How To Mix Live Music
新しいトレーニングシリーズ「ライブミュージックのミキシングテクニック」へようこそ。ここでは、アナログ/デジタルのミキシングコンソールを最大限に活かすさまざまなテクニックや、ミュージシャンやオーディエンス、そしてもちろん、サウンドエンジニアである皆さんを満足させる音づくりについて説明します。
第1回:はじめに
まず、ミキシングコンソールの各機能の使い方や、普段のミキシング作業に応用する方法について学びます。ここでは、多くのヒントやコツ、アドバイスや経験をお伝えします。今、自分がしていることの意味が分かれば、ライブミュージックのミキシングはずっと楽しくクリエイティブな作業になるはずです。
第2回:ミキサーの選び方
皆さんの作業に適したミキシングコンソールの選び方や、仕事で使うべきツール、アクセサリーについてお話しします。
第3回:接続
ミキシングコンソールと他の機器(マイク、アンプ、スピーカーなど)との接続について解説します。電源を入れる前に、接続をすべて完了させておきましょう。
接続する前に、まずは計画を立てましょう!
第4回:マイク
ミキシングデスクを使い始める前に、マイクについてお話しします。適切なマイクの選び方や、よく使われる楽器に適したマイクの配置について学びましょう。
第5回:入力
前回はマイクを選んで、ステージ上の楽器の近くに設置しました。次はステージ上の音をミキサーに送り、各入力に最適なセッティングをしましょう。
第6回:ゲイン
今回はとても重要なトピックについて学びます。ベテランのプロフェッショナルでも時々間違えてしまうこと、それは「ゲイン調整」です。いつもクリーンでブレのないミキシングをする上で、ゲインの理解は欠かせません。
第7回:HPF
小さいながらも大活躍する、ハイパスフィルター(HPF)について見ていきましょう。そもそも、ハイパスフィルターとは何でしょうか。ハイパスフィルターはライブミキシングコンソール上で最も便利なツールの一つで、高周波のみを残して不要な低周波をカットしてくれます。
第8回:EQ
一般的なアナログ/デジタルのライブミキシングコンソールに備わっているEQの種類について紹介します。すべてのコントロールを安全に操作する方法について、理解を深めましょう。
第9回:EQ(出力編)
今回は出力側、つまりオーディエンスやステージ上のパフォーマーに向けたスピーカー出力のイコライジングについて学びましょう。はじめに正しく出力側を調整しておけば、すべての入力チャンネルのイコライジングがより容易になります。出力側の調整に時間をかけて、後の入力側の調整を効率良くできるようにしておきましょう。
第10回:EQ(ドラム編)
今回はバス、スネア、ハット、タムやオーバーヘッドマイク など、ドラム周りのイコライジングに焦点を当てます。ドラムはバンドの中でも音量が大きく、狭い帯域幅に音が集中する楽器です。それぞれのマイクに適した取り扱いが必要です。
第11回:EQ(エレキベース/ギター/キーボード編)
ドラムサウンドを最適にした後は、ロックバンドやポップバンドのサウンドの要であるエレキベースやギター、キーボードについて見ていきましょう。
第12回:EQ(アコースティック楽器編)
今回はギターやバイオリン、金管楽器などのアコーステック楽器にEQを適用します。アコースティック楽器は非常に繊細なため、フィードバックを避けるためには注意を払う必要があります。ボディが空洞で、内蔵ピックアップで音を拾うエレクトリックアコーステックギターの場合も、ステージモニタースピーカーの近くに置くとフィードバックが生じる場合があります。
第13回:EQ(ボーカルマイク編)
今回はボーカルマイクのイコライジングです。人の声はさまざまで、男女によっても大きく変わるため、それぞれのスタイルに適した取り扱いが必要だと思うかもしれませんが、実際にはいくつかの基本原理を応用するだけです。また、ライブパフォーマンスでは、多くのシンガーが単一指向性のダイナミックマイクを使っていることを忘れないようにしましょう。
第14回:パン
機器のセットアップ、会場に合わせたチューニング、すべての入力のイコライジングが完了しました。次はミキシングコンソール上のパンとフェーダーを見てみましょう。通常、パフォーマンス中にパンの設定を変えることはありませんが、フェーダーはミキシングコンソール上で最もよく調整されるコントロールです。
第15回:フェーダー&グループ
ここまで入力ゲイン、ハイパスフィルター、EQとパンの設定をしてきました。次はフェーダーです。バンドのサウンドのバランスを調整する方法、パフォーマンスの進行とともに聞きながら調整する方法を学びましょう。
第16回:AUX(オグジュアリー)
ステージ上のバンドのモニターミックスを作るAUXバスの使い方を見ていきます。AUXはほとんどのミキシングコンソールに備わっている多目的出力バスです。AUXバスにはモノラル/ステレオ、プリフェーダー/ポストフェーダーなど、さまざまな種類があり、入力チャンネルごとにレベル調整ができます。
第17回:サブ、モノ&マトリクスアウトプット
ミキシングコンソール上のマトリクスを何に使うのか、疑問に思ったことはありませんか?今回はこのマトリックスの謎を解き明かしましょう。また、モノバスやサブバスについても解説していきます。
第18回:コンプレッサー
コンプレッサーについて、いつどのようにして使えばいいかを見ていきましょう。コンプレッサーの効果は一見小さいようですが、ポップスやロックのような音楽ではとても重要で役に立つプロセッサーです。コンプレッサーの正しい使い方をマスターすれば、ミキシングが一気に上達します。
第19回:ノイズゲート
ノイズゲートとは何でしょうか?いつ使えば効果的なのでしょうか?コンプレッサー同様、1990年代半ばにデジタルミキサーが普及するまでは、ノイズゲートはミキシングコンソールに搭載されていませんでした。
第20回:コンプレッサー
EQやコンプレッション、ノイズゲートを入力に適用し、パンやフェーダー、グループを利用してすべての楽器やボーカルのブレンドを調整したミックスはほぼ完成しました。次は、出力にコンプレッションを掛けてみましょう。
第21回:リバーブ
今回はミックスにリバーブを加えてみます。ボーカルやソロアコースティック楽器のサウンドをコアなバンドミックスより少し際立たせるのに役に立ちますが、リバーブを使うかどうかは、会場の音響特性にも大いに左右されます。
第22回:ディレイ
今回はタップディレイを試してみましょう。このエフェクトは、二つの方法で使うことができます。一つめは、ごく短いディレイを継続的にかけることで、音の存在感や音量を増す方法。二つめは、リードボーカルやソロ楽器の一つ一つの音やフレーズ、語句を強調する方法です。
第23回:サウンドチェック
ここまでゲイン、EQ、ダイナミクス、グループ、そしてエフェクトの理論についてひと通り見てきました。今回はそれらを実践してみましょう。ライブバンドがやってきて、サウンドチェックを行うのです。本シリーズでここまで学んできたすべてのことを思い出しましょう。
第24回:レコーディング
最終回はライブレコーディングに挑戦しましょう。録音をプレイバックして、パフォーマンスを評価することは、サウンドエンジニアにとってもミュージシャンにとっても役立ちます。録音した内容はリハーサルツールとしても便利です。また、ソーシャルメディアにアップしたり、記念に保存したりしても良いでしょう。