Tool友(つるとも)

アカデミー生徒命名!!! 工具キャラクター誕生!!

管楽器リペアに必要な工具たちを、毎月1回キャラクター化して紹介します。

イラストは工具に慣れ親しんだ管楽器テクニカルアカデミーの卒業生が作成しました!

Tool友について

4月から始まりました「Tool友」ですが、ちょっといきなり感が強いので(笑)ご紹介を兼ねて始まるに至った経緯を少し。

まず、原案は昨年度在籍していました21期生のアイデアから始まりました。「個性豊かな21期生のウィットに富んだ発想を形として残していけるものがあれば良いのになあ」というところからのスタートです。

「工具をキャラクター化したらどうだろう?」というアイデアの種をどんどん膨らましてくれた21期生。とても面白いものができあがってきました。「キャラクター」というところまでするには残念ながら時間がなくなってしまい、どうしたものかと悩んでいたところに朗報が入ります。

浜松在住で今現在は修理から離れられておられ主婦をされている当アカデミーの卒業生:管TA10期卒の影山 紗矢さん。その方は当アカデミーでは避けては通れない名物課題である「楽器デッサン」の上手な方だったとの事!早速連絡を取らせてもらい快諾をいただけ皆さまにご紹介できる形となったという流れでございます。

このように時を経ても繋がりがある管楽器テクニカルアカデミーのよさを集結してできた作品です!

今後もこの『Tool友』を楽しんでいただければ嬉しいです!!

ジョイントエキスぱんだ・嵌合やっとコアラ

工具名:ジョイントエキスパンダー・嵌合やっとこ

全国1億2千万人のTool友ファンの皆さま!こんにちは!!

ここ最近1日過ぎるのがとてつもなく早く感じる今日この頃ですが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。あっという間に2月になってしまいましたね・・・。「一月往ぬる二月逃げる三月去る」とはよく言ったもので毎日バタバタと過ぎて行ってしまっています。こういう時こそ落ち着いて1日1日を大切に過ごしていけるよう意識し、充実した時間を過ごせるように努めていきたいものです。

さて、このTool友もめでたく10回目(祝)を迎えることができました。これもひとえに皆さま方のおかげでございます。心より感謝申し上げます。

今月は一挙に2つのTool友を紹介いたしましょう!

『ジョイントエキスぱんだ』と『嵌合やっとコアラ』といいます。

この工具はフルートの主管と足部管との「嵌合部」の調整に使います。これがまたとても難しい調整で、丁度よい抵抗感を持たせつつ滑らかな動きが必要です。

非常に難しい微妙な調整を行うための重要な工具なんです!

これも管楽器リペアを行う上で無くてはならないTool友です!!

まだまだ寒い日が続きますが、くれぐれも体調にはお気をつけてお過ごしくださいませ。

玉付き芯龍(神龍:シェンロン)

工具名:玉付き芯金

謹賀新年

新年あけましておめでとうございます!

昨年中はこの“Tool友”をご贔屓いただきまして誠にありがとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

ということで、2020年が始まりました。

今年はいよいよオリンピックイヤーですね!昨年から日本では世界的なスポーツイベントが相次いで開催されています。特に記憶に新しいのはラグビーワールドカップ2019大会が開催されました。強豪を破る快進撃で初のベスト8に進出した日本代表チーム!そのチームスローガンだった『ONE TEAM』(ワンチーム)は多くの方々の心に刻まれました。

私たちもこの“Tool友”を『ONE TEAM』となって盛り上げていきたいと意気込んでおりますので、どうぞよろしくお願いいたします!

さて、新年一発目は縁起よく『玉付き芯龍』といきましょうか。

龍は縁起物の代名詞的な存在として親しまれています。そして中国の故事にあります登竜門の逸話から日本では困難に耐え抜き財を成した人物や学業で優秀な成績を残した人々を龍に例える文化があります。また、その逸話から忍耐力と成功祈願、商売繁盛のゲン担ぎにも使われていたりもします。滝を登るような苦行を前にしている、今まさに管楽器グレードを取得しようと大詰めを迎えている管楽器テクニカルアカデミー生に“龍の如く”目標に目指してもらいたいとエールを込めたチョイスにしてみました!

使い方は、金属製管体(金管楽器やフルート・サクソフォーンなど)が凹んでしまった際に管体の内側に差し込み、“玉”の部分をその凹んでいるところに強く押し当てます。

内側から押されるその力で管体の凹んでいる部分を押し出して修正していきます。

これも管楽器リペアを行う上で無くてはならないTool友です!!

團凸 政宗(伊達 政宗)

工具名:デントリムーバー

今年の早いものであと1ヶ月となりましたが皆さまいかがお過ごしでしょうか。

寒くなってまいりましたのでどうぞお身体ご自愛ください。

ということで令和元年最後のご紹介!

10、11月とローラー系工具をご紹介しましたが、今月はそのローラー系工具と切っても切れない工具です。

その名も『デントリムーバー』

工具名は“凹みを取り除く”という意味ですが、特にこの工具は金管楽器やサキソフォーンの朝顔(ベル)の広がった部分(フレア)を修理するのに特化した工具になります。

万力にセットしてこの工具の上に朝顔(ベル)を当てがい、その上からローラーで凹んだり、折れたりした部分を修正していきます。

デントリムーバー ⇒ でんとりむーばー ⇒ でんと ⇒ でんと ⇒ だんと ⇒ だんて ⇒ だて ⇒ だて まさむね ⇒ 伊達 政宗 ⇒ 團凸 政宗 ・・・。

おそらくこんな流れのネーミング。

若さとウィットに富んだアイデアに乾杯(完敗)です( ´艸`)

てな感じで、これも管楽器リペアを行う上で無くてはならないTool友です!!

皆さま良いお年を。

ハンドローラーシャーク

工具名:ハンドローラー

今月はローラー系工具第2弾!!ということで、「ハンドローラー」をPick Upしました!

先月に引き続き金属管体およびベルの変形修正の際に使用します。こちらは道具自体を手で持って修正箇所に押し当てながら直していきます。見た目『シュモクザメ』(英名:ハンマーヘッドシャーク)の頭に似てますよね。だからこのキャラクターなんでしょうね。

ここでちょっと雑学。

シュモクザメの“シュモク”とは「撞木」と書きます。この撞木とは仏具の1つで『鐘・鉦 (たたきがね)・磬 を打ち鳴らすT字形の棒。また釣鐘を突く棒。かねたたき。』ということでその見た目からこの名前がついたようです。1つ勉強になりました(笑)

ということで、これも管楽器リペアを行う上で無くてはならないTool友です!!

テーパー ローラ

工具名:テーパーローラー 芯金

見た目、全く使い方がイメージできませんね・・・。

これは金管楽器やサクソフォンやバスクラリネットなどの金属で製作されているベル(朝顔)の形状が崩れてしまったときに修正を行う道具なんです。書いて字の通り、写真のテーパー部分が回転します。その回転する部分に形状が崩れているところを押し当てながら、テーパーローラーが回転する方向へ交互に動かすことによってベルの形状を整えていくという、シンプルな形で複雑な作業を行う工具です。

これも管楽器リペアを行う上で無くてはならないTool友です!!

スウェージング くわがた

工具名:スウェージングペンチ

よく見ると見なれない形状のペンチですよね。

これはなかなかマニアックなペンチですが、木管楽器の修理には欠かせないペンチです!

木管楽器のKeyに「鍵管」(keyパイプ)という部分があります。その鍵管の端面はkeyを支える鍵柱(keyポスト)と接しているため使用をしていると共に磨耗していきます。それによって発生する『ガタ』(隙間)に対して鍵管をこのペンチを使ってスウェージング(簡単に言うと“絞り”)することでガタを解消させていきます!演奏に於いての操作性はもちろんのこと音質面にも良い影響があるこの修理はなかなか侮れませんよ!!

これも管楽器リペアを行う上で無くてはならないTool友です!!

開きゲジゲジ(ひらきげじげじ)

工具名:開きゲージ

開きゲージと言っても『はてさて???』といった感じですね。

この開きゲージというものは、木管楽器の調整・修理を行う際に必要な大切な工具(測定治具)です!!

木管楽器のKeyは音孔からどれだけ開いているか(離れているか)がとっても重要!音程や吹奏感そして音色感にも影響してくる大切なところなんです。そのKeyの開き具合を所定の数値で開いているのかどうかを高い精度(なんと1/100mmの精度で!)で製作された開きゲージの測定部分を当てがってスムーズに判断するものなんです。

現在も管楽器テクニカルアカデミー生は高い精度で自作していますよ!

手作りの工具は愛着が湧きますよね。

これも管楽器リペアを行う上で無くてはならないTool友です!!

臥移羅源氏(ふいらげんじ)

工具名:フィラゲージ

フィラゲージとは主に木管楽器のフルート、ピッコロ、クラリネット、オーボエ、ファゴットのタンポ合わせの確認やKeyバランス調整の確認に使います。

使い方はKeyについているタンポ(パッド)と音孔(音の出る穴)との間に挟んで引っ張ったときの抵抗感からタンポと音孔がしっかり塞がっているかを確認する鋭い感覚が必要となる工具です!

細く短冊状に切った薄い紙を細い棒(爪楊枝)に貼り付けただけのシンプルなものだけど、技術者の鋭い感覚を遺憾なく発揮できるすごいやつ!! これも管楽器リペアを行う上で無くてはならないTool友です!!

ライト兄弟

工具名:リークライト(Sax用、Fl, PC用)

この「リークライト」は主に木管楽器のサクソフォン、フルート、ピッコロのバランス調整を行うときに使います。

中身は蛍光灯。表面に黄色のフィルムを張って色を付けているのですが、好みで変えているリペアマンもいらっしゃいます。それを楽器管体の中に挿し込んで、管体内側から発光させて、タンポがしっかり塞がっているかどうかを光の漏れ具合で判断していく工具です。電気が無いと影を潜めちゃうけど電気があればとても頼れるニクいやつ!!

これも管楽器リペアを行う上で無くてはならないTool友です!!

ブタはん

工具名:ローハイドハンマー

ローハイドハンマーとは豚の皮を巻いて円筒形にしたものをハンマーヘッドとして用いたツールです。豚の皮をヘッドとして用いているため打撃作業時に傷が付かないので楽器修理には無くてはならない工具の1つ。キィ曲がり修正やキィのガタ付き・動きの修正、ロータリー調整・マウスピースシャンク直し・固着修正などなど…。

作業用途や使用者の好みに合わせ形状を加工するのも特徴の1つ。リペアマンの工具箱には必ず入っていますよ!!管楽器リペアを行う上で無くてはならないTool友です!!