【導入事例】専門学校ESPエンタテインメント大阪 様 / 大阪
Japan/Osaka Jun. 2025
音響技術者を育成する教材として、次世代のスタンダードであるデジタルミキシングコンソール「DM7」を導入
- 「DM7」は96kHz対応による高音質や直感的なタッチ操作が教育現場で評価されて導入
- 軽量かつコンパクトな筐体は、可搬性が求められる授業環境に最適で、特にPAを学ぶ女性にとっても扱いやすく、実践的な運用が可能
- Danteネットワークやライブ配信対応など、音響の最新潮流に即した機能を備え、次代の音響教育カリキュラムの核としても活用予定
ミュージシャン・クリエイターや声優、タレント、レコーディング・PAエンジニア、コンサートスタッフ、アーティストスタッフなどを育成する専門学校ESPエンタテインメント大阪。このたび同校にヤマハのデジタルミキシングコンソール「DM7」が導入されました。
その選定理由や活用方法などについて、専門学校ESPエンタテインメント大阪 音楽芸能スタッフ科 小前 圭司 氏と、同校講師の西川 文章 氏にお話をうかがいました。
専門学校ESPエンタテインメント大阪について教えてください。
小前氏:
専門学校ESPエンタテインメントは、東京・大阪・福岡にある音楽系の専門学校です。ギターメーカーであるESPグループが1987年に東京校を開校し、2005年に大阪校が開校しました。おかげさまで大阪校は2025年に20周年を迎えました。設置学科・コースは2年制で28コースを用意しており、アーティスト、声優だけでなく、レコーディングエンジニア、PAエンジニア、コンサートスタッフ、アーティストスタッフなど音楽に関わる様々なコースがあります。社会人や大学生も学びやすい夜間部もあります。
どのコースの学生が授業でミキサーを触るのですか。
小前氏:
「PAコース」「PA&レコーディングコース」「照明&PAコース」、それにアーティスト系の「ミュージシャン&スタッフコース」です。「ミュージシャン&スタッフコース」は、プレイヤーとしてギターやベース、ドラムの技術を学びながら、PAやレコーディングなど音響の技術も同時に学びます。
「DM7」の導入以前は、どんなミキサーを教材として使っていたのですか。
小前氏:
ヤマハの「M7CL」を使用していました。また校内にあるホールにはヤマハの「CL5」「QL5」があり、それも授業で使用します。
教材用としてヤマハのミキサーを選定しているのはなぜですか。
西川氏:
なんといっても、音響の現場で触れるミキサーとしては、圧倒的にヤマハのデジタルミキサーが多くて、特に「CLシリーズ」や「QLシリーズ」が多いです。ですから音響の現場ではヤマハのミキサーが基本になると思います。
今回「DM7」を導入したのはなぜですか。
小前氏:
「M7CL」を導入して18年もたっているので更新を考えていたのですが、そのタイミングで「DM7」が発表されました。それで発売後まもなくして導入を決めました。
「DM7」を選んだ背景や理由について、もう少し詳しく教えてください。
小前氏:
実はヤマハと他社のミキサーも候補として挙がっていたんですが、音響の講師の方々に聞くと「DM7」の評判が非常に良くて、中には個人的に購入されている講師の方もいたくらいでした。
西川氏:
実際「DM7」が今後のミキサーのスタンダードになっていくと私も思いますね。
導入から1年半たって、授業で「DM7」を使ってみた感想はいかがですか。
西川氏:
やっぱりサンプリングレートが48kHzで駆動する「CL5」や「QL5」と比べると、96kHzで動く「DM7」は高音の分解能が全然違うと感じます。今、1年生は授業で「CL5」を使っていて、2年生になると「DM7」を使うカリキュラムになっているので、ミキサーが変わったタイミングで音の違いが分かる生徒が少なからずいます。
教材として「DM7」のいい点があったら教えてください。
西川氏:
操作系が大型の液晶画面にグラフィック表示され、しかも画面タッチで操作できる点がとても分かりやすいと思います。例えばアナログミキサーを使って教えていた時代はイコライザーのQがどういうものかを教えるのが難しかったんですけど、「DM7」なら視覚的にすぐ理解できます。
また我々の世代は「画面にタッチして操作する」ことに慣れない面もありますが、今の学生たちはスマホネイティブで画面を触るのが得意なので、我々よりも早くどんどん使いこなしていくんじゃないかな、と思っています。
小前氏:
筐体が非常に軽量・コンパクトな点も教材としては大切でした。近年はPAエンジニアを目指す女性が増えていて、本校のPAコースでも7割近くが女性、という学年もあります。実習用のミキサーは常設ではなくて授業のたびに移動するので可搬性は重要ですが、「DM7」は軽量なので女性2人いれば余裕で運べます。僕も初めて「DM7」を持ち上げたとき、思わず「軽っ!」と驚きました。
授業以外で学生が「DM7」を使うことはありますか。
小前氏:
2年生になると、ミュージシャン系コースの学生が学内でコンサートを開きますが、そのときPAコースの学生がスタッフとして入り、そこで「DM7」を使います。FOHで使う場合もあれば、モニター用ミキサーとして使う場合もあります。「DM7」はユーザーディファインドキーが本体に4バンク、ユーティリティスクリーンを含めれば8バンクもあるので、モニター用としても非常に優秀です。
卒業後学生が音響の世界に進んでもすぐにはミキサーを扱えないでしょうから、学生の時に実践で「DM7」を触る経験を積むことも大切だと考えています。
今後「DM7」を使ってやってみたいことはありますか。
西川氏:
僕は仕事でDante Virtual Soundcard(DVS)を使ってレコーディングすることが多いんです。以前は48kHzまででしたが、最近96kHzに対応したので「DM7」で96kHzでのライブ録音を教えてみたいです。
小前氏:
Danteに関しては、現在ヤマハが出しているガイドブックを使ってネットワークの講座を設けています。ただこれは座学で、実際の現場で対応ができるかは別の話なので、今後はDanteのネットワークで「DM7」を使うような実践的なカリキュラムも考えたいです。
またコロナ禍以降ライブ配信が増え、PAエンジニアにはネット配信という放送に近いスキルが求められるようになりました。「DM7」は「Broadcast Package」を使用することで配信用途にも十分な力を持っているので、配信を見据えたカリキュラムも今後考えていきたいと思います。
本日はありがとうございました。
専門学校ESPエンタテインメント大阪
https://www.esp.ac.jp/osaka/