洗足学園大学・寺島尚彦門下生が集う人気コンサート 北軽井沢秋いちばんコンサートVOL・24

「秋いちばんコンサート」は1997年、当時の洗足学園大学の寺島尚彦ゼミからスタートしました。会場は浅間山の麓、群馬県の北軽井沢にある北軽井沢ミュージックホールです。

北軽井沢には寺島家の別荘、通称「寺島山荘」があり、寺島先生は小さい頃から作家の谷川俊太郎さん、女優であり童謡作家の岸田衿子・今日子姉妹とも遊んだり、ともに勉強したりしていたそうです。先生も亡くなる直前まで北軽井沢の山荘で作曲されていたのを思い出します。

北軽井沢ミュージックホールは半野外の会場で、元々は日本初の音楽学生のための夏期合宿施設でした。1968年8月に齋藤秀雄さんの門下生、秋山和慶さんの指揮で、桐朋学園オーケストラによって柿落としが行われた由緒あるホールです。このホールで毎年開催されている「秋いちばんコンサート」、今年で24回目でした。途中3年はコロナ禍などで開催できませんでしたが、寺島夕紗子さんはじめ緑陰会(寺島尚彦先生の元で学んだエレクトーンプレイヤーのグループ。現在では、関東・新潟・福岡・長崎から集まる8名)の古参メンバーは、もう27年、北軽井沢に集っています。

半野外の会場のため、突然の豪雨により電源が落ちたり、車のクラクションが聞こえたりといろいろなアクシデントはありますが、毎年ゲストも呼び、お客様参加コーナーを作ったりとメンバーが趣向を凝らして続け、今では大人気のコンサートになっています。また、先生が書いてくださった、地元の和太鼓チーム・浅間鬼押し太鼓とエレクトーンのための曲も毎年演奏しています。今年は、ゲストにバンドネオン奏者の平田耕治氏を呼び、バンドネオンならではの「リベルタンゴ」や宮崎アニメ、クラシックなど、さまざまなジャンルの曲を共演しました。もちろん、寺島先生の代表曲「さとうきび畑」、緑陰(こかげ)会のネーミングにもなっている「緑陰」も新しいアレンジで披露しました。来年はいよいよ25回記念コンサートです。空気がきれいで涼しい北軽井沢に、ぜひいらしてください。

著・オルガニスト/橘 光一

エレクトーン演奏/緑陰(こかげ)会

2023年8月26日 北軽井沢ミュージックホール