ヴァイオリンとエレクトーンの共演 東日本大震災チャリティコンサート 千の音色でつなぐ絆 コンサート in 神奈川

家の床柱や梁として使われていた、震災により瓦礫となった木材をヴァイオリンドクターの中澤宗幸氏がヴァイオリンとして蘇らせ、千人のヴァイオリニストがリレーのようにその楽器を受け継ぎながら、千の音色を奏で復興への思いを繋げていく。東日本大震災チャリティコンサート~“千の音色でつなぐ絆”コンサート in 神奈川が行われました。コンサートの後半には、2012年度横浜文化賞受賞者で洗足学園音楽大学教授の水野佐知香先生と電子オルガン(赤塚博美)の共演。「シャコンヌ」「タイスの瞑想曲」など、ヴァイオリンの名曲を披露しました。

本番当日に初めてヴァイオリンを手にするという状況の中での演奏でした。まだ弾き込まれていない楽器のために、奏者の動きに楽器が反応しきれないのではという心配がありましたが、水野先生は一瞬にして楽器の特徴を理解し、自由自在に操り、本番は緊張感もありつつ、皆を包み込むようなダイナミックな演奏を聴かせてくださいました。エレクトーンは、その良きパートナーとして、絶妙なバランスを保ちながら、共に音楽を創り上げていきました。まるで会話をしているような演奏に、とても興奮を覚えました。客席も一音も聴き逃すまいという緊張感がありましたが、演奏が進むにつれて、いつのまにか演奏に引き込まれて、表情が変わっていくのが、ステージからでも感じることができました。その後、混声合唱団SENZOKUによる“ふるさとの四季”では、エレクトーンの持つ多彩な音色を使い、まるで情景が浮かんでくるような色彩のある音楽の世界を披露しました。満員の観客の皆さん、共演者の方々と共に、東北の復興への思いを胸に、コンサートを終えました。

好評を得たこの演奏は、12月9日(月)洗足学園音楽大学内シルバーマウンテンに於いて再演されることになりました。今回の演奏曲はもちろんのこと、魅力満載のプログラムになっています。どうぞご来場いただければと思います。

洗足学園音楽大学教授/赤塚博美

エレクトーン演奏/赤塚博美

2013年5月7日 ミューザ川崎シンフォニーホール