市民が受け継ぐ「ジャズの街 岡崎」~ジャズコレクションで街の人がつながる~
音楽の街づくり事業 おとまち
プロジェクト
課題解決に向けた取り組み
- テーマ:文化資産育成支援
愛知県岡崎市×おとまち
「ジャズの街 岡崎」という地域文化を育成するために。
- 課 題
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- 岡崎市に寄贈された世界有数のジャズレコードコレクション「内田修ジャズコレクション」を死蔵させないこと
- コレクションをきっかけに市民にジャズを知ってもらうこと
- 提 案
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- 「内田修ジャズコレクション」を市民の共有資産として活かすプロジェクトを発足
- 子ども向けジャズワークショップを開催
- ワークショップに参加した子どもたちによるオーケストラの発足
- 「内田修ジャズコレクション展示室」の開設
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成長の記録 01ソフトから始まった施設の設計
- ソフトから始まった施設の設計
成長の記録 01
「内田修ジャズコレクション」の存在
愛知県岡崎市は愛知県の南東に位置し、愛知の中核都市として様々な産業が発展するとともに、教育施設や史跡も数多く、文京都市としても歴史の深い街です。
この街にかつて住まわれた医師、内田修氏が所蔵していた世界有数のジャズレコードを中心としたコレクションが「内田修ジャズコレクション」であり、日本のジャズ史を知るうえでも貴重な資料です。このコレクションをヤマハと岡崎市、そして内田氏との連携によって市民の共有資産として活かそうというのがプロジェクトの課題でした。
子どもジャズワークショップの実施
「内田修ジャズコレクション」は、1992年に内田氏から岡崎市に寄贈され、さらにその数年後にはJR岡崎駅前のシビックセンターに移管されました。この時、「ジャズコレクションを死蔵させたくない。このコレクションをきっかけにジャズについてもっと知ってもらいたい」という内田氏の意志をうけ、ヤマハはシビックセンターを拠点に「クリニック」という子ども向けのジャズワークショップを開始。当時、ヤマハの名古屋支店でレコード営業のジャズ担当だった山東正彦が中心となり、多くのジャズミュージシャンを岡崎に招き、子どもたちの指導をしてもらいました。
さらにはワークショップに参加した小中学生70名によるビッグバンドは、今では「Beanzz(ビーンズ)」というジャズキッズオーケストラに発展し、岡崎で毎年定例演奏会を行なっています。
展示室基本計画の策定
2002年には岡崎市が推進していた「岡崎市中心市街地活性化拠点整備事業」の一環として、「図書館交流プラザLibra(リブラ)」にコレクションを移管。ヤマハは移管と同時にコレクションについて再度調査と評価を行ない、活用を想定した収集保存・展示・ソフト事業それぞれについて検討や提案を行なうなど「内田修ジャズコレクション展示室」の基本計画の策定に参画しました。
この計画は「内田修ジャズコレクション」という個人の文化資産を活かすという課題に端を発しており、いわばソフト先行のハード(施設)計画という、当時としては非常に画期的な試みでした。
愛知県岡崎市
内田修ジャズコレクション