躍動感あふれるアイリッシュダンス タカ・ハヤシ&スパイアビーツ「Dancing Beat Vol.1」

2日間満員御礼の中、初演となる「Dancing Beat」、閉幕を迎えることができ、ご来場いただきましたお客様には心より御礼申し上げます。

ダンサーのタカ・ハヤシ&スパイアビーツは、主に企業イベントやコンベンション、ミュージカル、TV等での振付・出演等の活動を行っているアイリッシュダンスユニットです。ユニットで踊るアイリッシュダンスはステージで魅せるダンスで、主にタップダンスのように音の出る靴で踊る「ハードシューダンス」とバレエのように音の鳴らない靴で踊る「ソフトシューダンス」をステージ風にアレンジしています。

アイリッシュダンスは、とにかく、一度見たら忘れられない、エキサイティングなパーカッシブダンスとシンクロした動きが売りの一つです。

今回のDancing Beatの構想は、かねてより親交の深かったピアノ・エレクトーン奏者の佐伯真魚女史と、「一度ライブをしたいね」という話から始まりました。だんだんと話が膨らみ、バンド編成で、モダンなものをやろうということになり、最終的にはエレクトーン、フィドル大久保真奈女史、パーカッション細谷一郎氏、エレキベース河本奏輔氏の構成となりましたが、普段アイリッシュ音楽を演奏している大久保女史を除き、メンバーはすべて他ジャンルの演奏家という集団になり、既存のアイリッシュ音楽という固定概念にとらわれずに進めることができたと思います。結果として、様々なアイデアが生まれ、特に演奏されている方々にはご理解いただけると思うのですが、とても4人で演奏しているとは思えない音色の豊かさ、またデジタルとアナログの融合による音の広がりを得ることができました。

これは演奏者の力量、そしてエレクトーンと電子ドラムパッドという機材なくしてはあり得ませんでした。電子楽器というとどうも単調に思われがちですが、演奏者のアレンジ、音色の選択やタッチによって奏でられるサウンドは全く異なります。

トラッドからモダンへというコンセプトは音楽同様、照明も以前より舞台でお世話になっている馬場祐紀氏に、ロックな照明にしてもらい、さながらロックバンドのようなシチュエーションの中、ダンスもほぼ2曲に一度出演と激しく、感覚としては出ずっぱりで、途中休憩もMCもない演奏、ダンスだけのショーは、1公演終わるともう完全燃焼し尽くす公演でした。

プログラムは、アイリッシュダンスショー、『リバーダンス』及び『ロード・オブ・ザ・ダンス』の中からの楽曲を中心に、カナダのトラッドバンド・リーヒ(Leahy)の「Leviathan」、イギリスの多国籍バンドアフロ・ケルツ(Afrocelts)の「Nor th2」、また親交の深い坂本サトル氏に書き下ろしてもらったオリジナル楽曲「LifeGoes On」など、アンコール含め16曲。まずは初回ということやキャスティングから公演までの時間も非常に短く、カバー中心の構成となりましたが、回を重ねて行くうちに、ダンサー・演奏者自身の個性を活かし少しずつDancing Beatらしいオリジナリティを出していくことができたら良いなと思っています。

アイリッシュダンサー・振付師/タカ・ハヤシ

(上から)写真1:タカ・ハヤシ|写真3:エレクトーン演奏/佐伯真魚

2012年3月10日・11日 エレクトーンシティ渋谷