5人の個性が炸裂… ジャズ・ヴォーカル・ナイト

ジャズ・ヴォーカル界の重鎮、マーサ三宅が主宰する「マーサ三宅ヴォーカルハウス」は東京・中野に本校を構える。1972年開校というから40年以上の歴史を持ち、もちろん、多数のジャズヴォーカリストを輩出している。そこに学ぶ、あるいは既に卒業しライブハウス等で活躍する精鋭の美女5人による「ジャズ・ヴォーカル・ナイト」がエレクトーンシティ渋谷・メインスタジオで開かれた。

コンサートは二部構成で、一人が2曲ずつ計4曲を歌う。演奏は倉沢大樹(EL)と安藤信二(Dr)。5人の歌手を紹介しよう。トップバッターは「福島貴美子」。ヴォーカルに加えオーボエも演奏しステージに彩りを加えた。「伊藤さつき」は、1部はジャズ、2部はフランス語でシャンソン、と幅広い。「有地ゆり」はスタンダードナンバーをあでやかに歌い上げる。「小池真理子」はパンチの効いたビート感が素晴らしい。トリの「井元理恵」はビッグバンド、コンボ、オーケストラ等、スタイルの違いを歌いこなした。5人の個性が炸裂…そしてマーサ三宅ヴォーカルハウスの幅広さを知る聴き応えのある「ジャズ・ヴォーカル・ナイト」となった。

それにしても倉沢大樹の演奏は見事であった。もちろん事前に楽譜は渡してあり、音色の準備もしたであろうが、4ビート、16ビート、スローワルツ、ボサノバ、ラテンetc.ビートの違いに加え、ピアノトリオ+α、ビッグバンド、ラテンバンドetc.とスタイルもあれこれ。しかも音合わせは当日本番前に簡単にしただけ。そこがジャズの醍醐味ではあろうが、エレクトーンならではの自在さを引き出し、インパクトある演奏を聴かせた倉沢大樹にいつまでも拍手をおくりたい。

エレクトーンシティ渋谷・記/敬称略

左から小池、有地、井元、伊藤、福島。エレクトーン演奏/倉沢大樹

2014年11月7日 エレクトーンシティ渋谷