和楽器とエレクトーンのセッションで盛り上がる! 「和ライブ」part3~美しき日本の心・音・情景~

「にっぽんっていいなあ!」

あるテレビ番組恒例のナレーションですが、タイトルに掲げたように、美しき日本の心・音・情景に浸っていただき、「にっぽんっていいなあ!」と心から感じていただけるコンサートを、と2012年に開始したのが、この「和ライブ」です。

私は常々、クラッシックと歌謡曲、洋楽と邦楽、といった垣根を取り払い、お客様に心から楽しんでいただけるコンサート作りを目指していきたいと考えております。今回も、国際尺八コンクール優勝の岩田卓也氏、津軽三味線全国大会で3年連続準優勝の山中信人氏、昨年リオで西村智美指揮のオケに和太鼓ソロで招かれるなど大活躍の壱太郎氏、数々の琵琶コンクールに優勝し「文化 庁文化交流使」として海外で日本音楽を紹介する櫻井亜木子氏、と邦楽界を牽引する気鋭のメンバーが集まってくださり、私の 歌の助奏、合奏、ソロと感動的な演奏を披露してくれました。「津軽じょんから節」など次々に繰り出される“日本の美しい音”にお客様のお顔もほころびます。洋楽からは、矢沢永吉のライブでもバックを務めるトランペット岩尾浩史氏が出演。日本人の琴線にふれる「赤とんぼ」の演奏に涙ぐむ方もいらっしゃいました。

後半には富山県「おわら風の盆」の幽玄の舞に、耳だけでなく目でも楽しんでいただき、「つるの恩返し」ではアナウンサー岡本妙子氏の静かな語りにエレクトーンのBGMが物語をより鮮明に浮かび上がらせ、幼き日に戻っていただけたようです。

こうして大変欲張った構成をいたしましたが、いつも要となって私のコンサートを支え てくれるのがエレクトーン長谷川幹人氏。その大活躍は皆様よくご存じでご説明の必要もないでしょう。和楽器の多くは奈良時代に遣唐使によって中国から伝えられたものですが、その悠久の時を経た和楽器と、生まれてまだ50余年、時代の先端を行く最新鋭エレクトーンとの「時空を超えたコラボレーション」がこのコンサート最大の聴きどころです。

「信濃追分」「八木節」など日本民謡が散りばめられた外山雄三氏作曲、長谷川幹人氏編曲による「ジャパニーズ・ラプソ ディ」が「和ライブ」恒例のフィナーレ曲。和楽器奏者と、長谷川氏の若い力のぶつかり合いは圧巻で、お客様に鮮烈な印象を残しています。奏者たちが嬉々として演奏している姿に「このコンサートを企画してよかった」といつも幸せな気持ちになります。名称に和と洋の融合の願いを込めた「和ライブ」。この企画を細く永くつづけて、共演者、お客様とともに私も「美しき日本」を愛でてまいりたく思っております。「にっぽんっていいなあ!」…と。

九月にはこの「和ライブ」メンバー全員で沖縄公演の予定です。今後も微力ながら、邦楽と洋楽、クラッシックと歌謡曲を結び付けていく役割を担うことができましたら望外の幸せでございます。

二代目松原操(霧島昇・松原操三女)

(上から)写真4:エレクトーン演奏/長谷川幹人

2015年12月13日 エレクトーンシティ渋谷