岩手県・専修大学北上高等学校

インタビュー マーチングバンド成功のヒントがここに!

※この記事は2009年時のインタビューです。

バンドの紹介をお願いします

当部は全校生徒850人中、部員が110人と岩手では考えられない人数を誇ります。盛岡と違い北上は人口も少ないので、なかなか部員数は伸びないのですが、体験入部などで部員募集を行うなどしています。安定して入部があれば良いのですが、なぜか3年周期で入部がすくない年がありましてね(笑)なかなか厳しい状況ではあります。
活動は吹奏楽をメインに、その延長線上でマーチングを考えています。
私が赴任してきたときは、吹奏楽はこの地区で県大会にいけなかった唯一の学校で、伝統的に行っていた演奏会のステージドリルが一番の売りでした。1975年に全国高等学校総合文化祭が盛岡で開催され、パレード・マーチング部門に出場する事になりました。当時は岩手県でマーチングをやっている学校が殆ど無かったため、ステージドリルの伝統があった本校に出演の声がかかり、マーチングを始めるきっかけとなりました。指導をお願いできる知り合いも、予算も無い中でどうにかしないとならない状況でしたので、マーチングバンド指導者協会(現マーチングバンドバトントワーリング協会)主催の指導者クリニックに参加しました。フォーメーション等はマーチング全国大会のビデオを何回も見てコピーしました(笑)。それが本校吹奏楽部のマーチングのスタートです。
その後マーチングの上達のおかげで定期演奏会のステージドリルが評判を呼び、昼と夜の2回公演を実施する程お客さんがどんどん入るようになっていきました。
同時に吹奏楽も少しずつ上達し、県大会で初めて金賞を取ったのは1998年ですね。
1999年のインターハイの開会式ではうちのバンドがマーチングの主力になりました。それを機に本格的にマーチングの大会に臨み、4年目でやっと全国出場が叶いました。
またインターハイの前年にユニフォームを新調しましたが、それから12年目の今年、学校側から生徒達の頑張りが学校に貢献していると、ご褒美に新調してもらいました。今年の大会から新しいユニフォームで気持ちも新たに出発します。

ヤマハと出会ったきっかけは?

ヤマハのマーチング指導の先生と出会ったのがきっかけです。基本的にマーチングの管楽器はインターハイの関係もあって殆どヤマハの楽器を使ってはいましたが、打楽器をヤマハで揃えてみようかと思い楽器を借りました。その時ヤマハのスタッフの方にチューニングしてもらったのですが、すごいなと思いました。現在、バッテリーはヤマハを使用しています。あとJBCバンドスタディもきっかけでした。この北上地区全体での指導者講習会でもお世話になっています。
政治の世界では政権交代しましたが、ヤマハは日本の楽器メーカーの要ですから、音楽界で常に与党でないと困りますよね。色々な意味で音楽界を支えてもらって、他のメーカーがそれぞれのいいところを発揮してもらい、その中で私たちはそのとき一番良いと思われる楽器を選んでいければベストだと思います。

マーチングならではの効果や楽しみとは?

メリットは誰にでもわかるところです。わかりやすいので応援していただけるファンが沢山作れますよ。どんな演奏会でも可能なかぎりステージドリルをやっていますので、演奏会が盛り上がって実利的には運営費も稼げます。吹奏楽コンクールの場合は、自由曲を演奏しても好きな人には理解してもらえますが、全ての人にとなると難しくなります。その点、マーチングは色々な人に訴えかけられます。それに生徒自身も、音楽を観念的に考えるよりはマーチングのほうがずっとわかりやすいようです。音楽にあわせた動きやフォーメーションで動きから音楽をイメージしていくと、こういう動きだからこういう音楽なんだと理解する要素もあるので、音楽を難しく考えないで自然に入っていけるのだと思います。

バンドの目標を教えてください

マーチングの全国大会でもっといい結果を出したいですね。それから岩手県は、ずっと吹奏楽コンクールの全国大会にいっていないので、その口火を切る学校になるのが目標です。
あとは生徒の成長ですね。クラブの大会結果でなく、それに費やした努力に自信を持ち、それをもとにして、例えば就職して困難にぶつかったときなど、負けない忍耐力を身につけていくということです。
もうひとつは、純粋に感動すると言うことです。理屈抜きに何の計算もなく感動するということ。そのような貴重な経験を沢山させたいと思っています。コンクールも当然過程の中では大事ですが、活動を通して心身共に、人間的に成長できることが一番の目標ですね。
マーチングの場合は特に、自分の責任がものすごくはっきりしてきます。
100人のうちの1人だから目立たないだろうと思ったら大間違いで、ものすごく目立つんですよね。ですからフォーメーションができてから辞める生徒が出てくると頭がいたいです(笑)

これからマーチングを始めたいと思っている学校へアドバイスをお願いします。

練習場所でお困りの学校さんが多いと思います。
当校は吹奏楽をやるためにはりっぱな部室がありますが、一つしか部屋がないのでパート練習ができないんですよ。教室を使うしかないのですが、部室から離れているので、雨や雪のときは大変です。マーチングの練習はもっと深刻で、学校に30M×30Mの体育館がないんです。そのため体育館を必死に探し回って予約しています。バスで片道2時間の所まで行くこともありますよ。
110人を移動させるためにはバス2台をチャターし毎回10万かかりますので、演奏会の収益や寄付でなんとか乗り切っています。全国に出場できないと寄付も集まりませんので、来年どうしようと毎年綱渡りです。普段はグラウンドで運動部と交代で練習したり、パート毎に分割して練習をしています。授業の行われている時間帯はピアニシモで練習したり、最悪は歌いながら練習するなど工夫しています。