耳の肥えた聴衆からお褒めの言葉を! 二本松音楽協会 第89回定期演奏会 成田博之バリトンリサイタル

二本松音楽協会は、福島・二本松市コンサートホールを拠点とする会員制音楽鑑賞団体です。“二本松市でユニークかつ一流の演奏会を”と、会員の皆様により年3回程度演奏会を自主的に運営されています。

これまでに国内外の名演奏家が出演され歴史あるこの企画、今回はバリトン・成田博之さんのリサイタル。成田さんは日本を代表するバリトン歌手であり、長年エレクトーンを積極的にご自身のプロデュース公演に取り入れてくださっている演奏家のお一人です。今回もお声掛けいただき、この企画に参加させていただく運びとなりました。

このコンサートホールは二本松ゆかりのプリマドンナ関屋敏子さんに因んだ、イタリア風外観を持つ瀟洒な建物。コンパクトなサイズながら豊かな響きが素晴らしいホールです。会員制ということで、聴衆の皆様はアコースティックの素晴らしい演奏に耳馴染んだ方ばかり。

今回も成田博之セルフプロデュースにより、入り込みやすいように前半は古瀬安子さんの美しいピアノ演奏で「ピアノと共に」。そして、後半は私のエレクトーン演奏で「オーケストラと共に(エレクトーン)」という二部構成の演奏会でした。

前半は良く知られた日本歌曲や世界の名曲を。後半は雰囲気を変えて、オペラアリアから『リゴレット』「悪魔め、鬼め」、『カルメン』「闘牛士の歌」などを。迫力ある歌声に加えて、エレクトーンの演奏にももっと触れてほしいとのことから、途中エレクトーンソロでの「運命の力」序曲、「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲を挟み、充実のプログラムとなりました。

リサイタルとはいえ固い雰囲気ではなく、曲間の楽しいトークにお客様がリラックスされている様子が舞台上にも伝わってまいりました。コンサートの最後は、客席の皆さまもご一緒に「ふるさと」を。

「エレクトーンの演奏を聴いたのは初めて」という方ばかりながら、耳の肥えた聴衆の皆様から、お褒めのお言葉をいただけたのは何よりの喜びです。これからもいろいろな場所で、エレクトーンとともに音楽できるよう取り組んで行きたいと思っております。

著・エレクトーン演奏家/西岡奈津子

2019年3月17日 福島県二本松市コンサートホール