AG08 Controller
バージョン2.0では、以下の新機能が追加されました
- モニター音とストリーミング音の音量バランスを調整する「モニターミックス」
- CH1/2の「GATE」エフェクトで、バックグランドノイズを簡単に低減することができます
- CH1/2の「COMP」用の新しいコンプ・タイプとして「Compander」が追加されました
バージョン1.5では下記のアップデートが追加されました
- チャンネル1・2へ特定のマイク用プリセットが追加されました
- チャンネル1・2へ「ステレオペア」モードが追加されました
- ボイスチェンジャーの処理が最適化されました
- 映像とのリップシンクへ活用できるディレイ補正がストリーミング出力に追加されました
- ダッカー機能へより自然に調整可能な「アタック」パラメーターが追加されました
- iPadOSでの使いやすさ向上へ数値によるパラメーター入力が追加されました
- その他、軽微な改善が行われました
"Simple"モードと "Detail"モード
直感的なSimple(シンプル)モード、または詳細な調整ができるDetail(ディテール)モードを選択できます。Detailモードでは各パラメーターを自由に設定することが可能です。
Simple(シンプル)モード
Detail(ディテール)モード

AG08コントローラーのチャンネル1と2には、用途に合わせたセッティングを持つプリセットが用意されています。プリセットを選択すると、COMP/EQ、VOICE CHANGER/AMP SIM、FX 等の設定を用途に応じた推奨パラメーターへ変更できます。
注意:AG08コントローラー上のプリセットには上書きできませんが、設定はAG08本体に記録されます。
ご要望の多かったSHURE SM7B/SM7dBマイクへ最適化した「Speech 7B/7dBプリセット」を追加しました。
チャンネル1/2へSTEREO PAIRモードが追加(AG08コントローラー バージョン1.5以降)
AG08コントローラー バージョン1.5では、チャンネル1と2に"STEREO PAIR"モードが追加されました。セッティング画面の"STEREO PAIR"メニューでオン/オフを切り替えることができます。このモードをオンにすると、チャンネル1と2が以下のようにステレオリンクされ、設定が容易になります。このモードはステレオマイクを使用した楽器演奏やASMR動画の録音やストリーミングに最適です。
- チャンネル1と2は左右にパンされ、L/Rステレオチャンネルとなります。
- 左右チャンネルのCOMP、EQ、FXパラメーターは連動しています。(各パラメーターはCH1画面で編集可能)
- ハードウェアのCOMP、EQ、FX、MUTEボタンが連動します。
注意:SIMPLEモードの場合、STEREO PAIRモードは使用できません。またDetailからSIMPLEモードに切り替えると、STEREO PAIRモードは自動的にオフになります。STEREO PAIRモードでは、VOICE CHANGERとAMP SIMは使用できません。
MONITOR MIX モニターミックス
「MONITOR MIX」は、モニター音の音量バランスを調整したり、入力音声ソース毎のミュート [ON/OFF] や [PRE/POST] を設定することができます。モニターバランスは「MONITOR1」と「MONITOR2」それぞれで個別に設定でき、ストリーミング音声には影響しません。
*STEREO PAIRを有効にすると、CH1とCH2のレベル、ミュートのオン/オフ、[PRE/POST] の設定が連動します。
本体フェーダー操作で作成した配信用バランスを基準にしつつ、本体フェーダーの影響下にあるモニターミックスを用意したい場合は、「POST×ALL NOMINAL」をご利用ください。この設定では、NOMINAL=本体フェーダーバランスとなり、配信用バランスから各音声を増減する形でモニターミックスを調整できます。後から本体フェーダーを操作した際はモニター音量も一緒に変わります。
本体フェーダー操作で作成した配信用バランスを基準にしつつ、本体フェーダー操作とは独立したモニターミックスを用意したい場合は、「PRE×DUP.MIX」の利用をお勧めします。用意したモニターミックスは後からの本体フェーダー操作に影響されないため、配信先には乗せない自身だけが聞きたいアラームやキュー出しの音、ボイスチャット音などが存在する場合に便利です。
- ALL NOMINAL:現在開いているモニターミックスのバランスをノミナル値に戻します。
- DUP.MIX:現在開いているモニターミックスの音量バランスを本体フェーダーのバランスに設定します。
- PRE:本体ボリュームフェーダー調整前の信号をモニターに送ります。
- POST:本体ボリュームフェーダー調整後の信号をモニターに送ります。
*いずれの場合も、各チャンネルのDSPエフェクトによる処理がされた後の信号になります。
GATE

スレッショルドレベル(THRESHOLD)より小さい信号が入力された場合、出力を一定の値(RANGE)で小さくします。
ゲートを使用することで、周囲の環境雑音などの不快な音を低減し、より快適な音声を届けることが可能です。音声にゲートを使用する場合は、人が話している間は音に影響がなく、話し始めや話し終わりにゲートの開閉が気にならないように設定するのが理想的です。
- THRESHOLD (dB):ゲートの効果がかかる境界のレベルです。
- RANGE (dB):ゲートの効果がかかっているときの減衰量です。
- ATTACK (ms):入力信号がTHRESHOLDを超えてから、ゲートが開くまでの時間です。
- HOLD (ms):入力信号がTHRESHOLDを下回った後にゲートが閉じ始めるまでの待ち時間です。
- DECAY (ms):入力信号がHOLDの待ち時間を経たあと、ゲートが閉じるまでの時間です。
COMP (Compressor)

スレッショルドレベル(THRESHOLD)より大きい信号が入力された場合、一定の比率(RATIO)で出力レベルを小さくします。また、RATIOが∞:1のときはスレッショルドレベル以上の信号が出力されるのを防ぐので、リミッタ-とも呼ばれます。これらの機能を使うことで、大きい音と小さい音の差が小さく全体のバランスが良くなり聞き取りやすくなります。AG08のCOMPに搭載されている [Auto Makeup] を利用することで理想的なゲインコントロールが簡単に行えます。
- THRESHOLD (dB):コンプレッサーの効果がかかる境界のレベルです。
- RATIOコンプレッサーの効果の量を示します。
- ATTACK (ms):入力信号がTHRESHOLDを超えてから、コンプレッサーの効果が最大に達するまでの時間です。
- RELEASE (ms):入力信号がTHESHOLD以下に下がった後、コンプレッサーの効果がなくなるまでの時間です。
- GAIN (dB):出力レベルを調整します。
- KNEE:スレッショルドレベルでの折れ曲がりの鋭さです。値が増えるほど緩やかになります。
COMP (Compander)

COMPセクションのCOMPタイプから選択できるハードとソフトのコンパンダーは、コンプレッサー、エキスパンダー、リミッターを組み合わせた効果を得られます。音を拡張・圧縮し、バックグラウンドノイズなどの不要な音を減らして音質を向上させます。特に、感度の低いマイクを使用しているときに機器側でゲインを上げた場合など、S/N比が悪化しやすい状況に有効です。
以下の3つの境界レベルがあります。
1. 0 dB以上:リミッタ-として動作します。
2. THRESHOLD以上:コンプレッサーとして動作します。
3. THRESHOLD+WIDTH以下:エキスパンダーとして動作します。
[COMPANDER H (ハード) / COMPANDER S (ソフト)]
COMPANDER H (ハード) ではエキスパンダーのRATIOが5:1、COMPANDER S (ソフト) ではエキスパンダーのRATIOが1.5:1に固定されています。WIDTHを最大に設定すると、エキスパンダーの効果がなくなります。
* RATIO、THRESHOLDの値に応じてゲインが自動的に調整され、最大18 dB上がります。
* GAINを調節して、自動的に上がったゲインを下げることもできます。
- THRESHOLD (dB):コンプレッサーの効果がかかる境界のレベルです。
- RATIO:コンプレッサーの効果の量を示します。
- ATTACK (ms):入力信号が3つの各境界レベルを超えたとき、設定レベルに到達するまでの時間です。
- RELEASE (ms):入力信号が3つの各境界レベルを下回ったとき、設定レベルに到達するまでの時間です。
- GAIN (dB):出力レベルを調整します。
- WIDTH (dB):コンプレッサーの効果の境界レベル(THRESHOLD)と、エキスパンダーの効果の境界レベルの幅です。THRESHOLD+WIDTH以下のレベルにエキスパンダーの効果がかかります。
EQ (Parametric Equalizer) パラメトリック イコライザー

イコライザーは特定の周波数域を増幅/減衰することにより音質を調整するエフェクトです。不要なノイズ成分の混入を軽減し、自身の声を聞き取りやすくすることができます。AG08 ControllerではHPF(ハイパスフィルター)と4つのポイント(4バンド)ごとに調整できます。
VC (VOICE CHANGER) ボイス チェンジャー - CH1
ボイスチェンジャーは、様々な性別の声やロボットボイスなどへ変化させるユニークなエフェクトです。「Dual Pitch」「Radio Voice」「Tremolo」「Pitch Fix」の4種類のエフェクトを組み合わせることで、多彩な声を作ることができます。
バージョン1.5では、ささやき声や呼吸音など音量の小さい音も含め、ボイスチェンジ処理がよりスムーズになるように改良されました。
AMP SIM (Amp Simulator) アンプシミュレーター - CH2

AG08のCH2に搭載されたギターアンプシミュレーターは、モデリングテクノロジーを駆使し倍音の豊かなハイゲインチューブアンプをエミュレート。音抜けのよいリードや、シャープなバッキングに合った音づくりができます。
FX (REVREB, DELAY) リバーブ、ディレイ

リバーブは、大きなホールから小さな部屋まで、さまざまな大きさの演奏空間での音の奥行きと幅を再現する効果です。
ディレイは、山びこのようなサウンドを作り出すエフェクトで、オリジナルのオーディオの後に遅れたオーディオが聞える効果です。歌のパフォーマンスには有効なエフェクトです。
この2つを組み合わせることで、よりリアルな空間の広がりや残響効果を使用できます。
Version1.5以降では、チャンネル1、2のFX SENDレベルをFX TYPE(REVERB/DELAY/DLY→REV)ごとに個別に設定できるようになりました。これにより、タイプごとに最適な設定を行うことができます。
Ducker ダッカー

CH1、2から入力された音声に対して、CH3/4、5/6、7/8の音声を自動的に下げる「ダッカー機能」を搭載し、マイクでトークをしている間でBGMを自動で下げたい場合に使用します。タイミングやBGMが下がったときの音量など細かな設定が可能です。
Maximizer マキシマイザー

マキシマイザーは配信する音声の最終段にかけることが出来るエフェクトです。音割れを防ぎながら音圧の調整を行い、リスナーへ聴きやすい音声を提供することが可能です。
AG08のマキシマイザーは3バンドコンプレッサーの形式をとっており、帯域ごとに設定が可能です。全体の音量を均一化しつつ、各帯域のバランスを強力に補正します。
ストリーミング出力へのリップシンク用ディレイ(AG08コントローラー バージョン1.5以降)

ストリーミング出力へディレイ補正機能が追加されました。設定画面のOUTPUTメニューにて設定を変更できます。映像に遅延がある場合、この機能を使って音声に遅延を加えることでリップシンク(音声と映像のずれをなくす)させることができます。
Sound Pad サウンドパッド
AG08に搭載された6つのサウンドパッドは、ライブ配信時にジングルや効果音を再生することができます。
AG08 Controller では、各パッドへのサウンドの読み込みや音量・再生ポイント・、再生方法(ONE SHOT/HOLD/LOOP)の設定が可能です。
* 読み込み可能なオーディオ形式はwav、flac、mp3です。
* 各パッドにはトリミングした最大5秒の16ビット48 kHzモノラルのリニアPCMデータで保存されます。
* AG08本体のRECボタンで指定パッドへの直接録音も可能です(最大5秒)
ファームウェア / ソフトウェア
*AG08 Controller for iPadOS
*Yamaha Steinberg USB Driver
Windows / Macの場合、AG08を正しく認識し、マルチチャンネル音声転送機能を使用するには、コンピュータにUSBドライバをインストールする必要があります。
* 2024/8現在 Qualcomm社 Snapdragon X シリーズ搭載の「Copilot+ PC」Arm版 Windows環境にYamaha Steinberg USB Driverは対応していません。