「エレクトーンができること」を追求 Electonism(エレクトーニズム) 第1回公演〈バレエ音楽〉

「エレクトーンの魅力を多くの人に伝えたい」という思いのもと、国立音楽大学電子オルガン科20期生9人で立ち上げたプロジェクト『Electonism (エレクトーニズム)』。記念すべき第一回公演は〈バレエ音楽〉と銘打ち、エレクトーン2台の華やかなアンサンブルをお送りしました。

チャイコフスキーの『くるみ割り人形』やプロコフィエフの『ロメオとジュリエット』、ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」などバレエの名曲ばかりを集めた濃厚なプログラム。クラシックファンでなくとも一度は耳にしたことがあるものをメインに選びました。今回の出演者たちはクラシック音楽を得意としており、原曲の再現はもちろん、それをエレクトーンで美しく鳴らすための工夫が凝らされていました。本格的なサウンドやアレンジにそれぞれの本領が発揮されたのではないかと思います。

中でも反響が大きかったのは公演ラストを飾った「ボレロ」。曲が進むにつれステージに一人、また一人と演奏者が現れ、最後には出演者全員が揃い6台のエレクトーンを演奏する、という一風変わった演出。徐々に楽器が増えてゆく原曲のオーケストレーションを視覚的にも表現する試みでした。照明の魅力も相まって緊張感のあるフィナーレで幕を閉じることができました。

9人での合わせは当日のみ。慣れない大人数でのアンサンブルでおのおのが感覚を掴むのに苦労しましたが、本番でこの「ボレロ」を弾きながら全員が「音楽を楽しむ気持ち」を共有できたことがとても嬉しく、それをお客様にも伝えられていたら、と思います。

まだまだ始まったばかりの『Electonism』。今後はジャンルにかかわらず、他楽器との共演、映像、身体表現とのコラボレーションなど枠組みに囚われない活動を考えております。「エレクトーンができること」を追求し、より多くの方に楽しんでいただけるような魅力たっぷりの公演を目指してゆきます。ご期待ください。

代表/伊﨑奈那

2015年4月17日 エレクトーンシティ渋谷