アコーディオンとエレクトーンの絶妙なコラボレーション エレクトーンシティ渋谷uphillコンサート 倉沢大樹×桑山哲也

uphillコンサートとは、エレクトーンシティ渋谷が企画開催しているコンサートシリーズ。昨年の11月3日には、アコーディオンの桑山哲也とエレクトーンの倉沢大樹によるコラボレーション・ライブが開催された。

桑山は日本でただ一人のベルギー配列ボタン式(クロマティック)アコーディオン奏者で、アコーディオンへの愛に満ちた天才奏者だ(女優の藤田朋子のよき伴侶である)。しかも、そのトークが絶品。アコーディオンの解説やミュゼットとタンゴには違う音色セットで演奏することなどを爆笑トークにしてしまう。

対する倉沢は、「速い4ビートを弾きたい」というデビュー当初からの思いはそのまま、ジャズをベースとしながら、幅広い音楽性も同時に身につけてきた。桑山の哀愁を秘めた繊細な音楽をよく理解して、ピアノとベースといったシンプルなレジストレーションを中心にサウンドを支え、ストリングスやあえてアコーディオンの音色を使うなど仕掛けもみせる。見事に共鳴しあう素敵なコラボレーション。桑山の止まらないのトークをさりげにスルーする倉沢と、会話のコンビネーションもさすが(笑)。

1曲目の「アカプルコの月」(桑山のオリジナル)からすっかりふたりの音楽の世界に引き込まれ、お互いのソロ演奏コーナーも堪能した。オリジナル曲からショパン、音楽教室のテキスト曲と幅広いプログラム、最後のほうでは、ピアニカにも似た・アコーディナ・の演奏も聴かせ、アンコールの「シャンソン・メドレー」「リベルタンゴ」まで、サービス精神旺盛に観客を楽しませた。

文/編集部

(上から)写真2:アコーディオン演奏/桑山哲也|写真3:エレクトーン演奏/倉沢大樹

2010年11月3日 エレクトーンシティ渋谷