【導入事例】さかいゆうTOUR2014 / コンサート / 東京都
Japan / Tokyo, Aug 2014
さかいゆうTOUR2014 "Coming Up Roses" SPECIAL をCL5がサポート
唯一無二の歌声と、SOUL・R&B・JAZZ・ゴスペル・ROCKなど幅広い音楽的バックグラウンドをポップスへと昇華させる、オリジナリティ溢れるサウンドが魅力の男性シンガーソングライター、さかいゆう。自身通算3作目となるオリジナルアルバム「Coming Up Roses」の発売と同時に、2014年4月から全国7か所のライブハウスで行われた全国ツアー「さかいゆう TOUR2014"Coming Up Roses"」の特別公演として開催された、渋谷公会堂での1夜限りの公演を、CL5とNuendo Liveが強力にサポート。今回FOHエンジニアをつとめた株式会社Mile Stoneの栗原利典氏と、同公演でライブレコーディングを担当した今関邦裕氏、さらにさかいゆうのマネージメントを行う株式会社オフィスオーガスタの半田悠氏からそれぞれお話を伺いました。
FOH
CLシリーズ発売以降、各地で開催されるイベントやフェスティバルでCL5に触れてきたという栗原氏。リハーサル/本番ともにタイトなスケジュールで進行していく現場においても、扱いやすくその音色に関してもいい意味で印象的であったという。今回の渋谷公会堂での特別公演にてCL5を選択したきっかけと、ゲネプロ/本番を終えての感想を伺いました。
CL5は自身が抱えている仕事でじっくりと触る機会が今まで無かったのですが、過去にイベントで使用した時に感じた印象から、今回ぜひ試してみたいと思いました。イベントで使用した時は、操作性の良さと素直な音色、中低域の豊かさと明瞭度の高さが印象的でしたね。今回実際に使用してみると、事前に想像していた通り、ゲネプロでのスタジオミックスも分離が良く、かなりの明瞭度でミックスができました。操作性もやはりすぐ手が行くところは魅力的です。今回は複数名のゲストの出演があったので、カスタムフェーダーも非常に便利でした。実際ホールに行ってスピーカーから再生された音もイメージ通りでしたね。
やはりヘッドホン ミックスと実際にスピーカーから再生される音が近いというのは、僕にとっては非常にプライオリティーが高いです。低域の音像もぼやけないし、音のスピードが速く感じました。低域から高域までしっかり同じスピードで来てくれるのは嬉しいです。あとミックスした時に分離良く混ざってくれるのは音楽的にミックスしやすいと感じました。サイズに関しても、コンパクトな中に様々な機能が集約されていていいですね。本体の内蔵エフェクトもとても扱いやすく出音がイメージしやすかったです。
Rupert Neve Desings社 のPorticoをはじめとしたプレミアムラックに関しても、今後じっくりと使用してみたいです。
Live Recording
続いて同公演でライブレコーディングを担当した今関氏にもお話を伺いました。
今回、 FOHコンソールとして使用されるのがCL5と聞いて、Dante Virtual Soundcardを用いてNuendo Liveへの録音に挑戦してみようということになりました。
ステージサイドに設置されたRio3224-DでADされた音声信号はLANケーブルを用いて、Danteネットワークを経由し、 FOHブースのCL5横に構えたレコーディング用PCに引きこんでいます。また、録音時の検聴用としてMG06も使用しています。なにぶん初めての経験でしたので、バックアップ用として別途ハードウェアレコーダーも用意しましたが、結果的にはNuendo Liveで走りきりました。1本のLANケーブルで最大64chの音声をPCに引き込めるというのは魅力的ですね。
音質的にも問題は無く、圧迫感や窮屈感といったものを感じることの無い、太さを感じるサウンドを録音することができました。本格的にミックス作業を始める前ではありますが、バランスを取っていてコントロールしやすいように感じます。あらかじめ音源リリースの予定があるような場合は僕らのような録音チームも入りますが、仮に SRエンジニアさんだけの現場であっても、記録として高品位な音声を録りためておけるようになるというのは大きな意味があるように感じます。そのような場合でも後段へ安心して受け渡すことのできるクオリティーの音声が録音できるというのは、後日スタジオでミックスを行う僕らにとっても嬉しいことですね。
Interview
最後に、さかいゆうのマネージメントを行う株式会社オフィスオーガスタの半田氏にもお話を伺いました。
「今回の公演で使用したCL5ですが、コンパクトなサイズにも関わらず、そのポテンシャルは非常に高いと感じました。今回のライブはお客様やスタッフから「音が良かった」と言う感想を多くいただきました。もちろんPAエンジニアである栗原氏 のエンジニアリングによるところも大きいですが、CLシリーズの原音再生能力や操作性がそのような感想に繋がったのではないかと感じています。ミュージシャンの演奏のニュアンスや息づかいが細部まで再現されているように感じ、非常に気持ち良くライブを楽しむことができたように思います。
音楽不況と言われる昨今、ライブレコーディングにかけられる予算は正直なところ厳しくなっています。商品化や放送が決まっていれば制作費を捻出することもできますが、それも大きな額ではありません。「その日限り」のライブに全てを注ぎ、且つ、一定のクオリティーを保つのは、アーティストにとっても我々スタッフにとっても至難の業です。ベストは尽くしていても、機材トラブルや演者の体調など、予想し得ない事態が起こるのがライブです。そのようなことを考えると、やはり複数のライブを収録し、ベストテイクを選びたいと言うのが本音ではあるわけです。
そんな中、Nuendo Liveとの連携でマルチトラックレコーディングが可能なCLシリーズは強い味方になります。Danteネットワークを経由して64chの レコーディングが可能なので、大抵のライブに対応できますし、大規模な収録セットを持ち込まずとも、PA卓の横にPCをセットし、省スペースでレコーディングを行うことができます。例えば全国ツアー等で事前に会場やPAエンジニアと連携を取り、CLシリーズとPCを持ち込むことで全公演を収録したとすれば、その中からベストテイクをチョイスしてお客様に届けることができます。
数年前までは莫大な費用がかかってしまったこの作業もCLシリーズがあれば低コストで実現できます。これは、これからの音楽業界にとって非常に重要なことだと思います。今後ますます増えるであろうライブレコーディングの現場にCLシリーズは間違いなく必要なツールとなってくるのではないでしょうか」
今回、CLシリーズとNuendo Liveの魅力について、様々な視点からコメントをいただきました。音質・操作性・機能、そして信頼性のすべてにおいて大きく進化した次世代のライブサウンド用デジタルミキサー、CLシリーズはアーティストとオーディエンスの間に感動が生まれる瞬間を支えるため、様々なコンサート現場で使用されています。
【Staff】(敬称略)
- FOH engineer:
- 栗原利典 / 株式会社Mile Stone
- System engineer:
- 川上隆一 / 株式会社サンフォニックス
- Monitor engineer:
- 井田真樹 / 株式会社Freewheeling
- Recording engineer:
- 今関邦裕 古賀健一
- 制作:
- 有限会社オーガスタパブリッシング
- マネージメント:
- 株式会社オフィスオーガスタ