコンサートも第3回を迎えました。

主催の崔宗宝さん(バリトン)に加え、今年の豪華ゲストは、森麻季さん(ソプラノ)、セツコウギンさん(テノール)、杣友惠子さん(メゾソプラノ)、フォーシャオチェンさん(二胡)。素晴らしい歌手たちを支えた弾き手は、ピアノの金井信さん、エレクトーンは私、赤塚博美が務めました。第1部は、オペレッタ、イタリア民謡などを中心に披露されましたが、それぞれの個性のある歌声、音楽に客席は魅了されました。崔さんが東日本大震災に心を痛め、何かできることがないかと始めた“崔宗宝東日本大震災支援奨学基金”受領者である千釜有美子さん(東京藝大在学中)のピアノ演奏も披露されました。休憩を挟んで後半は、オペラのステージ、椿姫の前奏曲を美しい音色と共にエレクトーンソロで、その後は、乾杯の歌に始まり、ヴェルディ、プッチーニなど良く知られたオペラアリアが歌われました。甘く艶のある歌声の崔さん、柔らかさと表情豊かな演奏の杣友さん、森麻季さんの透き通る歌声に、お客様はどんどん惹きこまれていきました。中国人テノール歌手のセツコウギンさんは、「友よ今日は楽しい日」で8回のハイCを軽々と出しパバロッティの再来かとも思わせ、大いに客席を沸かせてくれました。

最後は、全員で「誰も寝てはならぬ」、そして、ニューイヤーコンサートの定番、「ラデツキー行進曲」で盛大に幕を閉じました。

当日のリハーサルのみで、歌手と音楽を作り上げなければならないというスリル満点なコンサートではありましたが、無言のまま、音楽で会話をする……それを証明できる音楽家との共演に、さらに音楽の素晴らしさに触れることができたコンサートに感謝しております。

赤塚博美

エレクトーン演奏/赤塚博美

2014年1月5日 海老名市文化会館大ホール