KX61 生産完了品
充実したソフトウェアとの連携機能を実現
『KX シリーズ』は、ソフトウェアを中心とした音楽制作環境と音楽制作の流れを徹底的に研究して作られたコントロールキーボードです。DAWソフトウェアをはじめ、各社から発売されているソフトウェア音源をコントロールする機能を充実させ、実際の音楽制作の流れに沿って活用できる連携機能を搭載しています。 DAWソフトウェアの再生・録音などをコントロールするトランスポート機能、さまざまな機能を割り当てて活用できるアサイナブルボタン、30種類の主要ソフトウェア音源をコントロールするためのテンプレートなど、制作作業に必要な機能をひとつにまとめ、効率のよい音楽制作を実現します。
アサイナブルノブには、VSTインストゥルメントのコントロールによく使われるカットオフ、レゾナンス、パン、レベルといったパラメーターを1列目に、その他のよく使われるパラメーターを2列目に用意しています。コントロールテンプレートを切り替えることでこれらのパラメーターは自動的に現在使用している VSTインストゥルメントに最適化されて配置されます。もちろん必要に応じて自由にノブのパラメーターを変更することも可能です。
本体の右側に配置されているDAW REMOTEセクションには、トランスポートコントロールのほかに、上下左右へカーソルを移動させるカーソルボタンやプログラムチェンジを送信できるプログラムボタン、トラックのミュート/ソロをコントロールするミュートボタン、ソロボタン、さらにCubaseとの連携機能を実現するVSTi WINDOWボタン、ADD INSTRUMENT TRACKボタン、CUBASE FUNCTION A/Bボタン、自由に機能を割り当てできるASSIGN1/2ボタンを用意し、MIDIでの音楽制作に必要な機能を吟味してそれぞれのボタンにその役割を持たせています。これらのボタンのうち、CUBASE FUNCTION A/BボタンやASSIGN1/2ボタンなどは自由に機能を入れ替えて使用することも可能ですので、ご自身の制作スタイルに合ったカスタマイズを行なうことにも対応しています。
Cubaseとの高度な連携機能を実現する「AI Functions」
同梱された「Cubase AI4」をはじめ、Steinberg社DAWソフトウェア「Cubase4」/「Cubase Studio4」を使用する場合は、さらに高度な連携機能を実現します。ボタンひとつでエディットウィンドウを開いたり、インストゥルメントトラックを追加したりといった作業をはじめ、トラックの選択に連動してソフトウェア音源をコントロールするテンプレートが切り替わる、といった、音楽制作の流れに沿った機能を実現しています。また、機能を自由に割り当てできるアサイナブルボタンには、あらかじめ「クオンタイズ」(入力されたデータのタイミングを整える機能)と、「デリート」(選択されたイベントを削除する機能)が割り当てられており、効率的なMIDI入力作業をサポートします。
これらの連携機能は、「Extentions for Steinberg DAW」をインストールすることで実現されています。インストールした後、KXシリーズを接続してCubaseを起動しても、一見特に大きな変化は見られないかもしれませんが、内部的にはたくさんの機能がインストールされ、見えないところででさまざまな機能を実現しています。このプログラムのお陰で、リモートコントローラーとしての設定など、通常のコントローラーを使用する際の煩わしい設定は、KXシリーズにはありません。
付属のDVD-ROMからインストールした場合は、自動的にインストールが完了します。また、最新のExtentions for Steinberg DAWは、ダウンロードページからダウンロードができますので、アップデートされた場合は最新のプログラムをお使いいただくことをお勧めします。
さまざまなフレーズを指1本で演奏できる「フレーズファクトリー」
『KXシリーズ』には、アルペジエーターを搭載しており、さまざまな楽器のフレーズを342種類内蔵しています。楽器の種類とスタイルを選択して鍵盤を抑えるだけで、さまざまなスタイルの演奏・MIDI入力が可能です。例えばギタリストの方がバンド用のデモを制作したい、という場合、ギター以外のパートをアルペジエーターで制作し、ギターパートのみギターで録音する、といったスタイルでの制作が可能です。あるいはご自身のホームページで流す簡単なBGMを制作したり、楽器のアドリブ練習に使用する演奏データを作ったり、といったことも、フレーズを選択しながら指1本で作ることができます。
特にドラムパターンについては、2オクターブ間に4種類の異なるフレーズを配置しており、例えば基本パターン、展開パターン、盛り上がった展開パターン、フィルインといったように、各パターンに合ったセットがあらかじめ4種類用意されています。これらをリアルタイムに鍵盤で切り替えながらMIDI入力ができますので、フィルインやライド入りのセクションのたびにアルペジエーターを切り替えてその都度入力する、といった作業をする必要もなく、スムーズに MIDIの入力ができます。
アルペジエーターのテンポについては、初期設定ではUSBでコンピュータに接続すると外部からのテンポ情報に追従する設定になっています。Cubaseをお使いの場合は自動的にCubase上で指定したテンポに設定されるようになっていますので、Cubase上でプロジェクトのテンポを設定すれば、その設定がそのままKXシリーズのアルペジエーターに反映されます。さらに、コンピュータへの接続を外すと自動的に内部のテンポ設定に切り替わりますので、KX 本体の設定を変更することなくコンピュータとの使用、スタンドアローンでの使用が可能です。
さらに、アルペジエーターのエディット画面では、ベーシックなパターンから展開させたフレーズにエディットすることができます。このバリエーションは6種類用意されており、下記のような法則で演奏します。
Orig ......あらかじめプログラムされたアルペジオを再生します。
Up .........上昇音型のアルペジオを再生します。
Down....下降音型のアルペジオを再生します。
Alt1 ......アルペジオの上昇(Up) と下降(Down) を繰り返します。折り返しの音( 最高音と最低音) は、1 回だけ鳴ります。たとえば、ド→ミ→ソ→ミ→ド→ミ→ソ→ミ... と鳴ります。
Alt2 ......アルペジオの上昇(Up) と下降(Down) を繰り返します。折り返しの音( 最高音と最低音) は、2 回鳴らします。たとえば、ド→ミ→ソ→ソ→ミ→ド→ド→ミ→ソ→ソ→ミ... と鳴ります。
Rnd .......ランダムに分散します。
これらを活用することで、基本の342種類からさらに多くのフレーズが生成されますので、組み合わせの可能性は無限です。仮にご自身がギタリストだったら、ギター以外のフレーズはKXでMIDIで制作し、ギターはご自身の演奏で録音する、といった使い方ができますので、バンドのデモや楽曲のスケッチなどの際に、MIDIの打ち込みに時間をかけずに楽曲を作ることができます。また、ホームページのBGMや、ちょっとした効果音のようなMIDIデータも、このアルペジオ機能を利用して簡単に制作することができます。
4つのコントロールノブと30種類のソフトウェア音源に対応したコントロールテンプレート
『KXシリーズ』は、DAWソフトウェアのコントロールに加えて、30種類の主要なソフトウェア音源をコントロールするためのテンプレートを内蔵しています。リアルタイムコントロールのための4つのエンコーダーノブには、それぞれのソフトウェア音源で使われる頻度が高いパラメーターを自動的に割り当てます。また、Cubaseを使用している場合は、トラックの選択に連動してテンプレートも自動的に切り替わりますので、トラック選択の度にテンプレートの切り替えを行なう煩雑さもありません。
KX Editorでパラメーターの割り当てを自由に変更可能
ウェブサイトからダウンロードできる「KX Editor」を使用すれば、アサイナブルエンコーダーノブの設定を変更することができます。制作中心のセットと演奏中心のセットを入れ替える、あるいは、楽曲タイプごとに異なるセットをいくつか用意しておき、曲の方向性に応じて切り替える、といったニーズにお応えします。
また、KX Editorは起動時に、コンピュータにインストールされているVSTインストゥルメントをすべてスキャンして、そのVSTインストゥルメントに合ったパラメーターを自動的に抽出してセットします。そのため、新たにインストールしたVSTインストゥルメントを使用する際もEditor上で選択するだけで、すぐにコントロールすることが可能です。もちろん、それらの設定をカスタマイズして、Editor上で保存することもできます。また、初期設定にすぐに戻せるよう、プリセットの状態もあらかじめEditor上に保存されていますので、本体を初期化することなく、コントロール機能の部分のみを初期化することも簡単です。
演奏者の弾き心地を重視した鍵盤フィーリング
シンセサイザーやステージピアノを開発してきたヤマハが大事にしてきた、演奏者の「弾き心地」をコントロールキーボードにおいてもチューニングの基本として考え、主にソフトウェア音源を演奏する際のタッチ感や反応を細かくチューニングしています。特にVSTインストゥルメントは複数のメーカーのものを同時に使用するのが一般的ですが、鍵盤から入力されたベロシティに対する反応は各ソフトによって千差万別です。KXシリーズでは、コントロールテンプレートとの組み合わせにより、選択されたVSTインストゥルメントに最適なベロシティカーブに設定されるようなチューニングを施しており、リアルタイム演奏による音楽制作時にストレスなく演奏ができるよう考慮されています。Cubaseシリーズを使用している場合は、前述のとおりトラックの選択とコントロールテンプレートの切り替えが自動的に行なわれますが、ベロシティカーブのベーシックな設定も同時に切り替わりますので、この点に関しても非常に便利です。
音源に合ったタッチ感を設定できる「ベロシティカーブ」コントロール
前述のように、コントロールテンプレートによって自動的にベロシティカーブの基本設定は切り替わりますが、音色によってはさらに調整をしたい、という場合もあります。そのようなニーズにお応えするために、鍵盤を弾いたときの反応を6段階で調整できる「ベロシティカーブ」コントロールを搭載しています。演奏者のキャラクターや音源のキャラクターに合わせてさらに調節が可能です。
USBバスパワー対応
USBバスパワーでの動作に対応しているため、アダプターがなくてもUSB端子に直接接続することで使用することが可能です。
エクスプレッションペダルや外部MIDI音源を接続可能
別売のエクスプレッションペダル(FC-4/FC-5)や外部MIDI機器を接続できますので、制作のみに限らず、ライブパフォーマンスでの使用も可能です。
また、このMIDI端子は、コンピュータへのMIDIインターフェース機能も持っています。初期設定では、MIDI IN端子から入力されたデータがコンピュータのUSB MIDI In Port1へ入力される設定になっています。例えばMIDI端子搭載のマルチトラックレコーダーとCubaseを同期して使用する場合などは、KXの MIDI端子を使用して接続することが可能です。逆に、MIDI OUT端子に外部MIDI音源を接続して、CubaseのMIDIトラックからMIDI OUTする、ということも可能です。