高田漣×矢井田 瞳×ROLLYのスペシャル・セッションが実現!

2026.7.2

『高田漣 presents ギターミーティング at 銀座』開催!

2026年に60周年を迎えたヤマハ・ギターの魅力を演奏とトークで伝えるイベント『高田漣 presents ギターミーティング at 銀座』の第一回が、5月29日に銀座ヤマハホールで開催された。ホストを務めるのはマルチ弦楽器奏者、作曲家、プロデューサーとして活躍する高田漣。初回ゲストには矢井田 瞳とROLLYを迎え、ここでしか実現しないトークとスペシャル・セッションが繰り広げられた。

高田漣、矢井田 瞳が語るギターの原体験

この日のイベントは、アコースティック楽器に最適な音響設計が施されたヤマハホールで、最高のミュージシャンによるアコースティック・ギターの音色と歌を堪能しようという贅沢な企画だ。ホール入り口には三人のミュージシャンが使用するギターと同じモデルが展示され、来場したファンの目を引いていた。

開演の19時、トップバッターとして登場したのはホストの高田漣。スツールに腰を掛けて、ヤマハ“FG9 RX”を手に歌い出したのは『ナイトライダー』。ブルースからの影響が色濃い楽曲に、“FG9 RX”らしい粒だちの明瞭な音と高田の巧なフィンガーピッキングがマッチして、最初から極上のサウンドが会場を覆い尽くす。

「今日はここでしか聞けないようなものがたくさん聞けると思いますので、ゆっくり楽しんでいってください」という挨拶に続いて、高田が最初のゲストである矢井田 瞳を招き入れ、バトンを渡す。

矢井田はまず『アイノロイ』を披露。演奏前に「私は漣さんやROLLYさんのような超絶テクニックは持っていないのですが、ギターが大好きな一人として参加しました」と少し謙遜気味に語っていたが、矢井田の軽快なストロークは、自身の歌に寄り添う演奏として理想的なプレイだった。矢井田が手にしたヤマハ“FS9 MX”は、やや小ぶりなコンサート・スタイルのボディとまとまりの良い音が特徴で、ストローク中心の矢井田のプレイにベスト・マッチ!ギターの音も歌声もホールに伸びやかに響き渡り、それに酔いしれたオーディエンスからは自然発生的に手拍子が起こる。続いて矢井田が『sigh sigh sigh』、『駒沢公園』の2曲を披露し、ホストの高田と二人によるトーク・タイムに突入。ギターに触れ始めた頃の、二人のギターの原体験ともいえる話に花が咲いた。

「私が初めて買ったアコースティック・ギターは、ヤマハのモデルでした。それを買って、最初に簡単なコードをゆっくり弾いてみた時に“私、これ一生できる!”と思ったんです。それからコードを3つか4つ覚えたら、すぐに自分の曲を書き始めました。それで誰も知らない、この世にないものを作り出す喜びに出会えたんです」と矢井田が、初めてギターを手にした時の興奮と創作の喜びを語る。

そして、フォークシンガーである父・高田渡が所有する数々のギターに囲まれて育ったという高田は「子供の頃はよく“ライヴごっこ”をやっていました。友達を呼んで、彼らを“お客さん”として座らせるんです。で、終わると演者は隣の部屋に行ってジュースを飲む。僕達のライヴには、ちゃんと“打ち上げ”も付いているんです笑」と微笑ましいエピソードを語る。どちらの話も、二人のギター・ライフの幸せな始まり方が窺える楽しいトークだった。

その後、矢井田の『Look Back Again』を二人で演奏し、前半戦のゲスト・タイムが終了。

ここから高田が再びソロとなり、父・高田渡の曲『Fishin' On Sunday』を歌う。高田渡もまた長年ヤマハ・ギターを愛用したことで知られており、この選曲は、ヤマハ・ギター60周年の歴史を感じさせる象徴的なものとなった。ここでの高田のスライド・ギターは圧巻で、オープンDにチューニングされた“FG9 RX”の芳醇な響きがヤマハホールの自然で美しい残響と相まって、アコースティック・ギターの魅力を余すところなく伝えていた。

ROLLYが示すギターの未来と、夢のスペシャル・セッション

続いては、二人目のゲストROLLYが登場! “外部の機器を用いずに生音にエフェクトを加える”トランスアコースティック・ギターの次世代機、ヤマハ“TAG3 C”を手に、『ゆらゆらフラフラ』、『ローリーちゃん』、『甘い誘惑』などの楽曲を次々と披露した。ロック、シャンソン、フラメンコなどジャンルの枠を飛び越えながら、時にはギターにディストーションやディレイを、歌にはハーモナイザーなどのエフェクトを大胆にかけて、一人で出しているとはとても思えない音を重ねていく。

『月まで飛んで』はこの日のハイライトとも思える出来栄えで、“TAG3 C”に搭載されたルーパーを使い、アルペジオの音をホールド。その上にソロや効果音的なフレーズを重ねて、壮大な世界を構築した。今回のヤマハ・ギターの60周年記念イベントにおいて、この瞬間のROLLYは、“TAG3 C”を駆使しギターの未来を垣間見せてくれたように思う。

その音を残したまま、ROLLYが高田を呼び込む。二人が演奏したのは『リンゴの木下で〜世界は日の出を待っている』のメドレー。かつて高田渡が演奏したこのメドレーを、高田渡を深くリスペクトするROLLYの強い希望でフルで演奏したというこのバージョンには会場のオールド・ファンも大満足の様子。ギターを通して、過去や未来が交錯していく。

ステージは佳境に入り、矢井田も加わって三人でのトークを展開。矢井田のファルセットを駆使した独自の歌唱法について、そのルーツは幼少期の矢井田が父に連れられて行ったスナックで歌った演歌にあるという話が興味深い。矢井田が軽く歌った『津軽海峡冬景色』の一節の、ファルセットを駆使したこぶし回しの巧さに会場がどよめく一幕もあった。会場の興奮はそのまま三人による『タイムマシンにお願い』に引き継がれ、最後は矢井田のヒット曲『My Sweet Darlin'』でステージと客席が一体となって、大団円!

挨拶を終えてステージの袖に消えていく三人に、会場の拍手が止まらない!終了のアナウンスが鳴っても、客席の照明が付いても鳴り止まない拍手に三人が再び姿を現すと、客席からは大きな歓声が上がる。何度も頭を下げながら感謝を伝える三人の表情には、この日限りのセッションをやり遂げた充実感が浮かんでいた。

第二回の『高田漣 presents ギターミーティング at 銀座』は、2026年10月9日(金)、銀座ヤマハホールにおいて、ゲストに鈴木茂、佐野史郎の両氏を迎えて開催される。こちらも他では見ることのできない演奏とトークが期待できそうだ。

使用ギター解説

<高田漣דFG9 RX”>

この日、高田漣が選んだギターは“FG9 RX”。本機は、1966年に発売されて以来、シンガーソングライターにこよなく愛されてきたFGシリーズの現在のフラッグシップ・モデルだ。ドレッドノート・スタイルのボディから力強い音量を生み出しながらも、どの帯域も明瞭で、歌を邪魔しないサウンドが人気の秘密。表板には、希少木材「アディロンダック・スプルース」をヤマハで初めて採用し、裏板は厚さを増すことで、力強さと明瞭さをさらに強化している。オーセンティックなプレイを聴かせる高田のスタイルに、最適なモデルだ。

FG9 RX

  • 胴型:ドレッドノートスタイル
  • 弦長:650mm
  • 胴長:505mm
  • 全長:1039mm
  • 胴幅:412mm
  • 胴厚:100-125mm
  • 表板:アディロンダックスプルース単板
  • 裏板:インディアンローズウッド単板
  • 側板:インディアンローズウッド単板
  • 棹 :マホガニー 1ピース
  • 指板:エボニー
  • ピックアップシステム:Atmosfeel (SYSTEM74)
  • コントローラー:マスターボリューム、マイクブレンド、ベースEQ

<矢井田 瞳דFS9 MX”>

矢井田が手にしていたギターは、やや小振りなボディの“FS9 MX”。イベントで矢井田が絶賛していたように非常に弾きやすいギターで、ボディが小さく抱えやすいだけではなく、弦長も短くテンションが柔らかくて押弦しやすい。表板にはテーパーエッジ加工が施されたアディロンダックスプルースを採用し、構造的に強度を増すと同時にボディをより効果的に振動させて、迫力と繊細さを両立している。軽快なストロークで歌を支える矢井田のスタイルには、最高の一本だ。

FS9 MX

  • 胴型:コンサートスタイル
  • 弦長:634mm
  • 胴長:497mm
  • 全長:1022mm
  • 胴幅:380mm
  • 胴厚:90-115mm
  • 表板:アディロンダックスプルース単板
  • 裏板:アフリカンマホガニー単板
  • 側板:アフリカンマホガニー単板
  • 棹 :マホガニー 1ピース
  • 指板:エボニー
  • ピックアップシステム:Atmosfeel (SYSTEM74)
  • コントローラー:マスターボリューム、マイクブレンド、ベースEQ

<ROLLYדTAG3 C”>

他の二人とは全く異なるアプローチを見せたROLLYが選んだギターは、“TAG3 C”。外部の機器を必要とせずに生音にエフェクトを加えることができるヤマハ独自のトランスアコースティック・ギターの次世代機だ。リバーブ、ディレイ、コーラス、ルーパー、さらにはBluetooth®機能を手元で操作可能で、作曲、リハーサル、演奏、レコーディングなど、あらゆるシーンで活躍する。ROLLYのように、既存の枠にとらわれずに新しいスタイルの弾き語りを作っていきたい人には、ぜひ試してほしいモデルだ。

TAG3 C

  • 胴型:ドレッドノートカッタウェイスタイル
  • 弦長:650mm
  • 胴長:505mm
  • 全長:1039mm
  • 胴幅:412mm
  • 胴厚:100-125mm
  • 表板:シトカスプルース単板(A.R.E.)
  • 裏板:マホガニー単板
  • 側板:マホガニー単板
  • 棹 :マホガニー
  • 指板:エボニー
  • ピックアップシステム:トランスアコースティック (SYSTEM76)
  • コントローラー:リバーブ/コーラス/ディレイ/ルーパー/ラインアウトボリューム/タップセンサー
  • 接続:ラインアウト / Bluetooth オーディオ

取材・文:井戸沼尚也
撮影:Chie Kato


次回公演情報