n12 生産完了品
インバーテッドダーリントン回路を採用したディスクリートClass-Aマイクプリアンプを搭載
nシリーズは音質を決定づける最も重要なパーツであるプリアンプ開発に重点を置き、モノラル入力チャンネルにディスクリート方式Class-Aマイクプリアンプを搭載。そのヘッドアンプ部には高級オーディオで使用されるインバーテッドダーリントン回路※を採用することで、音楽的なキャラクター持った豊かな低音と、伸びやかな高音を実現しました。また音質をトータルに左右する電源部にはnシリーズのために専用設計された電解コンデンサーを配し、密度の濃い中音域も達成。高域から低域までの全ての音域において音質を緻密にチューニングすることで、「明瞭な定位感」「各音域のバランス」に優れた高品位な音質を実現しました。このClass-Aマイクプリアンプの実力は数値にも表れています。全高調波歪率は0.003%以下(1 kHz @ +18 dB, into 600 Ω)を実現し、音にこだわるミュージシャンの、音に対するハイレベルな要求にもお応えします。
※インバーテッドダーリントン回路:増幅素子の非線形特性を解消し、歪の発生を抑制した増幅方式です。音楽的な位相特性を持つのが特長です。
さまざまなレコーディングスタイルに応える豊富な入出力端子を用意
n12は1~8チャンネルにXLR端子を、n8は1~4チャンネルにXLR端子を搭載し、n12で最大8本、n8で最大4本のマイクを使用可能。ドラム録音やバンドの一発録音などマイクを多用したレコーディングに対応します。ファンタム電源(+48V)は4チャンネルごとに供給のON/OFFが可能。モノラル入力にはインサート端子が装備されており、外部エフェクトも使用可能。エレキギターやエレキベースなど直接ミキサーに入力できるHi-Z入力端子も搭載しており、ライン入力でソフトエフェクトを多用する音楽制作スタイルにも最適です。また、Hi-Z端子を搭載しない他のモノラルチャンネルにはPHASEスイッチを用意し、複数のマイクを使用した録音に活用することができます。
直感的な操作で高度な音作りが行えるSweet Spot Morphing Compressor
弊社技術開発グループ「K's LAB」が、世の中で銘機と呼ばれるさまざまなコンプレッサーを徹底的に研究して開発した音楽性の高いコンプレッサー回路に、新コンセプトの「Sweet Spot Morphing技術」を融合させた「Sweet Spot Morphing Compressor」を各モノラルチャンネルに搭載。MORPHノブでは、A~Eの独自にチューニングされた「Sweet Spot」を軸に、それらのSweet Spot同士をつなぐつながり方にも音楽的なノウハウを凝縮。その結果、ツマミを動かしながら、どのポイントでも音楽的に気持ちよいコンプレッサーの設定を得ることが可能です。DRIVEノブではコンプレッサーのかかり具合と音量を同時に調節します。「Sweet Spot Morphing Compressor」は、このMORPHノブとDRIVEノブの2つだけで操作可能。コンプレッサーの設定には、エンジニアの知識や長年の経験が必要と言われますが、この知識と経験を2つのつまみに凝縮し、ギターエフェクトペダルやビンテージのコンパクトエフェクターのような直感的な操作でハイグレードな音作りが直感的に行えます。また、SweetSpotのデータは、「Sweet Spot Data Library」として用意。内外著名ミュージシャン、プロデューサー、エンジニアのオリジナルSweetSpot Dataのほか、多彩な音楽ジャンルや楽器に合わせてチューニングしたSweet Spot Dataがダウンロード可能です。
(Sweet Spot Data Libraryは、製品発売後随時公開する予定です。)
音楽的なチューニングが施されたMusical Equalizer
帯域ごとに音質を調整するEQも音楽制作には不可欠なエフェクター。nシリーズは「Sweet Spot Morphing Compressor」と同様「K’s LAB」によって実戦的かつ音楽的にチューニングされた「Musical EQ」を搭載。長年の研究と経験から導き出された効きの良い高精度なEQは音質補正だけでなく、音楽的なイメージを表現する積極的なサウンドメイキングにも活躍します。
高密度なREV-Xリバーブを搭載
ハイエンドなプロ用エフェクターの定番「プロフェッショナルマルチエフェクターSPX2000」やプロ用デジタルミキシングコンソールなどに搭載されている「Rev-X」リバーブを本体に内蔵。リバーブタイプはHALL、ROOM、PLATEの3種用意。リバーブの時間と深さをコントロールするつまみで、簡単にセッティングを行なうことが可能です。また、AUXバス、RECバス、STバスに、それぞれ独立したリパーブのON/OFFスイッチが装備されています。例えば、アーティスト用のモニターにはリバーブを使用しつつエンジニア側のモニターはドライでサウンドのチェックを行なったり、本体を使用してミックスしたサウンドにリバーブをかけて2ミックスを録音したり、といったさまざまな使いこなしが可能です。
アーティスト専用のモニターミックスを提供するAUXバス
nシリーズはAUXバスをアーティスト用のモニターミックスを作るためのバスとして位置づけしています。各入力チャンネルからの音量に加えてDAWから再生される音量も、エンジニアのモニターとは別個にコントロールしてミックスを作成することができますので、プレーヤーにとって快適なモニタリングを約束します。もちろん外部エフェクターとの接続にも使用可能。AUXセンドから送った信号は外部エフェクターを通って2TR INにリターンし、2TR TO STEREO機能によってステレオバスにルーティング可能です。
デジタルのパフォーマンスをアナログ感覚のシンプルな操作性で実現
nシリーズはデジタルミキサーでありながらフェーダーのレイヤー構造やマルチファンクションを徹底的に排し、1つの操作子に1つの機能だけを担わせることで、直感的で扱いやすいアナログ感覚の操作性を実現。使い慣れたアナログミキサーと同じ感覚で触れることができるようにLCDディスプレイも敢えて実装せず、ノブやスイッチ、フェーダーによる指先でのオペレーションにこだわることで「音楽を作る」ことに集中できる快適な操作環境を提供します。
24bit/96kHzの高解像度による圧倒的なリアリティのサウンド
現在の最先端のプロフェッショナルスタジオと同等のトップグレードのサウンドクオリティである24bit/96kHzによるデジタルオーディオ処理を実現したnシリーズ。内部処理は32bit(アキュームレーターは64bit処理)で行なわれ、演奏の微妙なニュアンスまでも緻密に、かつ鮮やかに音楽へと映し出していく圧倒的なサウンドクオリティを実現しています。サンプリング周波数の設定はコンピュータ側での設定と一致し、本体での操作をせず、ワードクロックの設定など複雑な作業を極力排除しています。また、24bit/96kHz設定時にもコンピュータとのやりとりや本体でのチャンネル制限などは一切ありません。また、IEEE1394(FireWire)接続部は、Jitter Elimination Technologies(JET)による低ジッターを実現しています。コンピュータでのレコーディングに特化したnシリーズの音質に対するこだわりは、このような部分にも活かされています。
CUBASEシリーズとのシームレスな統合による、快適な音楽制作環境
ソフトウェアとハードウェアの融合機能「AI Functions」
nシリーズは、Steinbergとの共同開発によりソフトウェアとハードウェアの融合機能「AI Functions」を多数実現。ソフトウェアベースの音楽制作フローを徹底的に研究することで、nシリーズのハードウェアと「CUBASE AI 4」や「CUBASE 4」、「CUBASE Studio 4」とのコンビネーションにおいて、他のDAWソフトウェアと組み合わせた場合よりさらに高度な統合環境を提供した、プレイヤーオリエンテッドな操作性を約束します。
快適な録音作業をアシストするトランスポートコントロール
「CUBASE AI 4」、「CUBASE 4」、「CUBASE Studio 4」のリモートコントロールやトランスポートコントロールが行える多彩な機能を搭載。ソフトウェアベースでのレコーディングであることを意識させないほど、扱いやすい録音環境です。コントロールできる機能はDAWソフトの録音/再生、トラックセレクトやループ再生、マーカー機能に加え、メトロノームの ON/OFFとレベルを調整するメトロノームコントロールも搭載。もちろん一般的なDAWソフトウェアでも録音/再生など主要なコマンドはnシリーズのトランスポート機能でコントロールでき、まるでハードウェアのマルチトラックレコーダーのような直感的な操作性で音楽制作が行なえます。
ダイレクトモニターととVSTエフェクトのウェットモニターをワンタッチで切り替え可能
入力した演奏信号を直接モニターするドライモニターと、ソフトウェア上でVSTエフェクトをかけたウェットモニターでは、ソフトウェアの設定やミキサー側での設定が異なり、通常であればその都度設定を変更しなくてはなりません。しかしnシリーズと「CUBASE AI 4」、「CUBASE 4」、「CUBASE Studio 4」との組み合わせでは、ドライ/ウェットモニター設定の切り換えはワンタッチ。録音待機状態のトラックに対して、入力信号のダイレクトモニターとVST エフェクトがかかった状態(ダイレクトモニターOFF)を瞬時に切り換えることができます。録音前にエフェクトの効き具合を確認したり、VSTエフェクトをかけて録音する場合に便利な機能です。
アナログ入力とDAWからの入力を瞬時に切り替える「ワークモード」スイッチ
nシリーズのハードウェアと「CUBASE AI 4」、「CUBASE 4」、「CUBASEStudio 4」の入出力設定を、ボタンひとつで瞬時に切り替えられる「ワークモード」スイッチを搭載。ボーカルやギターなど外部からの音声の入力をミックスする場合と、DAWソフトウェアからの信号をハードウェア上でミックスする場合の各入出力設定の切り替えなど、煩雑だった作業がワンタッチで行えます。またソフトウェア上のオーディオをnシリーズのコンプレッサーやEQを使用して音作りしたい場合や、コーラスパートやドラムパートなどをnシリーズでサミングする際などにも便利です。
プログレードのモニター環境を実現(n12のみ)
nシリーズのモニターコントロール部はモニタープロセッシング専用機器に匹敵する充実した機能を搭載。モニター全体の音量をコントロールする大型ノブや、各入力ソースの切り替えスイッチ、出力を瞬時に任意のレベルまで下げるDIMMERスイッチ、MUTEスイッチなどにより、シンプルな操作でプログレードのモニタリングが行えます。モニターソースはDAWのステレオバス、ミキサー部のステレオバス、AUX、2TR INから選択が可能です。またn12は3系統のステレオ出力を同時にモニターでき、例えばラージモニター、スモールモニター、ラジカセといったそれぞれのモニターを瞬時に切り換えながらミキシングの比較検聴も可能です。
※サラウンドモニターとベースマネージメントについて(n12のみ)
n12は3ペア(6個)のスピーカー出力端子を使用して、フロントL、フロントR、センター、サブウーハー用、そしてリアL、リアRの6本のスピーカーを使用する5.1サラウンドモニターに完全対応しています。サブウーハーに低音再生を集約させるベースマネージメント機能も搭載し、プロレベルのサラウンドモニターにも対応します。またDOWN MIXスイッチにより5.1のソースをステレオミックスとして検聴可能。さらにサラウンドモニター機能を使用しないときは、6つの出力から3ペアのステレオ出力を取り出すことができ、それぞれを比較試聴可能。3種類のステレオ出力をスイッチ操作でオン/オフできます。
複数人でのレコーディングに便利なトークバック用のマイクを搭載(n12のみ)
n12にはエンジニアとは別にプレイヤーが居るレコーディング作業時に便利なトークバック機能を搭載。本体にはトークバック用のマイク、オン/オフ用スイッチとレベルコントロールも装備。トークバックの音声は、アーティスト用のモニターミックスを作っているAUXバスに送られます。トークバックオン時には自動的にディマー機能がオンになるため、エンジニアとプレイヤーも快適にコミュニケーションできます。
IEEE1394(FireWire)接続のマルチチャンネルオーディオ/MIDIインターフェースを内蔵
コンピュータとの接続はIEEE1394(FireWire)ケーブル1本。n12は16イン/16アウト、n8は12イン/12アウトのマルチチャンネルオーディオの送受信が可能です。各チャンネルごとの送受信のほか、STバス、RECバス、DAWバスを個別に用意していますので、例えばバンドの一発録音でnシリーズに入力した音声を個別のトラックに録音しながら2ミックスも同時に録音したり、ソフトウェア上のオーディオトラックをnシリーズに立ち上げてハードウェアのコンプレッサーやEQで音作りをして個別に戻す、といったフレキシブルな作業が可能です。さらに、1ポートのMIDIインターフェースも内蔵していますので、MIDIキーボードを接続してソフトウェア音源を使用したり、ハードウェアMTRを接続してMTCで同期する、といったユースケースもカバーしています。