全日本電子楽器教育研究会 第4回電子オルガンの為の作品公募「公開演奏審査」

全日本電子楽器教育研究会では1986年の発足当時より、電子オルガン/エレクトーンの為に書かれた作品を蓄積すべく国内外の作曲家に作品を委嘱し、その数は60作品を超える。一方、若手作曲家の発掘も意図し作品公募も行っている。今年4回目となる公募作品は、譜面審査を経て6作品が選ばれ、本選(公開演奏審査)が行われ3作品が入選となった。

以下、審査員講評と当日演奏された作品を紹介する。

(講評より)「今回、たくさんの方がこの作品公募に応募していただきました。審査員一同たいへん喜ばしいことと思っています。入選作3作品は、シンフォニックなもの、電子音楽的なものなど、どれも素敵な楽想や効果などがあり、電子オルガンのオリジナル作品の今後の可能性を感じることができましたが、残念なことに、その楽想などが充分に定着しないうちに、別の楽想に移ってしまったり、不必要な音を重ねてしまう部分が多く見られました。それを奏者が演奏でうまくカバーしていた作品もありましたが、やはり大切なフレーズがしっかり聴かせるためにも、背景の音数や対位要素を最小限に抑えることが必要ではないでしょうか。さらに、楽譜上では作曲者の表現したいことが伝わるように、丁寧に表記することが必要です。譜面から演奏のイメージがふくらむような記譜を望みます」

入選の高木文世さんと演奏の山木亜美さん

2010年3月13日 エレクトーンシティ渋谷

第4回本選(公開演奏審査)対象作品

「新たなる光景」
杉本友樹(入選) 演奏:亀井杏菜
「BIRTH」
白岩優拓  演奏:柴田薫
「lunatique」
菊地晴夏(入選) 演奏:岩崎孝昭
「藍」
菊地友夏 
演奏:赤塚博美(El)崎本絵里菜(Ob)
「Void」
高木文世(入選) 演奏:山木亜美
「LOST in DESERT」
桑原まこ 演奏:西岡奈津子