21期生奮闘記~8月~

災害レベルの暑さに負けず、夏季休暇に心躍る生徒たち。

そして後期の金管楽器実習へ。

■木管楽器4科目の模擬試験に挑戦!

8月早々から始まった模擬試験3日間。

試験時間は4科目18時間に及びました。

4月から積み重ねてきたフルート、クラリネット、ピッコロ、サックスの実技の腕をグレード試験と同じ時間と内容で実施します。

試験を終えれば夏季休暇!それだけを心の励みに最後までやりぬきました。

結果は・・・残念ながら合格点に到達できず・・・

各々、修理の難しさと自己の技術レベルをつきつけられる厳しい結果となりました。

■夏季休暇へ。もちろん課題も。

待ちに待った夏季休暇に休暇前の最終日は生徒たちの顔もにこやかです。

夏季休暇といっても課題があるのがアカデミー(笑)

各々が苦手とする2科目の実技が課題として出されました。

前期の最後に4月からを振り返って作文を書きました。

どの生徒も気持ちの変化が綴られており今後の課題や取り組みへの前向きな姿勢が伝わってきました。少しご紹介いたします。

『ヤマハ管楽器テクニカルアカデミーに入学して既に4ヶ月が経った。

中学生のときに憧れ自分もリペアマンになりたいと夢見て進んだ道だったがとても険しいものだと日々思う。

何も分からず早く楽器に触りたいと思っていたが、はじめはやすり掛けだった。何のためにやすり掛けをしているのか、終わりはあるのか、何しにここにきたのかを考えていた。手が痛くなりとても辛い中、自問自答していた。正六面体のやすり掛けの次は、工具加工でまたやすり掛けの作業だった。ただ、その作業で加工された工具を使い楽器に触れだしてから、必要なことだった、やってよかったと感じることができた。

・・・まず始めは楽器の分解組立を教わった。自分の手で楽器が分解され組み立てられたことに感動し、嬉しかった。

次にタンポ合わせという作業になった。講師の方がやっているように自分もやっているはずなのにできないし、合っているのか間違っているのかもわからなかった。検品を通じ、講師の判断やアドバイスをどれだけもらえるか?またどうやって疑問点を解決できるかを考えていくようになった。

アカデミーで驚いたことは、テストの量だ。実習でやったことを全てテストされ、評価・順位がつけられ結果が見える化されていることは恐怖でもあった。月ごとの成績順の席替えは辛かった。前との距離は開き、隣や後ろにいた友人がどんどん前に席が移動していった。その友人にどうすればいいのか聞いたり、励まし合うこともあり、大切な時間だった。同期の仲間たちは面白く、優しい人達ばかりで、寮では一緒にご飯を食べ、作業室ではその日のノートのまとめや作業、休日はどこかに遊びに行くこともあった。

悩み事も話して心を許せるようにもなった。手先が器用でセンスもあり、作業は集中してメリハリをつけるなど、学ぶ部分が多く自分も少しでも追いつけるように頑張れた。

前期は余裕がなく忙しい日々で、毎日をこなすだけで精一杯だった。後期はやる事が増え、大変になると思うので、具体的にどうするべきなのかを考えながら効率よく作業をしていきたい。・・・生活面では体調管理や整理整頓、挨拶など、将来を見据えた行動をしたい。前期で学んだ内容を忘れないように復習し、反省をしっかり活かしていけるよう限られた時間の中で頑張りたい。 』

■後半戦の金管楽器の実習へ!

4月~夏季休暇前までは主に木管楽器4科目(フルート・クラリネット・ピッコロ・サックス)に取り組んできた生徒たち。

夏季休暇明けからは金管楽器(トランペット・トロンボーン・ホルン)の実習に入っていきます。

さっそく!楽器を触れ・・・ない!!

まずは恒例の使用していく工具の加工・製作です!

【ハンマー加工】

凹み直しに使用するハンマー。用途によって様々な種類があります。

ハンマーの打つ面の形状を変えたり、キズのないようにきれいに磨き上げたりしていきます。

【玉付き芯がね作製】

管体の凹み直しに使用する『芯がね』。

その中でも先端に玉が付いているものを『玉付き芯がね』と呼びます。

ハンマーと同様、凹みの大きさや場所などによって使い分けるので様々な種類がありますが、アカデミーでは3種類(ストレートのもの、先が曲がっているもの、玉の小さいもの)を作ります。

どちらも今後長く付き合っていく大切な工具たちです。

ヤスリ掛け作業・ロー付け作業など、4月より身につけてきた技術を駆使し、丁寧に仕上げました。

■金管吹きの時代がやってきた!金管設計論!

前期の木管楽器実習のときには見られなかった金管吹きたちの目の輝きがここにあります(笑)

開発グループによるトランペット、トロンボーン、ホルン、中低音と2日間に渡り各楽器について深く掘り下げました。材質やシステム、ラインナップに各スペックや音楽のジャンルや国によっての特徴や取り扱いなど多岐にわたった充実の内容となりました。

後期の金管楽器実習と共に前期でやってきた木管楽器の内容も復習し、テストも継続していきます。