演奏活動65周年の秋満義孝に、ブラボー! Ai Music Gallery Part 44 Three Tastes Concert “The Eternal Scene”

北の地にも桜の便りが届くようになった春うららかな4月13日、新橋ヤクルトホールでエレクトーン奏者の仁科愛さんが主宰する、アイ・ミュージック・ギャラリーの44回目のコンサートが開かれた。今回のテーマは、秋満義孝(Pf.)、仁科愛(Elect.)、白石啓太(Perc.)のアンサンブル、“スリー・テイスト”を中心に「秋満義孝 演奏活動65周年」と題し、秋満義孝氏のプロになってから65年間という歴史を振り返るようなコンサートであった。スペシャルゲストに、今陽子(Vo.)、細川綾子(Vo.)、鈴木治彦、ゲストに鈴木直樹、石島大輔、鈴木圭(Sax)、稲垣貴庸(Dr.)、ジャンボ小野(Bass)、佐久間和(Gt.)、山瀬哲郎、神崎圭伊子、白石響(Perc.)という豪華な顔ぶれで、1部は秋満氏が初めて音楽監督を務めた、リズム・エースを思わせるクインテットで始まり、TBSの朝の情報番組「奥様8時半です」で十数年間ご一緒した鈴木治彦との軽妙で楽しいトーク、続いては仁科愛との出逢うきっかけともなったスクリーンミュージック。秋満氏はこの日も「仁科さんとエレクトーンに出逢わなかったら、今回のような美しい音楽はできなかったでしょう」と語っていた。

2部は、秋満氏がスウィングジャズと共にお得意なラテンで始まり、後半はフルメンバーで「All Of Me」などで締めくくった。と思ったのだが、圧巻がここからであった。アイ・ミュージック・ギャラリーコンサートは、白石のポリシーでアンコールは1曲の筈なのだが、今回は「Sing Sing Sing,」「We'll Meet Again」、十八番の「To Love Again」、最後に秋満、仁科のデュオによる、チャップリンの名作『ライムライト』のテーマ、「Eternally」で3時間弱のコンサートの幕を閉じた。3時間弱と書いたが、感覚的にはその半分の1時間半くらいの長さにしか感じない、飽きのこない構成で、一人ひとりが素晴らしい感性、テクニックで音楽を聴かせてくれたコンサートであった。最後になるが、65年間にわたり、そしてこれからも素敵な音を紡いでいくであろう、秋満義孝に「ブラボー!!」

桂翔

エレクトーン演奏/仁科 愛

2014年4月13日 ヤクルトホール