【STAGEPAS 200BTR レビュー】シンガーソングライター 構 康憲 様 / 東京

Japan/Tokyo Jun.2023

シンガーソングライターとしての活動に加え、CM楽曲制作やイベント・企業テーマ曲、NHK「みんなのうた」等を幅広く手掛け、アイドル、アーティストへの楽曲提供などコンポーザーとしても活躍している構 康憲 氏。ライブなどで「STAGEPAS 1K」を使用している構 氏に、発売されて間もない「STAGEPAS 200BTR」を試していただき、ファーストインプレッションをうかがいました。

会場:ヤマハ銀座コンサートサロン
https://retailing.jp.yamaha.com/shop/ginza/salon


STAGEPASシリーズのバランス良さが引き継がれている

構さんは今回初めて「STAGEPAS 200BTR」をご覧になるそうですが、音を出す前に、まず見た目の印象をお聞かせください。

構氏:
「STAGEPAS 1K」はライブで使っているのでよく知っているんですが、「STAGEPAS 200BTR」はずいぶんコンパクトですね。これなら持ち運びがかなり便利ですよね。でも、ここまで小さくなると、出力が気になります。

ではさっそくギターをつないで音を出してみてもらえますか。

構氏:
(ギターで音出しをして)これはいいですね! これはSTAGEPASの他のモデルにも通じるんだけど、音抜けが良くて、バランスもいい。見た目はコンパクトだけどバランスの良さは「STAGEPAS 200BTR」にも見事に受け継がれています。見た目はスピーカー1発だけど、ツイーターもある2ウェイなんですね。小さいのにパリッとした音が出てます。

今までのSTAGEPASシリーズにはなかったギターの音作り系のエフェクトも搭載されていますので、試してもらっていいですか。

構氏:
(ギター用エフェクトを操作して)なるほど。これもいいです。PA機器よりむしろギターアンプに近いニュアンスがありますね。プレーヤー寄りな感じです。コーラスもあるし、リバーブ+ティレイなどもあって、ギタリストなら積極的に音作りできるんじゃないでしょうか。アコースティックギターやキーボードなどのアコースティック系なら足元にコンパクトエフェクターを置かなくても「STAGEPAS 200BTR」だけでかなり音作りできそうです。

「STAGEPAS 200BTR」ミキサー部パネル

最大10時間連続使用できるバッテリーと
2つの角度で置けるゴム足兼用の小型スタンドが便利

「STAGEPAS 200BTR」には本体底面に小型のスタンドが収納されていて、設置角度を2段階に変えることができます。それも試してもらっていいですか。

構氏:
なるほど、本体の底に小型のスタンドが収納されているんですね。本体を30度と60度の2種類に傾けて設置できるのは、とても使い勝手がいいです。30度は着席のライブなどで床置きする時にちょうどいい角度だと思います。ギターやキーボードでモニター的に使うのであれば60度にして床置きにすると立って演奏してちょうどいいですね。フロアモニターのように使えてこれも便利です。

本体の横にはスピーカースタンド用の穴もあるから、スピーカースタンドを使えば好きな高さにセッティングできるし、ステージの両サイドに「STAGEPAS 200BTR」を立てて左右でリンクもできるんですよね。ギターアンプ的にも、モニター的にも、そして本格的なPA用にも使えるから、いろんな用途で活躍しそうです。

「STAGEPAS 200BTR」はSTAGEPASシリーズとして初めてバッテリーを内蔵しました。最大10時間バッテリー駆動できますが、そこに可能性は感じますか。

構氏:
可能性はとても大きいと思います。オープンスペースや路上でライブをするときの最大の心配事って電源なんですよ。それを考えなくていいのは相当ストレスが減ります。しかも実際電源がなくてきちんとしたライブができるから機動性も圧倒的です。バッテリーは最大10時間使えるそうなので、リハーサル含めても駆動時間も十分実用的です。今もこの「STAGEPAS 200BTR」はバッテリーで駆動してますけど、本当にしっかりした出力です。バッテリー駆動でもここまで出せるんだって、ちょっと驚いています。

「STAGEPAS 200BTR」は最大10時間駆動が可能。撮影時もバッテリーで駆動

ボーカルの音量もしっかり出るし、
コンデンサーマイクが使えるのが嬉しい

それではいよいよボーカルで「STAGEPAS 200BTR」を試していただけますか。

構氏:
(ボーカルマイクを接続してギターで弾き語りをして)今、かなり出力を上げて歌ってみましたけど、スゴいです。大きな音がクリアに出てきて、ちょっと感動してます。音量だけでなく、音質的にもとても気持ちいい音で、いつまでも歌っていたくなりました。ストリートや小さいスペースでのパフォーマンスにはほんとに良さそうです。

このサイズの会場なら、十分使えそうですね。

構氏:
全く問題なく使えると思います。このサイズからこの音が出せるのはちょっと信じられないですね。いい意味で予想を裏切るサウンドとパワーです。

それと個人的に素晴らしいと思っているのは、ボーカルにコンデンサーマイクが使えるようになったことです。今までのSTAGEPASシリーズではコンデンサーマイクが使えないモデルもあって、僕はいつもコンデンサーマイクを使っているので、それが唯一の残念な点でしたが、「STAGEPAS 200BTR」では愛用のコンデンサーマイクが使えるようになり嬉しいです。いつものマイクが使えると、それだけで大幅に音作りの手間が省けるんですよね。会場の空間にあわせる補正だけでいいので。それに自分のマイクで歌っているという安心感はパフォーマンスにも大きなプラスになります。

アプリも便利だし、イベントやBGM用にも良さそう

「STAGEPAS 200BTR」はBluetooth接続が可能です。Bluetoothでスマホにつないで音楽を鳴らした音質もチェックしていただけますか。

構氏:
(スマホとBluetooth接続して音楽を再生)なるほど、BGMでもかなりいいですね。それと今BGMにあわせてギターを弾いてみたんですけど、再生音源をバックトラックに使ったライブでも全く問題なく使えそうです。再生音源とギターがきれいに馴染んで、音にまとまりがありました。贅沢な話ですけど家での練習でもかなり使えると思います。

最後に専用アプリケーション「STAGEPAS Controller」も試していただけますか。

構氏:
(「STAGEPAS Controller」を使って)僕は「STAGEPAS 1K」でもアプリを使いますが、「STAGEPAS 200BTR」のアプリは今までのSTAGEPASシリーズよりも細かく設定できるんですね。本体のミキサーは使いやすさを追求していますが、アプリではEQやエフェクターなどを見ると、かなり緻密で細部まで突っ込んだ設定ができそうです。それと今まではなかったシミュレーターもいいと思います。

ギター弾きとして特に気になるギターシミュレーター関連ではダイナミックとコンデンサーの2種類を試しましたが、ダイナミックはちょっと硬めで芯があるサウンド、コンデンサーはいかにもコンデンサーらしい音がズバッと出てきます。これもかなり使えそうです。

アプリのチェックではスタッフが構氏のギターを演奏し、構氏自身がアプリで設定を動かして出音を確認

今日のテストを通じて「STAGEPAS 200BTR」で、どんなことができそうだと思いましたか。

構氏:
「STAGEPAS 200BTR」があれば、本当にいろんなことができますね。小さくて音がいいし、バッテリーで駆動できる。別売りでキャスター付きのキャリーケースもあるそうなので、音響機器がない場所でもライブができるし、PAなしの現場にも電車で移動できそうです。それとこのサイズの機器としては音が圧倒的にいいです。以前ストリートライブが大流行したとき同じぐらいのサイズのスピーカーをよく使いましたが、その頃のものとはクリアさやパワーの面で全く比べものになりません。個人的にはコンデンサーマイクが使えるようになったのが一番大きくて、まさに夢が広がります(笑)。

また、講演会やイベントなどでも大活躍しそうですね。小さくて場所を取らないし、学校の行事などでも簡単に運べますし。その場合もバッテリー駆動は、かなりの利点になると思います。「STAGEPAS 200BTR」の利用シーンは、音楽用途に限らずどんどん広がっていくんじゃないでしょうか。

本日はお忙しい中、ありがとうございました。

製品情報

PAシステム STAGEPAS 200シリーズ