マスクの下の笑顔と温かい拍手に支えられて ふたつの「さとうきび畑こんさあと」

緑陰会は、「さとうきび畑」の作詩作曲者である寺島尚彦氏が2002年に発表した「緑陰」という歌にちなみ、洗足学園音楽大学で学んだ愛弟子たちが集まって作られたエレクトーンプレイヤーのグループです。メンバーは寺島氏の次女でありソプラノの寺島夕紗子を中心に、橘光一、伊藤佐智、堀麻衣子、桑原哲章、関口寿子、和泉さと子、末永京の8名。命名は寺島氏自身で、結成以来全国各地で多彩な演奏活動を行っており、それぞれのカラーが幾重にも重なりあうステージを展開しています。

その緑陰会による、ふたつの「さとうきび畑こんさあと」が、それぞれコロナ禍における文化芸術支援事業である文化庁の「ARTS for the future」(10月19日)と東京都の「アートにエールを!東京プロジェクト」(10月22日)の採択を受けて10月に開催の運びとなりました。

19日の公演にはサクソフォンの大城正司氏とピアノの江川真理子氏、そして特別出演として寺島葉子氏を、22日公演にはバリトンの武田直之氏とピアノの横山歩氏を迎え、今回のコンサートに華を添えていただきました。

2公演ともすべて異なる曲目を準備。寺島氏の数多い作品の中からは「牧歌」「秋の雫」「朱い蝶々」「冬の旅」「あなたのポケットの中」「野菜サラダ物語」「鎌倉は子守歌」「ひとつだけの命」、そして「さとうきび畑」「緑陰」をセレクトしました。ほかに世界の名曲も織り交ぜながら、当日会場にお越しくださったお客様にご参加いただく曲も用意し、久しぶりのコンサートを客席と一体になって楽しんでいただけるよう、メンバーで何度も検討を重ねました。

このような時期にもかかわらず、2公演は予定の座席を完売し、当日はお客様のマスクの下の笑顔と温かい拍手に支えていただき、メンバー全員大変幸せなひと時を過ごしました。コロナ禍でのコンサート準備は大変ではありましたが、どのような時代にも、いらしてくださる方々に喜んでいただけるコンサートを今後も続けていきたいと思います。

著・緑陰会代表/桑原哲章

エレクトーン演奏/緑陰会

2021年10月19日 けやきホール(古賀政男音楽博物館内)/10月22日 三鷹市芸術文化センター・風のホール