きらめく楽曲の数々 魅惑のサマーコンサート ギター荘村清志&エレクトーン曽根裕子

エレクトーン奏者・曽根裕子さんと、クラシックギターの荘村清志さんがデュオを組んで、毎年ジョイントリサイタルを続けておりますが、今年でも年を迎えました。

昨年7月に、渋谷区の主催する東日本震災復興支援のチャリティコンサートに全面的に協力されたことから、今年も同じ会場の「さくらホール」で、初夏の土曜日の午後、盛況裡に開かれました。

お二人の演奏はジャンルの幅が広く、クラシック、ジャズ、ラテン、タンゴ、日本の曲など、よく知られた名曲の数々でプログラムが構成されているのが人気のもとだと思います。

曽根さんはNHKの仕事が多かったため、エレクトーンを「電子オルガン」と呼ぶことが多かったのですが、難しい音作りの結晶として生まれた音色を、編成の大きなオーケストラのイメージから、恩師・斎藤英美先生の発案で「シンフォニック・キイボード」と呼ばれることもたびたびありました。その場合でも、プログラムなどに使用楽器(エレクトーン)の名称と型式を必ず付記するなどの配慮は欠かさなかったのも、担当プロデューサーが演奏者同様に無類のエレクトーン信奉者だったからです。

当日の主な演奏曲目は次のとおりです。

クラシックより、G線上のアリア(J.S.バッハ)、ヘブライの祝典曲より(ハヴァナギラ)、モーツァルトの「魔笛」の主題による変奏曲(ソル)、アランフェス協奏曲(ロドリーゴ)、アルハンブラの思い出(タルレガ)、歌の翼に(メンデルスゾーン)、エストレリータ(ポンセ)、リベルタンゴ(ピアソラ)、チャルダッシュ(モンティ)。タンゴではラ・クンパルシータ、小雨降る径(みち)。ラテンアメリカンナンバーのセレソローサ、マリア・エレーナ。その他、愛のロマンス(映画『禁じられた遊び』より)、ムーンライト・セレナーデ(グレン・ミラー)、キャラバン、日本民謡「津軽じょんがら節」などなどでした。

列挙された曲目で見ますと、中高年の客層が多いと思われがちですが、この日の公演には曽根さんの後輩の実践女子学園中学・高等学校の多くの生徒さんたちが保護者の皆さんや引率の先生方に伴われて来場して、音楽の持つ情操教育の効果も上がったといわれます。

今回も、収益の一部が東日本大震災復興の支援のために寄付されました。

渋谷フィルハーモニック・ソサエティ代表理事/中馬誠二

2012年7月7日 渋谷区文化総合センター大和田「さくらホール」