「楽しい音楽」を目指して サルビア21 オペレッタ『白馬亭の恋』

サルビア21は1997年に発足、コーラスだけでは物足りなく、お芝居もやりたいという人たちが集まり、声楽家でコーラスの指導者でもある宮地多美子氏が主宰し、以後、埼玉県和光市を中心にミュージカルやオペレッタの公演活動が始まった。

原題を『白馬亭にて』というオペレッタは、オーストリアのザルツカンマーグートに実在するホテル「白馬亭」を舞台にしたオペレッタで、日本ではあまり馴染みのないオペレッタだが、ヨーロッパでは『メリーウィドウ』をも凌ぐ大変人気のある演目である。

今回の上演にあたりサルビア21では『白馬亭の恋』と題し、原曲を基に、日本語訳、台本、衣装、演出、編曲に至るまで、すべてサルビア21の手作りで上演された。

オペレッタは、オペラに比べて台詞の部分が多く、やはり海外からの引越し公演では、言葉の壁により十分に楽しめないという問題がある。サルビア21では、お客様が心から楽しんでいただけて、メロディーを口ずさみながら帰路につかれる。そんな公演を目指して、主宰の宮地氏の下、会員は舞台に立つことで、生きがいと若さを貰っている。  今回の『白馬亭の恋』も同様に、ソリストには現在活躍中のプロの歌手等に参加願い、20代~70代まで幅広い年代が揃うサルビア21メンバーで合唱やダンスを行う舞台である。

エレクトーンでオーケストラを演奏する際、楽曲のフルスコアを見て演奏されるのだが、その場合、楽器編成のバランスを考慮しなくてはならない。

今回編曲をするにあたり、なるべく原曲に忠実に、それでいてエレクトーンという楽器の特性を生かして、サルビア21の意向どおり「楽しい音楽」を目指してみた。

エレクトーンの編成を考えたとき、やはり3台で演奏されるほうが、よりオーケストラ全体の音をバランス良く確実に再現できることに、改めて気づかされた本番であった。オペレッタや、エレクトーンの音に馴染みのない観客の方々にも楽しんでいただけたと感じている。

編曲/小林 樹

エレクトーンオーケストラ/小倉里恵、鈴木弥生、三浦美帆

2010年7月17日 和光市民文化センター