第4世代の音場支援システム「AFC4」をリリース
ホール・劇場や多目的な空間における響きを、用途に応じて変化させることができる音場支援システム「Active Field Control(AFC)」の第4世代モデル『AFC4』を2020年3月に発売します。
価格と発売時期
品名 | 品番 | 価格 | 発売時期 |
---|---|---|---|
音場支援システム | SK-AFC406 | オープンプライス | 2020年3月 |
SK-AFC404 | オープンプライス | ||
SK-AFC402 | オープンプライス |
製品の概要
「気持ちよく楽器を演奏する」「気持ちよく音楽を鑑賞する」― そのためにはどうすれば良いのか。この純粋な問いに対し、ヤマハはこれまで様々な角度からアプローチしてきました。
ヤマハは1969年に開始した音響コンサルタントの活動を通じて、演奏者と聴衆と空間のあるべき関係性を追求すべく、「建築音響」「電気音響」「騒音制御」といった音響全般に関わる技術と知見を深めてきました。その中で生まれたのが「AFC」というソリューションです。
「AFC」は、空間が建築物として持っている固有の音響特性を活かしつつ、室内の響きを豊かにするソリューションです。音源自体にリバーブを付加して音の印象を変化させる手法とは異なり、空間自体の音の広がりをコントロールすることで、楽器や声の自然な聞こえ方を保ちながら、残響時間・音量感を変化させることができます。
「AFC」は、ひとつの空間を多目的に使用したいというお客様の要望に応えるため、約30年前に音響設計ツールとして開発され、現在に至るまで様々な改良が加えられてきました。このたび発売する最新モデルの『AFC4』では96kHzに対応したプロセッシング能力と多彩な調整機能を備え、これまで以上に質の高いイマーシブな空間演出を実現します。
主な特長
1. 空間が持つ音響特性を活かしつつ、用途に適した響きを提供
多目的なイベントスペースや集会場・宴会場など、もともと響きの成分が少ない空間では、講演会やスピーチなどの用途において明瞭度の高い拡声を実現できます。しかし、同じ空間でクラシックの演奏会を行うと、音の広がりが少ないため、演奏者自身は気持ちよく演奏ができず、聴衆にとっても気持ちよく鑑賞することは難しいでしょう。
『AFC4』では従来モデルから処理能力が大幅に向上し、極端に響きの少ない空間であっても、その空間が持つ音響特性を利用しつつ、用途に応じた残響時間を適切に付加することができます。それにより例えば、響きの少ない室内でのクラシックコンサートを自然かつ豊かに響かせることができるほか、催し物が演劇に変わればそれに応じた残響時間に変更できるなど、用途に適した響きを提供します。
2. 2つの仕組みを組み合わせた、室内の響きを変えるハイブリッドシステム
「AFC」はマイクとスピーカーを複数配置して、室内の響きを変えることができるシステムです。このようなシステムには一般的に二つの方式があります。
- 室内音場制御方式
- 音響的フィードバックを利用した方式です。マイクで集音した音をスピーカーから再生し、その再生音に部屋の響きが加わった音を再びマイクで集音する音響的ループを利用しながら、室内の音響エネルギーを増強します。
- 音場合成方式
- たたみ込み信号処理により、集音した音に様々な反射音データ(実測インパルス応答)を合成することで、任意の音場を再現する方式です。
「AFC」はこれら二つの方式を兼ね備えたハイブリットシステムです。聴感印象に非常に重要な「初期反射音」と「残響音」を細かく制御することで、空間が建築物として固有に持っている自然な響きを保ちながら、室内に広がる音の響きを様々に変化させることができます。
3. 規模に応じた3モデルを用意
音場支援を必要とする空間には小規模から大規模なもの、そしてそれぞれに独特な音響特性があります。『AFC4』ではそれら多くの空間パターンに柔軟に対応するため、規模別に3モデルを用意しています。
Inter BEE 2019 出展について
2019年11月13日(水)~15日(金)、幕張メッセにて開催される「2019年国際放送機器展(Inter BEE)」のヤマハミュージックジャパンブースにて『AFC4』を簡易体験できる展示を行います。皆様のお越しをお待ち申し上げております。
■ 出展場所:プロオーディオ部門(展示ホール1)No.1211
詳しくは、下記ページをご覧ください。