【導入事例】CSE株式会社 音響事業部 様 / レコーディングスタジオ・PAカンパニー / 大阪

Japan/Osaka Aug.2024

CSE(Cap Stone Entertainment)株式会社は大阪市でレコーディングスタジオ、インディーズレーベルの運営、そしてPAや音響プランニングを手掛けている会社です。

このたびCSE株式会社の音響部門に、デジタルミキシングコンソール「DM7」、「DM3」が導入されました。導入の理由や使い勝手などについて、CSE株式会社 音響部サウンドエンジニアの松川 貴陽 氏、井上 良平 氏、古田土 陽奏 氏、室井 果音 氏にお話をうかがいました。


最初に、CSE株式会社について教えてください。

松川氏:
CSEは「Cap Stone Entertainment」の略で、Cap Stoneはピラミッド頂上の三角の石のことなんです。そこには音響業界の頂点を目指していこうという想いが込められています。弊社はもともとインディーズレーベルを運営する会社としてスタートし、その後レーベルに所属するバンドのイベントの企画や制作なども手掛けるようになったため、それらに欠かせない音響部門を立ち上げました。音響部門ではコンサートやイベント、劇場などでのPAを請け負っています。

CSE株式会社 音響事業部 サウンドエンジニア 松川 貴陽 氏

このたびデジタルミキシングコンソール「DM7」「DM3」を導入いただきましたが、それまではどんな機材をお使いでしたか。

松川氏:
私は音響部門ができて3年目ぐらいに入社したのですが、最初はヤマハの「01V」がメインでしたね。それ以来ミキサーはヤマハを使っています。「DM7」と「DM3」の導入直前は「QL1」を使っていました。「QL1」は使えるだけ使い倒した感じです(笑)。

「QL1」はどんな用途が多かったのですか。

松川氏:
弊社はLIVE PLANETに所属しているアイドルグループの音響を手掛けていて、そのプロジェクトでずっと「QL1」を使ってきました。

「DM3」を導入した理由を教えてください。

松川氏:
「DM3」は小規模なイベントから音楽イベントまで、様々な現場での使用を想定して選定し、2台導入しました。ハードケースとソフトケースを使っていて、ソフトケースなら場合によっては電車でも運べるくらい軽くてコンパクトなので助かります。

現場で「DM3」を使ってみた感想はいかがですか?

古田土氏:
積み込みの時あまりにも本体がコンパクトなので、車に機材を積んだ後「卓積んだっけ?」って心配になることがあります(笑)。それほど小さくて軽いのですが、エフェクトやコンプはとても充実しているんですよ。アナログ卓を使う現場の場合、GEQなどのアウトボードを必ず持参しますが、「DM3」なら非常に性能のいいGEQが内蔵されているので本体だけで済んでしまいます。おかげで積み込みもセッティングも楽になりました。

CSE株式会社 音響事業部 サウンドエンジニア 古田土 陽奏 氏

松川氏:
イベントの現場で近隣にテナントがある場合、急な大音量は周囲に迷惑がかかってしまいます。そのために必ずアウトボードのコンプレッサーを使っていましたが、それも内蔵のコンプレッサーでカバーできそうです。

デジタルミキシングコンソール「DM3」の使用現場

「DM7」の選定理由と使用用途を教えてください。

松川氏:
「DM7」は今回のSweet Alleyのプロジェクトで使うために導入しました。またLIVE PLANETに所属している別グループのバックバンドは当初4人だったのですが、今は7人に編成が増え、イヤーモニターの環境もかなり複雑になりました。そして今後メンバーが増える可能性も考えると、入出力が多いミキサーが必要だと考えました。

また会議やセミナーなどの仕事でマイクを20~30本使うような現場があり、そんなときも入出力の多い「DM7」なら使えると考えました。この場合は現場のPAだけでなく配信も同時にやることが多いです。これまではそのために小さい卓を用意していましたが、「DM7」なら液晶画面が2つあり、スプリットモードが使えるので1台でシェアして使うことができると思いました。時には卓を2台並べることができないような狭い場所の場合もありますので。

デジタルミキシングコンソール「DM7」

それと「DM3」と同様に「DM7」もコンパクトさが最大の決め手になりました。弊社は機材運送用のトラックを持っていないので標準サイズのハイエースで機材を運ぶのですが、スピーカーやアンプ、モニターなど他の機材などを全てハイエース1台に積み切ることを考えると「DM7」のコンパクトさはまさにベストで、今までこのサイズのミキサーを求めていました。またセッティングに関しても私ぐらいの体格であれば「DM7」も一人で運んでセッティングできます。

井上さん、「DM7」の音の印象はいかがでしたか。

井上氏:
「DM7」は音が非常にくっきり、はっきり聴こえるなぁというのが最初の印象でした。96kHz動作の時の音は明らかに違いますが、48kHz動作でも今までより明瞭度が高いと感じました。

CSE株式会社 音響事業部 サウンドエンジニア 井上 良平 氏

操作性や機能面はいかがでしょうか。

井上氏:
僕はこれまでずっとヤマハのミキサーを使ってきたので「DM7」は全くストレスなく操作できました。もし他社メーカーのミキサーでバンド7人のイヤーモニターをミックスしろと言われたら多分操作が追いつかないと思いますが「DM7」なら自然と必要な機能に手が行きます。しかもこのサイズで多入出力、そして2画面あるので、とても使いやすいです。

またエフェクトの種類が多いのもいいですね。特にリバーブの「REV R3」は、自分がまだ新米の頃あるミュージシャンが「Pro R3」を使っていたのを見て僕も使うようになり、今では「これじゃないとダメ」っていうぐらい気に入っていますが、その「REV R3」が内蔵されているのでとても嬉しいです。

デジタルミキシングコンソール「DM7」搭載の「REV R3」画面

会議やセミナーでも「DM7」を使用することがあるそうですが、どのように運用されているのですか。

室井氏:
先日とある会議で「DM7」を使いましたが、会場には24本のマイクがあり、それをPAしつつ、さらにリモート先の部屋をZoomでつないで進行するという会議でとても大変でした。そこで便利だったのが複数マイクを同時に使用する時に自動でレベルを管理してくれる「Dan Duganオートマチックミキサー」でした。この機能は自動的に話者のレベルを最適化してくれるので、すごくありがたかったです。あと、私は「DM7」のタッチパネルがとても使いやすいと感じました。

CSE株式会社 音響事業部 サウンドエンジニア 室井 果音 氏

松川氏:
「Dan Duganオートマチックミキサー」はアイドルグループのようにメインボーカルが頻繁に入れ替わるケースでも非常に使い勝手がいいです。アナログ卓時代は曲のどこで誰がメインボーカルになるかを覚えるのに苦労しましたが、「Dan Duganオートマチックミキサー」なら人間には不可能なスピードで追従してレベルコントロールしてくれるので本当に助かります。

「DM7」をiPadなどでリモートコントロールできる「DM7 StageMix」アプリも使用

今後「DM7」や「DM3」を使ってやってみたいこと、チャレンジしてみたいことはありますか。

古田土氏:
「Assist機能」を使ってみたいですね。時間に余裕のない現場もたくさんあるので、PA現場の最初の方でやっているザックリとしたセットアップを「Assist機能」に任せられれば細かいミックスに時間とエネルギーをかけることができそうです。

松川氏:
知り合いにプラネタリウムのコンテンツを制作している人がいるのですが、プラネタリウムって大変な数のチャンネル数で運用しているんですよ。そういうイマーシブオーディオ的な音響の構築に「DM7」や「DM3」を使うのも面白そうだと思います。今後チャレンジしてみたいです!

本日はありがとうございました。

取材協力
CSE株式会社音響事業部
https://capsent.com/pa/

Yamaha Digital Mixing Console DM7

DM7 Series

様々なシーンに対応できる高い拡張性と柔軟性を備えた革新的なデジタルミキシングコンソール。

Yamaha Digital Mixing Console DM3 Series

DM3 Series

あらゆるシーンやシステム規模にフレキシブルに対応するコンパクトなデジタルミキシングコンソール。