生の音楽によるクラシックバレエにこだわって… ASSA創立40周年記念 日韓文化交流 久留米市民会館閉館「おもひで公演」 アサ バレエ アカデミア公演 パストラルコミックバレエ「リゼット」全3幕

アサ バレエ アカデミアは1975年福岡県久留米市に創立。幼児からプロの舞踏家まで幅広い指導をしております。これまで谷桃子バレエ団や劇団四季などに多くのプロを輩出してきました。

私たち九州の中都市久留米でも何とか「生の音楽の中でグランドバレエができないものか」の夢を持ち続け、1987年からオーケストラによるグランドバレエの公演を続けていた時、エレクトーンによるオペラ『カルメン』の演奏を聴く機会がありました。〈これなら…〉と、今まで電子オルガンの特徴とされてきた内容から、クラシックバレエを踊ることはできないといわれ、そう思ってきたことへの疑問がむくむくと胸を騒がせました。そして、指揮者の磯部省吾氏とエレクトーン奏者の久米詔子氏に相談したのがきっかけで、エレクトーンが2人、打楽器が2人、4人編成のハイブリッドオーケストラとも言える《プリズム・グラン・アンサンブル》が誕生。2009年初バレエ公演『ジゼル』全2幕の運びとなりました。この公演で、素晴らしい編曲と演奏であれば、小編成でもクラシックバレエの演奏が可能であることが実証されました。この成功は、演奏者と舞踊手が一緒にお稽古をするリハーサルタイムを大幅に増やすことを可能にし、お互いにカルチャーショックを感じながら、感動をともにしてホットな舞台創りを生み出しました。そして、それは素晴らしい拍手に埋まった感動の舞台となりました。

その後、2011年『ASSA Ballet Box 4th公演』、2013年『コッペリア』全3幕、2015年『リゼット』全3幕と、私たちは生の音楽によるクラシックバレエの“こだわり公演”を続けることができました。地方に在っては「育てれば巣立つ」という宿命を背負っていますが、演奏者とのスケジュール調整によって同郷同門の舞踊家が集うことも可能になりました。今後、地方発信の方向性も見えてきそうです。

ASSA バレエ アカデミア代表/齊藤 彰

(上から)写真1:エレクトーン演奏/久米詔子、柳享子 Photo/飯田耕治

2015年7月12日 久留米市民会館大ホール