古民家カフェで起きた小さな奇跡 きくちいまい うたうだけクリスマス2022深大寺
12月17日に東京・深大寺にある古民家カフェ「いづみや」にて、菊地友夏(エレクトーン)、今井学(歌)、による『うたうだけクリスマス2022深大寺』を開催した。
いづみやの経営に携わっている堀内桂子さんとのご縁で、お声をかけていただき実現したコンサート。昼公演は、私たちのホームグランドであるミュージカルやディズニー、クリスマスナンバーも、明るめ楽しめをセレクトして華やかな気分に。
夜公演は、多岐にわたり作品を残した武満徹の中でも特に親しまれている『SONGS』を、新しい編曲で取り上げた。また、しっとりとしたクリスマスナンバーで締め、夕暮れの深大寺を背景に穏やかな時間が流れた。
古民家という空間ならではの雰囲気に溶け込む音楽ができたらいい、という私たちの想い。
ちょうど武満徹「めぐりあい」の最後の一音が終わったのを待っていたかのように、深大寺の鐘が「ゴーーン」と鳴り響いたのだ。あの瞬間、皆が息を呑み、小さな奇跡が起こったような温かい気持ちになった。
私たち「きくちいまい」ユニット結成から4年ほど。コロナ禍を挟み、お互い仕事の変化などを重ねながら、細々自分たちのライフワークとして活動を続けている。
歌手とエレクトーン奏者ということ以前に、お互い表現者であるという認識でアンサンブルをしているので、あえて多彩な音やエレクトーン的裏技を取り除いたアレンジでやりたいことに向かって行くことができるのだ。そんな関係性を築くことこそ、実はエレクトーン奏者にとっては難しく、どの現場においても時間と努力と経験を要するのかもしれない。
これからも大切にマイペースに丁寧に、音楽を届けていけたらいいなと思っている。
著・エレクトーン演奏家/菊地友夏
エレクトーン演奏/菊地友夏
2022年12月17日 深大寺いづみや