yucat

 

 

小谷:本日は、「スチームパンク・ゴシック」をテーマに、ダークファンタジーな世界を創造する女性アーティスト、yucatさんにスタジオへお越し頂きました!
yucat:yucat(ユキャット)でーす、よろしくお願いしまーす!
小南:よろしくお願いしまーす!

====yucatプロフィール====
2003年、女性シンガーデュオ「RYTHEM」としてデビュー、数多くのアニメ・ドラマタイアップ楽曲をリリース。RYTHEM解散後、2011年からyucatとしてソロ活動をスタート。
スチームパンク・ゴシックをテーマに、ダークファンタジーな世界「Parallel World」創造している。
全てが物語仕立てになっているアルバムを4枚リリース、工場クルージングライブやストーリー仕立てライブなど、唯一無二なライブを展開している。

http://www.yucat1031.com/
https://twitter.com/yucat1031
https://www.instagram.com/yucat1031/

yucatさんのキーワード「スチームパンク・ゴシック」とは?

小谷:そんなyucatさん、早速今のプロフィールにも、気になるワードがいっぱいあるんですが。
小南:もういっぱいありすぎて、どれから聞いていこうかと(笑)。
yucat:(笑)

小谷:まず「スチームパンク」「ゴシック」というところがちょっと気になりますね。
yucat:そうですね、私、「スチームパンク」がすごく大好きで……分かりやすく言うと、「Final Fantasy(TVゲーム)」とか、「天空の城ラピュタ」とか、ああいう世界だと思って貰えるといいかなあ、と。
小谷・小南:なるほど。
yucat:そういう、一見「近未来」なんだけども、蒸気で機械が動いている感じが「過去」だったりして……そういう未来と過去が融合した世界が「スチームパンク」なんです。
なので、その「スチームパンク」、アニメ等の物語ではよくある世界なんですが、音楽で表現している人はいないなあと思って。サウンドで表現してみようと思ったところからyucatが始まってるんです。
小谷:おー、なるほど……!
yucat:今日は私服なんですが、普段の衣装はかなりスチームパンクで、それこそ「戦闘服」的な感じで(笑)。
小谷・小南:へー……!

小谷:更にそこに、ゴシックも掛け合わせているんですね?
yucat:はい!私、いわゆるゴスロリ系の服も結構好きなので、自分流の「スチーム・ゴシック」って感じの洋服のデザインもやっていきたいなー、ってところからスタートして、色々組み合わせてみようかなと!衣装にもかなりこだわってます!
小谷:なるほどー、なんで今日は私服なんでしょう(笑)。
yucat:ごめんなさーい!(笑)
小南:えーでも今日のyucatさんの服も可愛いー!
小谷:そうですね、ゴシック感ありますね!
yucat:インスタ(Instagram)とかにはたくさん衣装が載ってるので、良かったら見てもらえたらと思いますー!
小谷:おぉ、それは是非チェックしたいです!

魅惑の“工場”クルージングライブ?!

小谷:あと、yucatさんの活動で「工場クルージングライブ」っていうのが、超!気になったんですが。
小南:そう!それすごい気になる!
yucat:そうなんです(笑)。この時、7回目のワンマンライブだったんですけど、ライブハウスで演るのにちょっと……飽きてきた、ってワケじゃないんですけど、変化が欲しいなって思っていて。yucatは毎回「進化と挑戦」をテーマにライブを作っているので……そこで、私の大好きな工場地帯の見学をしながら、みんなに(ライブを)観てもらえないかと!(笑)
……っていうことを考えたところから、船上のデッキでライブができる船を見つけて。
小谷・小南:ほー……!
yucat:それが、200人くらいのキャパでできるっていうんですね。本来は、その船にお客さんに乗っていただいて、横浜の綺麗な夜景を観ながらっていうクルージングなんですけど。
小谷:ふむふむ。
yucat:で、実際横浜まで行って、船長さんに「私は夜景なんてどうでもいい!」と。

(一同笑)

yucat:「工場地帯まで行ってくれないか!」とお願いしたんです(笑)。
小谷・小南:おぉ……!
yucat:そしたら、(船長さんが)「まぁ……マッハで飛ばせば行けますけど」って(笑)。

(一同爆笑)

小南:え?!すごーい!!
yucat:なので「ちょっと行ってもらえないですかね??」ってお願いして行ってもらったら……ホントに、速くて……(笑)。

(一同笑)

小南:やばーい!(笑)
yucat:ドーンって体が浮いたりしながら、それがまたアトラクションっぽくて楽しくて(笑)。……で、ちゃんとバックに天然の工場を見てもらいながら、ちゃんと生演奏でライブをするっていう感じですね。
小谷:ほー……面白い!
小南:すっごーい!
yucat:コレはかなり好評なライブでしたねー!
小南:工場って、夜とかすごい綺麗ですよねー!
yucat:そうなんですよ!夜、すごい綺麗で、工場のスチームもブァーっ!って中、ライブを観てもらう、と(笑)。
小谷:へぇー!すごい!
yucat:これはライブハウスじゃできないなって。

小谷:それ(工場クルージングライブ)って、ちなみに今まで何回もやってらっしゃるんですか?
yucat:いや、まだ一回だけですね。
小谷:じゃあそれをまたどんどんやっていきたいですよね。
yucat:そうですねー!かなり好評だったので、もう一回やりたいなあ、とは思っています。
小谷:すっごい観に行きたい!
小南:行きたい!アトラクションから楽しんでいきたい!(笑)
yucat:はい、楽しいですよ!(笑)

最新アルバム「PARALLEL WORLD-episode.0-」について

小谷:yucatさんは、リリースも沢山されていらっしゃるとのことで、最新作はこの4月にリリースされた4枚目のアルバム「PARALLEL WORLD ?episode.0?」ということなんですが。この作品についてお聞かせいただけますか?
yucat:実はこれ、収録曲は全曲、6年前に作った曲なんです。ライブだけでお披露目してたんですけど……映画とかでよくあるじゃないですか、「Episode.1, 2, 3」っていってから「Episode.0」みたいな!
小谷:あー、ありますね!
yucat:この「episode.0」は、yucatを形づくるために、「RYTHEMが解散した後、私は何を伝えていきたいのか」っていうのを模索しながら、脳内で旅をしながら作った楽曲たちなんです。そういった楽曲をまず12曲くらい生み出して、「よし、これならyucatができる!」って確信に至って、「Episode.1」を作ったんです。
小南:ふーむ……。
yucat:なので、この曲たちがあったからこそ、Episode.1, 2, 3とストーリーができたんです。で、ちょうど3枚目のアルバムができた時に、起承転結、じゃないですけど、「第1章が終わった」なと自分の中で思ったので、「あ、Episode.0を出すなら今だ!」と。なので4枚目はコレ(Episode.0)を出しました。6年前に作ってるので、今までで一番、ポップですね。
小谷:なるほど。ではその最新作「PARALLEL WORLD ?episode.0?」の中から一曲、紹介して頂けますでしょうか。
yucat:そうですね。この楽曲がホントにyucatの第一号として産まれた曲で、そしてファンの方々の投票でも、4枚のアルバムで一番人気の曲です。この曲に支えられて、今のyucatがあります。
小谷:この曲は、今までのアルバムには収録されていないんですか?
yucat:入ってないんです。ライブだけでお披露目してたのに、一番人気っていう。
小谷・小南:へー!
yucat:そんな、最新アルバムから聴いてください。「Fairy Story」。

 

yucatさんの曲には分厚い設定資料集がある?

小谷:ここまで、yucatさんの音の世界観を聞いてきたんですが、ここからはyucatさんの、実際の音作りだったりとか、そういう制作の面にもスポットを当ててお話を聞いていきたいなと。早速なんですが、こういう世界観の曲を作る時のプロセスはどういう感じなんですか?
yucat:物語から先に作りますね。頭の中で見えている映像を、具現化していく……言葉とメロディを引っ張ってくるという感じです。だから、曲を作るというより「PVを作る」という感覚の方が近いかもしれません。
小谷・小南:へー……!
小谷:ってことは、曲よりも歌詞の方が先に出来る感じなんですか?
yucat:いや、う~~~ん、決まりはないですね。同時の場合もあるし、歌詞が先だったりもありますし、メロディの場合も。でもメロは、最初は完全に鼻歌なので、楽器を触るのは最後にとっとくようにします。その方がなんか斬新な曲になるので(笑)。
小谷:実際、ご自身でDAWを触ったりといった作業はされるんですか?
yucat:そうですね。一応やっぱり「世界観」があるので、アレンジャーさんにその世界を分かってもらうために、出来る限りCubaseを使って、自分でできるところまでは頑張って打ち込む、ということはやってます!
小谷:ほー……!でも、このイメージをアレンジャーさんに伝えるのってすごい大変ですよね、きっと。
yucat:そうですね、まずあのー、私の曲はストーリーがあるので、初めましての人だったらyucatの「物語」の分厚い文章を送ります。まずは(笑)。

(一同笑)

小谷:あー……!
小南:おもしろーい!文章読むところから始まるんだ!
yucat:そうですね!で、そこから聴こえてきそうな音を作ってもらう感じなんですよね。なので結構皆さん、工場の音を調べたりとかして下さいます(笑)。

yucatさんの楽曲制作プロセス大公開!!

小谷:はい、そして今日はですね、yucatさんに、その楽曲制作の裏側を解説いただくということで……デモ段階の音源と、アレンジャーさんがアレンジした後の音源を聴き比べができると。
yucat:すごいですねー……!
小南:これってすごくレアじゃないですか?!
yucat:初出しなんですけど……。
小谷:僕も普段、曲作ってますけど、結構勇気要りますよね。
yucat:結構、裸見せるくらい恥ずかしい……!(笑)
小谷:ねー!
yucat:ですよね!(笑)
小南:すっぴんどころか丸裸!

(一同笑)

yucat:恥ずかしい……!ですが今日は、やります!

小谷:それでは、これから流す楽曲が、どんな楽曲の、どんな状態のものか、お聞きできますか?
yucat:はい!えっとですね、まだCD等でのリリースはされていない曲で、ホント、一番出来たてホヤホヤです!「子宮的宇宙」というタイトルの曲です。
小谷:子宮的宇宙!
yucat:はい。これのデモ段階と、アレンジャーさんにアレンジして頂いたバージョンを、今日持ってきました!
小谷:この曲は、どういうイメージの楽曲なんですか?
yucat:そうですね!私のアルバムは全部「PARALLEL WORLD」という、「もう1つの世界」を作っている、ということで……地図とかも作りながら、世界を作っているんですが、その「PARALLEL WORLD」を日本語に訳すと、「子宮的宇宙」であるっていう文章を見て……。
小谷:ええっ?!そうなんですか!
yucat:はい!なんというか、体内で「作っている」ということなんですよね。それは正に「子宮的宇宙」である、っていう言葉に惹かれて、これはもう私が使うべくしてある言葉だと(笑)。
小谷:なるほど!(笑)
yucat:そんなことを思って、タイトルにしました!(笑)
小谷:なるほどなるほど!ではまずは、その曲のデモバージョンをどうぞ!



yucat:恥ずかしい?!
小谷:真っ裸の状態ですねー。
yucat:はい?(笑)
小南:いやーでもコレ、真っ裸じゃないですよ!
小谷:うん、結構イメージが見えてきました!
yucat:えー!ホントですか?!?
小南:見える見える!カッコいい。
yucat:よかったですホントに……。いやでも私、本当にアレンジが苦手で……頭では鳴ってるんですけど……!それをどうにかして、伝えたいんですけど、私が使っているCubaseさんにはですね、ステキなソフト音源が沢山入っているんですよね。
小谷:入ってますよね!僕もCubaseユーザーなんで。
yucat:そう!それを……もういっぱい駆使してですね!!コレを作ってるんですよ……!!「コレは……っぽいな……っ!!」って思いながら(笑)。もう、ソフト音源さまさまです。
小谷:なるほど(笑)
yucat:なんか、時間ない中でもすごく色々、楽曲を速く作れるんです。楽曲提供なんかもしたりするんで、コンペとかだと締め切りが早かったりするじゃないですか。
小谷:そうですよね。
yucat:そういうとき、Cubaseのソフト音源があると、すぐプッて作れてプッて出せる!(笑)
小谷:分かります(笑)

小谷:では、先ほど聴かせて頂いたデモ音源が、完成形ではないものの、進行している段階ということですね。
yucat:そうなんです。ここから、アレンジャーさんに素敵に仕上げて頂きました。
小谷:それでは、このデモ音源と、yucatさんからの大量の説明文を見たアレンジャーさんが、どのようなアレンジを施したのか(笑)。聴いて頂きましょう!



小谷:うーん!最初のデモの印象を引き継ぎながら、すごい膨らんでますね!
yucat:そうですね!ちゃんと進化させてもらいました。なんか、アレンジャーさんがイメージ的に子宮的な音を入れたかったみたいで、胎内をイメージした心臓の音がイントロにちょっと加わったりとかしてるんです。
小谷:おー、なるほど!
小南:キックの音もちょっとなんか心臓っぽいというか。ドクドクしてる感じ!
yucat:えぇ!あと、私がすごくリズム関係が苦手なので、そこを特に変更してもらっています。
小南:でもやっぱイントロとかサビ前のキメとかは、割とデモに忠実ですね。
yucat:そうですね!あと上物系は、私自分で手で弾いたりしてるんで、綺麗に弾きなおしては貰います。
小谷:僕は、1番Aメロのところのリズムのビートも、組み替えていただいてますよね、きっと。
yucat:はい!やってもらいました!
小谷:あそこの感じが、なんかグッと来ました。
yucat:はい、バッチリですよねー!
小谷:で、Bメロに来ての、あの上がっていく感じ。
小南:ね!
yucat:わぁ、嬉しいです!
小谷:あの、Twitterでも、デモを聴いて「こんなにデモで完成度高いの?!」っていうコメントが来てますね!
yucat:えぇー?!うっそー!嬉しい……!
小谷:いや、イメージが伝わりやすくて、すごく素敵なデモでした!

小谷:この楽曲は、リリースの予定などはあるんですか?
yucat:そうですね、今のところはまだ決まってはいないんですが、「第2章」にこれから向かっていくので、5枚目のアルバムとかに、入れられたらいいな……と、思いながら制作中って感じです。

「PARALLEL WORLD具現化計画」?!

小谷:そんなyucatさん、色々な活動をされているイメージがあるんですが、ちょっとyucatさんについて調べていたら、「PARALLEL WORLD具現化計画」をされていらっしゃるということを聞きまして……どういったものなのでしょう?
yucat:あの、今、初めてクラウドファンディングというものをやらせて頂いてて……。せっかくクラウドファンディングやるなら、このPARALLEL WORLDでまだ伝えきれていない部分……私が見ている映像をもっとみんなに見せたいし、知ってもらいたい、でも予算とか色々な関係で「ここまでか……!」と思うことが今まで多かったので……ちょっと5周年だし、「みんなの力を貸してくれないですかー!」ってことで始めたのが、「PARALLEL WORLD具現化計画」なんです。
小谷:具体的には、どういうことをされる予定なんですか?
yucat:先ほど、「映像から曲を作る」と言いましたけど、その、私の見えている映像を、そのまんまPVとして作りたいな……と!
小谷:ほぉー!
yucat:そういうPV制作とか、あとは写真集だったりとか、今までは「見て楽しむ」方向がなかなかできていなかったので、そっちに重きを置いた計画です!
小谷:なるほど。先程仰っていた、廃墟だったり工場だったりとかも、その中に組み込まれていく形なんでしょうか?
yucat:そうですね!引き続き、そういうところに行ったりしますので(笑)。
小谷:おー!
小南:楽しみですね!

[クラウドファンディングURL]
https://www.makuake.com/project/yucat/
(現在は終了しています)

yucat:これからも、ライブは色々なところでやりますし、あと12月にまたワンマンライブが決まってますので、よろしくお願いします!
小谷:ほー!
yucat:そこではですね、フルバンド編成でのライブになります。今回は色々作り込むよりは、「ちょっとみんな騒ごうぜ!」な感じのライブになると思います!皆さん是非来て下さーい!
小谷:yucatさんの2016年後半は、また色々チャレンジが多くて楽しみですね!
yucat:はい!今年は5周年なので、もう突っ走りたいと!(笑)

秘密兵器はLINE6

小谷:そんなyucatさん、何かお気に入りの機材があると聞いているんですが。
yucat:はい!私、ライブをかなりやっているので、マイクにはかなりこだわってるんですよ。で、色々なものを試した結果、今はLINE6のワイヤレスマイクを使ってます。
小谷:LINE6でマイクが?!
yucat:そうなんです、出てるんですよ、ワイヤレスマイクが。
小南:へー!
yucat:すっっっっっっっっっっっっっっごいイイんですよ!例えば、私がこう「あー!」て言ったら、自分が出してるであろうなって思っている音がそのまんま返ってくるんです。この安心感が(笑)。
小谷・小南:ほー……!
yucat:会場だったり、PAさんによって、音って変わるじゃないですか。
小南:変わりますよねー!
yucat:変わりますよね!LINE6だと「あれ、いつもより声高いな……?」とかっていうのが無く、どんな場所でも自分の思ったように歌えるので、声を壊さなくなったんです。
小谷:へぇー!
yucat:「コレがあれば安心して歌える!」っていう私の精神安定剤みたいな感じになってるんですよね!(笑)なので、LINE6は私の相棒です。
小谷:そうなんですね!LINE6のマイクは知らなかったので、チェックしてみます!
yucat:すごくいいので、是非!

[XD-Vボーカルワイヤレス]
高品位なサウンドと操作の簡易性を両立最も先進的なデジタルワイヤレスシステム

Line 6R デジタルワイヤレスマイク・テクノロジーは、そのサウンドクオリティと操作の容易さ、対応力が新たなスタンダードを確立し続けています。XD-Vは先進の 技術により、パフォーマンスのあらゆるニュアンスを極めて自然に、フル・ダイナミックレンジで再現します。

小谷:それでは、本日はそろそろお時間となってしまいました。今日はありがとうございました!
小南:ありがとうございました!
yucat:ありがとうございました!