【導入事例】有限会社湘南音響様 / SRカンパニー / 神奈川

Japan/Kanagawa Nov.2019

神奈川県平塚市の有限会社湘南音響は1999年設立の音響専門のPAカンパニーで、音楽のライブ・コンサートを中心に、企業イベントや街のお祭りなど、さまざまな催し物の音響業務を手がけています。

そんな同社は昨年、小〜中規模の現場で使用する音響調整卓として新規にデジタルミキサーTF5とTF1を導入し、TF5は昨年と今年、大磯ロングビーチの敷地内に開設されたビーチハウスでフル活用されました。

一夏の間、海辺のレジャー施設で休むことなく運用されたTF5の使用感について、有限会社湘南音響のエンジニアである糸瀬真典氏と、ビーチハウスを主催した横浜エフエム放送株式会社技術部長の柳山和人氏に話を伺いました。

有限会社湘南音響 エンジニア 糸瀬真典氏(写真左)
横浜エフエム放送株式会社 技術部長 柳山和人氏(写真右)

TF Seriesは低域がスッキリしていてシャープ
PA屋としては非常に扱いやすい音質

はじめに、湘南音響様について簡単にご紹介いただけますか。

糸瀬氏:
東京のPA会社で働いていた僕が1999年に独立して始めた会社になります。ちょうど今年で会社設立20周年を迎えました。在籍しているスタッフは現在6名で、基本的には音楽メインのツアーカンパニーなのですが、地元密着型のPA会社としてイベントから盆踊りに至るまで何でも手がけています。また、機材のレンタルもやっていますね。

どのような機材をお持ちですか?

糸瀬氏:
スピーカーに関しては、小回りが利くコンパクトアレイを中心にいろいろ揃えています。卓周りは基本ヤマハで、CL5、QL5、Rio3224-D2、LS9-32、LS9-16といったラインナップですね。

湘南音響様には昨年、TF5とTF1を導入していただきました。導入のきっかけを教えていただけますか。

糸瀬氏:
TFシリーズに関しては、LS9を長年使ってきて、同じ規模感の新しい卓ということでずっと気になっていました。そんなときに大磯ロングビーチのビーチハウスの仕事が入ったので、これは良い機会だと思いTF5とTF1を同時に導入することにしました。

柳山氏:
FMヨコハマでは毎夏、ビーチハウスを開くのが伝統になっていて、場所は由比ヶ浜だったり江ノ島だったりいろいろなのですが、昨年と今年は大磯ロングビーチで『Fm yokohama 84.7 Mango Beach House in OISO』として行いました。公開生放送の番組名は『住宅情報館 presents CATCH OF SUMMER』で、DJは月曜から木曜までは井手大介さん、金曜は週替わりでした。

糸瀬氏:
ですので大磯ロングビーチでは2年連続でTFシリーズを使ったことになります。

TFシリーズをこういった公開生放送の現場でお使いいただいて、その使用感はいかがですか?

糸瀬氏:
音質に関しては、解像度が高くなったからか、凄くきれいになった感じがあります。低域もスッキリしていますし、全体的にシャープな音質の卓という印象ですね。PA屋としては非常に扱いやすい音質でとても気に入っています。

“扱いやすい音質”ということについて、もう少し教えてください。

糸瀬氏:
ひとことで言えば、音にクセが無いということですね。音にクセがある卓って、それが個性だったりもするんですけど、こういうイベントだと使いにくいんです。出演するアーティストは日替わりで違いますからね。その点、TFシリーズはクセが無く、とてもフラットな音質なのでとても使いやすいです。

柳山氏:
それは私も感じます。長年ヤマハの卓を使ってきて、音のクセは感じたことがありません。それは素晴らしいことなのかなと思います。

糸瀬氏:
内蔵エフェクトもヤマハらしい従来どおりのサウンドだと思いますが、EQのかかりはこれまでよりも良くなっている印象です。特に高域のかかりが良く、触っていても凄く分かりやすいですね。

操作性に関してはいかがですか?

糸瀬氏:
最初は正直、戸惑いましたね(笑)。EQを操作するにしても、一度タッチパネルに触れてから操作するという感じなので。でも、使い始めがとっつきにくいのはどのデジタル卓も同じで、今はもう完全に慣れてしまいました。タッチパネルの反応も良いですし、精度も高い。フェーダーのストロークもしっかりしていますし、何の問題もないですね。

柳山氏:
ヤマハの卓はマニュアルを読まなくても直感的に使えるのがいいですよね。弊社には卓をオペレートするスタッフが約10人おりますが、ヤマハの卓に関しては新しいものでも誰もがパッと使えています。

特に気に入っている機能はありますか?

糸瀬氏:
使い慣れるといろいろな操作が早くなっていく卓だと思います。ステレオ入力のフェーダーもカスタムフェーダーを組めばフェーダーに立ち上げることができますし、SENDS ON FADERボタンやSHIFTキーによるゲインリセットも便利。それと本体の入出力端子だけでXLRからフォーン、RCAまで何でも入力できるところも気に入っています。街のイベントとか小さな現場ですと、入力が何でくるか分かりませんから。それから重量もLS9より軽くなったので搬入しやすくなったのも嬉しいですね。

デザインについてはどのような印象ですか?

糸瀬氏:
違和感が無いというか、パッと見てCLシリーズでもQLシリーズでもないことが分かるのがいいですね(笑)。左側の空きスペースもトークバックマイクなどをちょこっと置けるので重宝しています。

TFシリーズは今年、バージョン4となり大幅な進化を遂げました。バージョン4の新機能についてはいかがですか?

糸瀬氏:
何と言っても『Selected Channel View』が最高です。一画面でHAもEQもコンプレッサーもすべて見ることができ、他の操作にもこの画面から入っていける。今までは2回ボタンを押してスクロールさせなければならなかったのが、一発で操作できるようになって凄くラクになりましたね。『Selected Channel View』だけで主要なパラメーターは操作することができるので、コンプレッサーなんて本番中はスレッショルドくらいしか触りませんから、一気に使い勝手が良くなりました。もう『Selected Channel View』無しの操作には戻れませんね(笑)。

V4.0より搭載された「Selected Channel Veiw」画面。
主要パラメーターを1画面で確認できるため、シンプルかつスピーディな操作が可能に。

最後に、長年ヤマハの卓を使い続けている理由についておしえてください。

糸瀬氏:
ヤマハはデジタルミキサーの第一人者ですし、歴史があるので信頼できるというのが大きいですね。やっぱりヤマハの卓が一番安心できる。ヤマハの卓なら乗り込みのオペレーターさんにレクチャーする必要もありませんし、すべての面でラクですよね。それとネットワークに対する考え方も共感できます。

本日はお忙しい中、ありがとうございました。

有限会社湘南音響
https://shownan-onkyou.com/

横浜エフエム放送株式会社
https://www.fmyokohama.co.jp/