バイオリン:構え方と弓の持ち方
- 楽器の構え方を教えてください。
バイオリンを始める、また上達するためには、正しい構え方をマスターしなくてはなりません。もし無理な構えで長時間練習していると、上達しないばかりか、身体に余計な負担をかけてしまい、肩こり、腰痛などの障害を引き起こさないとも限りません。できるだけ早期に正しい構え方を覚えましょう。
『正しい構え方の基本』
- 両足は肩幅に開きます。
次に右つま先を少しだけ外側に開きます。それにより若干、左足に重心がかかるようになります。 - バイオリンは左肩甲骨の少し下の部分と、左顎の間に軽く挟むように構えます。その時注意することとして、無理に顎と肩のみで楽器を持たないで、正しい構え方をマスターするまでは、バイオリンの肩の部分に軽く左手を添えておくようにすると良いと思います。
- 構えが決まったら鏡などで確認してみましょう。その時、正面から見て、首や腰が左右に曲がっていないか、また楽器が下がりすぎていたり、上がりすぎていたりしないかチェックしてください。
<悪い例>
バイオリンが上がりすぎている
バイオリンが下がりすぎている
首が左に傾きすぎている
あごで支えようとして腰が曲がっている<自然体の良い例>
- 最後に左手をネックにスライドさせて正しい持ち方を確認しましょう。
※この写真は柴先生ご同伴のもと、ヤマハ社員が撮影を行っております。
- 両足は肩幅に開きます。
- 弓の持ち方を教えてください。
無理のないバイオリンの構え方を覚えたら、次に正しい弓の持ち方をマスターしましょう。無理なバイオリンの構えをしていると、身体にいろいろな障害が出てしまうのに対して、間違えた弓の持ち方をしていると、いくら練習をしても良い音を出すことができません。正しい弓の持ち方は、良い音を作るのには不可欠です。つまり、良い音楽を作るための必要条件です。
『正しい弓の持ち方』
- はじめに右手を体の前でだらりとしてみましょう。そして親指の第1関節を軽く曲げ、中指の第1関節の近くに寄せる練習をしてください。
注意することは、親指を曲げる際に他の指が伸びたり突っ張ったりしていないか、すなわち、だらりとした状態が変わっていないかチェックしましょう。このことが弓を正しく持てるかどうかの大切なポイントになります。
指が突っ張っている - 前項の1ができたら、次に鉛筆など軽いものを持って、1の手の形になるように練習しましょう。その時、鉛筆の左側が斜め45度位に上がって、そこに手を添えるようにします。
指に余分な力が入ったり、突っ張ったりしていませんか? - 鉛筆などで右手の形が決まったら、いよいよ弓を持ってみましょう。はじめは左手で弓を斜めに支えて練習します。
<悪い例>
小指が伸びている
親指が伸びて人差し指が巻きついている<良い例>
正しい持ち方をすれば、親指と弓の角度が90度になります - 最後に実際にバイオリンを構え、そこに弓をおいてみましょう。
※この写真は柴先生ご同伴のもと、ヤマハ社員が撮影を行っております。
- はじめに右手を体の前でだらりとしてみましょう。そして親指の第1関節を軽く曲げ、中指の第1関節の近くに寄せる練習をしてください。
関連リンク
- 柴 香苗先生プロフィール
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武蔵野音楽大学器楽科ヴァイオリン専攻卒業。
武蔵野音楽大学ヴァイオリン講師。
同音楽大学附属高等学校、江古田、多摩音楽教室ヴァイオリン及び弦楽合奏講師。
一般社団法人 日本弦楽指導者協会理事。同協会関東支部理事長。
JASTA STRING SEMINER 講師。
JASTA STRING FESTIVAL 指揮者、実行委員長。
JASTAフレッシュコンサートで指揮者を務める。
ヴァイオリンを岩船雅一、岩崎洋三、山岡耕筰、五十君守康の各氏に師事。
現在、初級中級の合理的演奏法、指導法を研究、実践。