正しい設置方法

どんなに優れたモニタースピーカーを使用しても正しいセッティングができていないと、特定の帯域が強調されてしまったり、定位がぼやけてしまったり、本来の性能を発揮できない場合があります。ここではいくつかのポイントに分けてモニタースピーカーの正しい設置方法を解説します。

場所

一般的な部屋の形は長方形が多いため、長方形を例に解説します。

長方形の部屋にモニタースピーカーを設置する場合は、部屋の長辺ではなく短辺の壁に設置します。

これによってモニタースピーカー正面の壁が遠くなるため、音の反射を軽減できます。

部屋の音が響きすぎるとスピーカー本来の音である直接音に対して影響(音の輪郭や周波数の変化など)が大きいため、部屋の長辺を活かした設置を心がけましょう。

短辺の壁に設置ができない場合や音の反射が気になる場合は、音の響きを調整する調音パネルや吸音材の導入をおすすめします。

壁やコーナーとの距離

モニタースピーカーは壁やコーナーからできるだけ離れた場所に設置します。

HSシリーズのようにバスレフポートが背面にあるモニタースピーカーでは壁やコーナーから1.5m以上離れた場所に設置するのが理想的です。壁や部屋のコーナーに近づけば近づくほど、壁からの音の反射によってスピーカーの低音が強調されやすくなりますので、壁やコーナーからできるだけ離れた場所に設置しましょう。壁からの距離を確保できない場合は、調音パネルや吸音材の導入をおすすめします。

ポイント

HSシリーズにはROOM CONTROL機能があります。ROOM CONTROLスイッチを使って、スピーカーの低音が強調されるのを補正してください。壁に近づくにつれて、ROOM CONTROLスイッチを[0] → [-2] → [-4]にすると、自然な低音になります。

高さ

ツイーターと自分の耳が並ぶ高さにモニタースピーカーを設置してください。高さを合わせることでより正確なモニタリングができるようになります。

高さの調整にはスピーカースタンドの使用をおすすめしますが、スペースとの兼ね合いで机に置く場合は共振を抑えられる構造の卓上スタンドやブロックなどで高さを調整しましょう。また、モニタースピーカー本体を上向きに傾けて設置するという方法もあります。

左右対称

左右対称の位置にモニタースピーカーを配置することをおすすめします。モニタースピーカーから壁までの距離を左右同一にしてください。左右の設置条件を合わせることでステレオ感が向上し、作業がやりやすくなります。

ただし、部屋の窓や扉、家具などすべてのものを左右対称にすることは難しいため、まずはモニタースピーカーを左右対称に設置し、音を確認しながら調整しましょう。

リスニングポイント

モニタースピーカー2台と自分の位置(リスニングポイント)の3点で正三角形を作るように配置します。また、モニタースピーカーの前面が自分に向くよう角度を調整してください。少しのズレでも定位や音の印象が変わってしまうため、メジャーなどを使用し精確に設置しましょう。精確に設置ができると音の焦点が合い、鮮明に聴こえるポイントがあります。これがリスニングポイント(スイートスポット)です。

ポイント

自分の位置よりも少し後ろ(後頭部あたり)にリスニングポイントを設定すると、音の焦点が合いやすく自然なステレオ感を得られます。

効果的なオプション

スピーカースタンド / インシュレーター

モニタースピーカーの高さを調整するにはスピーカースタンドをおすすめします。形状や材質、床置きや卓上タイプなど様々な種類がありますので、部屋の環境などに合わせて選択しましょう。また、スピーカースタンドを使用することで床や机との共振を軽減し、不要なノイズを除去できるため、クリアでより正確なモニタリングを可能にします。共振を軽減させる効果としてはインシュレーターも有効です。こちらも形状や材質など種類がありますので、併せて検討してみましょう。

調音パネル / 吸音材

部屋の音が響きすぎていたり、平行な向かい合う壁や天井と床で特定の周波数帯域が強調されてしまうことでうねったような音が発生するフラッターエコーや、低い周波数帯域の音が響いてしまうブーミングといった音響障害が発生している場合には、調音パネルをおすすめします。一台で吸音効果と拡散効果を兼ね備えたパネルもあり、部屋の響きをコントロールして快適な作業空間を実現できます。

設置場所はモニタースピーカー背面と正面の壁、左右の壁が基本ですが、部屋ごとに状況が異なるため、音を確認しながら調整しましょう。

また、吸音効果だけであれば吸音材も有効です。ただし、吸音材を過剰に使用すると無響室のような響きのない空間になり、楽曲制作やミキシング作業に悪影響を及ぼす場合がありますので注意しましょう。

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