ハンドフルートとピアノとエレクトーンと… CHILDHOOD x さいとうりょう 三人十色カラフルコンサート

最近テレビ出演も多い、ハンドフルート(手笛)・森光弘とピアノ・臼田圭介のデュオCHILDHOODに出会ったのは9年前の墨田区主催のコンサートだった。心に響くハンドフルートの音色、そして華やかなアレンジで絡むピアノ。なんて素敵なんだろうかと、すっかり彼らのファンにとなった私は、その足で猛アタックをし、彼らのメジャーデビューではバックバンドの一員として参加するなど何度か共演を果たしたが、今回は3人のジョイトンコンサートである。

3人での演奏は、迫力あるオーケストラサウンドで映画音楽等を。森と私のデュオではスペインを、エレクトーン愛を語る森が「かっこいい! 」と称賛するリズムばっちりブラスサウンドがっつりのスタイルで。ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番では、臼田のピアノに、オーケストラすべてを担うエレクトーンが指揮者なしでの演奏に挑む。私は、ピアノ曲をオーケストレーションした前奏曲「鐘」や、オペラ曲等のソロを演奏。途中、森からのレクチャーで、お客さん全員がハンドフルートに挑戦する場面も。

CHILDHOODの魅力はオリジナル曲の良さ。東日本大震災の後、この先の未来が希望あるものになることを願い作曲された「道の先に」をオーケストラらしく迫力あるサウンドで。そして、あえてストリングスだけのシンプルなヴォイシングで「ふるさと」を演奏し、プログラムを終えた。

アンコールでは、臼田がピアノでタンゴのリズムを刻み始めると、上手から鍵盤ハーモニカで森が「ラ・クンパルシータ」を演奏しながら登場。続いて下手から私が同じく鍵盤ハーモニカで登場し、少し笑いが起きる中、ピアノの臼田が隠していた鍵盤ハーモニカを持って颯爽と中央に出てメロディーを! 会場は笑いに包まれた。

バラエティに富んだジャンルに、それぞれが主役の場があり、コンサート名通り「三人十色カラフルコンサート」となったのではないだろうか。Vol.2を期待し、彼らのさらなる活躍を応援したい。(敬称略)

エレクトーン演奏家/さいとうりょう

臼田圭介(P)、森 光弘(HF)、さいとうりょう(EL)

2015年1月25日 エレクトーンシティ渋谷