2台のエレクトーンで全パートを演奏 オペラ愛島公演 オペラ『ランメルモールのルチア』

オペラ愛島とは、音楽大学受験セミナー(沖縄県にある音楽大学受験のための教室)企画による、クラシックコンサートの運営をする音楽事務所です。

2009年2月にセミナーから琉球大学教育学部音楽科へ進学した学生(愛さん)が、小児ガンの一種である横紋筋肉腫で亡くなりました。彼女の「将来、音楽で社会に貢献したい」という意志と、病気と戦った彼女を忘れないという気持ちから、彼女の名前の一文字「愛」を名称に残し愛島=アイランドとしました。

2009年11月にオペラ『ドン・ジョヴァンニ』(室内オーケストラ)を皮切りに、11年8月『魔笛』(室内オケ+エレクトーン)、12年8月『ヘンゼルとグレーテル』(オーケストラ)、13年8月『セビリアの理髪師』(ピアノ)、14年6月『椿姫』(ピアノ、エレクトーン)、15年8月『修道女アンジェリカ、ジャンニ・スキッキ』(ピアノ、エレクトーン)、16年8月『魔笛』(室内オケ+エレクトーン)、そして今年5月には、『ランメルモールのルチア』(エレクトーン2台+ティンパニ)を上演してきました。

公演を振り返れば、年になんとか一度の公演を続けてきているのですが、その歴史の中でも2011年の『魔笛』では「パパゲーノの笛の音」と「グロッケン」のみの演奏であったエレクトーンSTAGEAが、2016年の『魔笛』では管楽器パートすべてを演奏し、今年の『ルチア』の公演では2台のSTAGEAで、オーケストラの全パートを演奏し、オペラ愛島のオペラ公演にはSTAGEAは欠かせないものとなってまいりました。

総合芸術と呼ばれるオペラの公演を行うことは本当に大変ですが、21歳という若さで人生が終わってしまった彼女のことを思うと「生きているだけで」とつい心でつぶやいてしまいます。

オペラ愛島では毎年、収益の一部を彼女の入院先であった琉球大学付属病院小児科にクリスマスプレゼントをしています。これからも頑張ります。応援してください。

代表/山本令子

エレクトーン演奏/千葉祐佳、市川侑乃

2017年5月24日 浦添市てだこ小ホール