第2弾 蘇るエレクトーンモード ~あのサウンドを再び~

「ミスター・ロンリー」「イエスタデイ・ワンスモア」「青い影」「白い恋人たち」……こんな曲からコンサートはスタートした。今回のテーマは、1960年代70年代の音楽。前回同様、客席中央に楽器を置き、お客様はそれを囲むように目の前で演奏を見聴きすることができる。

今回の楽器はエレクトーンD-2B、D-700、FX-3とクラビノーバ。演奏するのは東京のベテランデモンストレータ、甲斐経子、小林順子、宮内康生の三氏である。進行役には元NHK歌のおにいさん・宮内良。宮内は番組の中で小寺久美子、幅しげみほか、たくさんのプレイヤーと共演しておりエレクトーンとは馴染みが深い。そしてゲストヴォーカルに竹田えりを迎え、ソロあり、アンサンブルあり、歌あり、とその時代を振り返る音楽史的なコンサートとなった。また、スクリーンには当時のレコードジャケットや東京オリンピック等の世相や出来事の画像が映し出され、子どもの頃、あるいは青春時代を思い出す人も多かったと思われる。

エレクトーンは電子技術の進歩とともにさまざまな機能が加えられてきた。「タッチビブラート」「オートリズム」等。例えば「セレステ」という弦楽を豊かに広げる効果が得られたため、皆こぞって弦楽曲を演奏した時代もある。楽器固有の音・機能とその時代演奏された音楽に密接な関係があるように思える。D-2B、D-700にはまだメモリー機能がない。曲の途中で音色を変えるとか曲調・編成を変えるには瞬時の操作が必要となり、今では考えられないテクニックが必要となる。またその操作を覚えていなければならない。

そんなこともありベテランデモンストレータといえども今回の演奏にあたり何日も何回もエレクトーンシティに通い練習を積み重ねることとなった。

さて、コンサートの途中は「君といつまでも」「想い出の渚」「ブルーシャトー」「伊勢佐木町ブルース」等々、流行歌を宮内・竹田が交互に歌い一大「懐メロ大会」のようになり、また手話を交え会場全員で「この広い野原いっぱい」を歌った。最後は「ビートルズメドレー」「明日に架ける橋」「サーデューク」等、洋ものポップスでコンサートを終えた。

エレクトーン50年の歴史、まだ若い楽器であるが、先に書いたようにエレクトーンの演奏はその時代を反映する。第3弾、第4弾も予定されている。ご期待いただきたい。

将来、今のSTAGEAがどう位置付けられどう語られるのか興味津々である。

エレクトーンシティ渋谷・記

(上から)写真1:D-700を演奏する小林順子。|写真2:D-2Bを巧みに操る宮内康生のレジストセットにも魅了された。|写真3:FX-3を演奏する甲斐経子。|写真4:蘇るエレクトーンモード: 60年代から懐かしいポップス、歌謡曲とたっぷり聴かせた。手話と歌で観客も参加。|写真5:司会と歌はNHKの歌のおにいさんでおなじみだった宮内良、ゲストヴォーカルの竹田えりのふたりで懐かしい歌を披露した。

2009年1月30日、31日 エレクトーンシティ渋谷