エレクトーンも参加し生のオーケストラ演奏で贈る大迫力シャドウファンタジー! 劇団かかし座 オズの魔法使いwithオーケストラ

『オズの魔法使い with オーケストラ』は、昨年7月29日の宮城を皮切りに、長野、新潟、鹿児島、埼玉と公演を重ね、1月22日の岡山をもって計6県7会場での全公演が終了いたしました。

本作品は劇団かかし座の影絵劇『オズの魔法使い』がベースになっています。通常の公演では劇中音楽は打ち込み音源を再生しているのですが、このたび文化庁の助成を得て、作曲者・石川洋光氏による指揮のもと、ヴァイオリン、チェロ、フルート、オーボエ、トランペット、トロンボーン、ギター、ドラム、そしてエレクトーンの総勢15名からなる特別編成のオーケストラによる生演奏で行うことになりました。元々打ち込み音源だった曲を限られた楽器編成で演奏するにあたり、エレクトーンの多彩な音色と表現力は大変重要な役割を果たしました。

新型コロナウイルスの蔓延は収まらず、どの会場公演も実施が危ぶまれましたが、無事すべて終えました。どの公演も盛況で、来場者にとったアンケートからも大変高い評価と熱いご感想をいただきました。特に来場理由として「生演奏の公演だから」という意見は圧倒的でした。コロナ禍だからこそ一層、生で聴ける音楽に期待し、その魅力とすばらしさを再認識する公演になった気がします。(山下)

作曲・指揮の石川洋光先生から「かかし座」とのお話をいただいたときは懐かしさとうれしさが込み上げました。というのも、私が小学校時代に芸術鑑賞で観た影絵の劇団であり、当時の感動が色濃く残っていたからです。

オケピットでの演奏だったので、リハーサル時に断片的にしか観ることができなかったけれど、俳優陣それぞれの手を使った影絵の技術が極上であることはさることながら、遠近法を利用した大型影絵の仕掛けや、影で動いていたキャラクターが可動式のスクリーンを利用して瞬時に表に出てくるなど、度肝を抜く仕掛けや技術のオンパレードで、舞台上はさながら大きな飛び出す絵本のよう。

影絵がモノクロの世界は一昔前。今は色彩豊かで表現の幅の広さに心を鷲づかみにされ、このファンタジーの世界に生の演奏が乗っかり、感動でゾクゾク! 「客席から観たい」と何度思ったことか。すっかり「かかし座」の虜になってしまった私。今回オケピで共にし、たくさんの刺激をくれたオーケストラ「ぴとれ座」の選抜メンバー、ギター成尾憲治・定塚洋平、ドラム今井義頼と演奏した半年間を終えた充実感はあれど、心のどこかにぽっかり穴が空き、すでに“オズの魔法使いロス"になっています。(さいとう)

著・かかし座 企画営業部/山下義文、エレクトーン奏者/さいとうりょう

エレクトーン演奏/さいとうりょう

2021年7月29日〜2022年1月22日 「影絵劇フェスティバル」全国縦断公演