cor!s

 

 

小谷 : 今夜は初めての女性ゲスト、大注目の女性DTMer、COR!Sさんにお越しいただきました!
小谷・小南 : こんばんは!
COR!S : こんばんは、よろしくお願いします。
小谷:それでは最初に、COR!Sさんの紹介をさせていただきます。

~COR!Sプロフィール~
オーケストレーションとエレクトロミュージックを融合した独特な質感で、ポップスを中心とした楽曲を手掛ける音楽作家兼アーティスト。作詞・作曲・編曲・ミックス・マスタリングまですべて自身でこなす。持ち前の音感と世界観を武器に、ポップでファンタジックな楽曲を生み出す。

アーティストへの楽曲提供を行う他、オリジナル楽曲の制作・配信を行う。アニメーション作家やイラスト作家とのコラボなど、活動の場を広げている。また京都在住のトラックメーカーAZUpubschoolと結成しているコンポーザーデュオ”KiWi”での活動も注目を集めている。

http://coris.jp/
https://twitter.com/CORIS_story
https://twitter.com/0411kiwi

活動のきっかけは、何気なく応募した
Remixコンテストの最優秀賞!

小谷:プロ作曲家でもあり、アーティストでもあり、ユニットでも活動されている、とても多才な方ですね。プロフィールを見ていても思ったんですが、何気なく応募したコンテストで……
小南:「最優秀賞」って……カッコ良すぎますよね

(一同笑)

小南:ちなみに、それはどんなコンテストだったんですか?
COR!S:これは、「Sound and Recording Magazine」という……
小谷:あぁ、サンレコ(※Sound and Recording Magazineの通称)ですね!
COR!S:はい、DTMをやられてる方なら皆さんご存知かと思います。たまたま、そのサンレコさんの企画で、私が大好きな写真家でDJ等もやられているジュリワタイちゃんという女の子の、ボーカル素材をRemixする!みたいなのがあったんですけど……もう、その子につられて、「好きだからやっちゃう」みたいな(笑)。
小谷:なるほど、好きなアーティストさんが、素材を上げてるコンテストだったので、応募されてみた、と。
COR!S:そうなんです、はい。
小谷:そして何気なく作って応募してみたら……最優秀賞に選ばれて、ということなんですね。
COR!S:はい。
小南:すごい……
COR!S:コンテストは初めてだったんですけど……
小谷:初めてですかしかも?!……その後も色々なコンテストで賞を獲得し、プロ作家デビューということですから……得意なんですね、コンテスト!
COR!S:そうなのかもしれないですね(笑)。

(一同笑)

小谷:これは僕の感覚で、ちょっと偏見かもしれないんですが……女性でDTMって、機材だなんだで苦手だったりする方も多いんじゃないかと思うんです。でも、こちらの小南さんもDAW女として活躍されているワケですし、若い女性で「DTMで作曲するよ!」って方、増えているなあと感じますね。

音楽制作のきっかけと、
Cubaseとの出会い

小谷:ちなみにCOR!Sさんの、DTM/DAWとの出会い、きっかけはどういうところだったんでしょう?
COR!S:そうですね……元々パソコンは使っていて、大学の頃は映像編集とかもしていたんです。で、DTMの仕組みが、割と映像編集の仕組みに似ていた、っていうのもあって。作曲は元々やりたかったので、DAWってモノを知ってからは、もう食いつくように……(笑)。
小南:なるほど。じゃあ、もうハードルとか抵抗感とかも無く始められたんですね?
COR!S:そういうのは、あまりなかったですね。
小谷:ほー……。
小南:すごーい。
小谷:映像は、ちなみにどういったモノを作られていたんですか?映画とかですか?
COR!S:映像は、基本的には短いもので、CMコンテストに応募したりしてましたね。それで、BGMとして、映像に合わせた音楽を元々作りたいなあって思ってて。
小谷:それでDTMに出会い……使われているDAWは何でしょう?
COR!S:今は、ヤマハ(Steinberg)のCubaseです。
小谷:なるほど。それが一番最初に出会ったDTMのソフトですか?
COR!S:そうなんです。もうずっと一筋で。
小南:Cubaseの操作は、独学で覚えられたんですか?
COR!S:そうなんです。
小南:へー……すごいなあ。
COR!S:というか、最初、「使い方」みたいなところはチラッとスクールに通って教えて貰ってたんですけど、すぐに先生に「来なくていいよ」って言われちゃって(笑)。
小谷&小南:すごい!
COR!S:それで「あ、そうなんですか」って(笑)。
小谷:それじゃあ、やっててそんなに分からないこともなく、いきなり(DTMに)入れた感じだったんですか?
COR!S:飲み込みは、結構早かったですね。
小谷:ほー……僕も10年くらい前からのCubaseユーザーなんですが、僕なんて、初めてCubase使った時、もう冗談じゃなくて、最初音が出なくて……本当に音の出し方が分からなくてそのまま2ヶ月放置してました。

(一同笑)

小南:私も今でこそ「DAW女」とか言ってますけど……最初にDAWをダウンロード、インストールした日、熱出しました。

(一同笑)

小谷:知恵熱か(笑)。
小南:そうそう(笑)。

COR!S:でも私、Cubaseは初心者に優しいなって思います。Halion Sonicだったりとか、音色がすぐにパッと使えて、「あとは頭の中にある音を打ち込んでいくだけ」みたいな。
小谷:Halion Sonic僕もよく使いますが、アレ、なんかすごく使いやすいですよね。
COR!S:使いやすいですね。音色も結構いいですし。
小南:2人はCubaseユーザー同士なんですね!
小谷:そうなんですよー。今日はもう、小南さん置いて盛り上がっちゃうかもですね(笑)。

変拍子変態曲?!
「Wandering Snow」について

小谷:それではここで、COR!Sさんの楽曲を1つ、聴いて貰おうと思います。曲紹介、お願いします。
COR!S:これは1月に自主リリースしました、「Wandering Snow」です。

 

小南:すごいですね。まるで映画を見ているかのような。
COR!S:ありがとうございます。
小南:なんか泣きそうになりました(笑)。
COR!S:そう言って頂けると嬉しいです(笑)。

小谷:今日は、COR!Sさんにこの楽曲「Wandering Snow」のプロジェクトファイルを持ってきていただきました。
小南:プロジェクト、覗いちゃいますよー(笑)。

小谷:この楽曲、「特徴」はどんなところですか?
COR!S:そうですね……プロジェクト上で、1番上に固定してるトラックがあるんですけど。
小谷:これは拍子トラックですね。
COR!S:はい。これをちょっと見て頂くと……
小南:すごい!!
COR!S:変拍子になってるんです。
小谷:すごい!こんなの見たことない!
小南:これは……(拍子の変更は)一小節ごと、とかですか?
COR!S:そうですね。だいたい一小節だったり、二小節だったり。
小南:1〜2小節ごとに、拍子が変わっている……!
小谷:5/4, 3/4, 5/4, 3/4……みたいに、1〜2小節ごとにどんどん変わっていく。
COR!S:はい。
小谷:さっきの楽曲の中でも、確かに盛り上がってるところで、変拍子な盛り上がり方、してましたもんね。
では、ちょっとその変拍子になる辺りを聴かせてもらってもよろしいですか?

(再生中)

小谷:もう全っ然、拍子が全然追えない!(笑)
小南:すごーい!
小谷:これは、作曲してる時に、このイメージがこの拍子で鳴っちゃってるから、しょうがなくこのかたちに?それとも、「これは変拍子の曲にしてやるぞ!」みたいな感覚で作っているのか、どっちでしょう?
COR!S:いや、もう作ってるうちに、「次は3/4、次は5/4」って……(笑)
小谷:おぉー、なるほど。
小南:へぇ〜~~~~……。
COR!S:もう感覚に任せてやると、「こうなってしまった」みたいな。
小谷:なるほど〜、さっきの「DAWは簡単に入れた」ってところから漂う、この「天才」感(笑)。
COR!S:結構、地味なことしてます(笑)。

スネア一つにも大きなコダワリが

小谷:この楽曲、他にもこだわりはありますか?
COR!S:そうですね……音色に表情を付けたくて、スネアに4トラック使って、それぞれカラーの違うスネアを使ってたりとか。
小南:なるほど。同じスネアでも、音が全然違う、みたいな?
COR!S:はい。
小谷:それじゃあ、ちょっと聴かせていただけますか?



小谷:ん〜、なるほど。今、COR!SさんのCubaseのプロジェクトを覗き見させてもらってるワケですが……これは女子ならではなんですかね、このすごく整理されたプロジェクトは。
COR!S:(笑)
小谷: 僕のプロジェクトでは絶対ありえない(笑)。
小南:「女子ならでは」と言われてしまうと分からないですけど(笑)、ホントに綺麗!よく整頓されてる……。
小谷:これ、ラジオを聴いてる方には伝わらなくて申し訳ないんですけど……まず、全部フォルダトラックに分けられている。オケとビートとFXと……。全てのトラックに、できるだけ早く辿り着けるように、すごく考えられてるなと。
小南:女子力を感じますね!
COR!S:(笑)
小谷:いや感じますよ。すごい。

CubaseのVariAudioが、
今のCOR!Sさんを作った?

小谷:COR!Sさんは、Cubaseを使い始めてどのくらいになるんですか?
COR!S:えっと、もう5年くらいですかね。Cubase5の頃からです。
小谷:5!5からっていうと、じゃああのー、VariAudioとか搭載した頃ですよね。
COR!S:はい。もうそれ(VariAudio)を知ってしまった状態でスタートしたので、VariAudioが無かった時がもう考えられないというか……無かったら、今の自分はどうなってるんだろう、みたいな。
小南:ちなみに、CubaseのVariAudioについて、教えて貰えますか?
小谷:例えば、オーディオのボーカルデータのピッチを編集したりとか、タイミングを直したりするツールで、それがCubaseの中に内蔵されてるんです。なので、オーディオのファイルをダブルクリックするだけで、ピッチをいじったりする画面が出てきて、そこで自由自在にオーディオデータをコントロールできる、っていうのが、VariAudioなんですが……それに出会ってしまったら、ねえ?
COR!S:はい(笑)。ちょっともう、それまでのことは考えられないですね。
小谷:ちなみに、先ほどの楽曲「Wandering Snow」では、VariAudioは使ってないんですね?
COR!S:そうですね、この曲では使ってないんですが、ボーカルのある曲も作ってて、そういう曲では、多用……っていうか、もう全部VariAudioですね(笑)。あまり歌に自信がないので……。
小谷:歌に自信がないんですか?!
COR!S:はい、もう自分の声は素材として扱ってるので、ストリングスとかを打ち込むのと同じ感覚ですね。
小南:「声も楽器」みたいな。
COR!S:はい。
小谷:ほ〜。
COR!S:なので、VariAudioはMIDIっぽくオーディオを操作できるので、ありがたいですね。
小南:なるほどー。

COR!Sさんが組んでいる
コンポーザーデュオ「KiWi」

小谷:ところで、COR!Sさんはユニット「KiWi」でも活動されているとのことで、そのkiwiについて聞かせてもらえますか?
COR!S:はい。
小谷:2人組のコンポーザー・デュオとのことですが。
COR!S:えっと、京都のトラックメイカーでAZUpubschool君( @Azupubschool )っていう男の子と一緒に組んでるユニットなんですけど。「KiWi」っていう物語に基づいて曲を作っていて、サウンド的にはダンスミュージックの要素を取り入れながらも、「物語のサウンドトラックを作っている」っていうカタチで活動しています。
小谷:では、早速聴かせて頂きましょう。曲紹介、お願いします。
COR!S:はい。この曲は3月(2016年3月)に4曲入りのEPとしてリリースしました、「Sugar Panic」です!


 

小谷:はい、ここでTwitterからCOR!Sさんにメッセージを頂いております。先ほどのWandering Snowへの反応かと思いますが、「変拍子変態曲!」と。

(一同笑)

小谷:あとは「COR!Sさんのポッキーの曲好きだなあ(江崎グリコ主催のコンテスト「ポッキークリエイターズ」受賞曲)」といったコメントも来てますね。
COR!S:わぁ〜、もうありがとうございます!

MC小南さんと
DTM女子トーク?!

小谷:さて、小南さん。
小南:はい!
小谷:同じDTM女子として、女の子目線でCOR!Sさんに聞きたい事など、ありませんか?
小南:女子トークですね!っていっても、先ほども言っていた通り、DTMって地味な作業じゃないですか!
COR!S:はい(笑)
小南:もうホント、部屋にこもって、寝る間を惜しんでやってるんですよ!
小谷:確かに(笑)
小南:でも私、前に雑誌か何かかな……?で、一度COR!Sさんのスタジオ、ご自宅の作業スペースの写真を見たことがあるんです。
それが、めっちゃ可愛いんですよ!!
小谷:ほお〜。
COR!S:ありがとうございます(笑)
小南:真っ白で統一されているんですよ。
COR!S:そうですね、私、白が好きで、基本機材とか、家具とか、机とか、そういうの全部白にこだわってます。
小南:めっちゃ、女子!これぞDTM女子……!
小谷:小南さんは、何色にこだわってるんですか?
小南:うーんと!でもでも!!白の機材って惹かれるの分かります!私も今、MIDIキーボード白だし、机も白ですし。
小谷:アレは?JD(Roland / JD-Xi)
小南:JDも、黒と白両方持ってます。じゃあCOR!Sさんは、機材とか選ぶ時もインテリアと同じように?
COR!S:そうですね。なんか私、曲を作るときの空間も大事にしてるんで。「自分の好きなものに囲まれたい!」みたいな感じで。
小谷:ほお~。
小南:でもなんか、COR!Sさんホント可愛らしくてね、ファッションも曲の世界観とリンクしている感じですね。
小谷:1人でこもって作業する、それこそ打ち込みとか宅録だとかするからこそ……
小南:そう!そういうトキメキって大事ですよね!
COR!S:そうですねー!
小谷:これは女子ならではですね。僕、あんまりないんで、そういうの。結構「汚い部屋の方が落ち着いて作業できるなあ」とか思っちゃう。
小南:えぇ~~~~。
小谷:なんかこう、「手の届くところに全部あって欲しいな」みたいな感じがあったりするので。
小南:じゃあ男子と女子の違いかもしれないー!
小谷:かもしれない(笑)。このプロジェクトの綺麗さ加減も含めて。
小南:うん、確かに。テンション上げながら書いてく、みたいなのあるかもしれない。
COR!S:そうなんですよね〜。
小南:「女子あるある」みたいな(笑)。

小谷:小南さん、普段制作していて「私、こういうとこ女子度あるんだよ」みたいなのって、あります?
小南:女子度あるかなあ〜!(笑)でも私、今日は、COR!Sさんのプロジェクトファイルからも溢れ出る女子度に感銘を受けています!
COR!S:これは女子度なんでしょうか……

(一同笑)

小南:はい、私も頑張っていきたいと思います。

小谷:ということで、本日は女の子DTMerのCOR!Sさんにお越し頂きました。ありがとうございました!
COR!S:ありがとうございましたー。
小谷:最後にもう一曲、COR!Sさんの楽曲を紹介させていただきます。
COR!S:「まちぼうけ」という曲です。