指向性とオートボイストラッキング
指向性とオートボイストラッキング
マイクロフォンが集音できる方向「指向性」
マイクロフォンの仕様には指向性という項目があります。マイクに対しどの方向の音が集音できるかを表したもので、例えば有線ハンドマイクでは単一指向性(カーディオイド)という指向性であることが多く、口に向けた1方向のみ集音しやすい特徴を持ちます。その他では前後方向の音を集音しやすい双指向性(バイディレクショナル)や、全方位の音を集音する無指向性(オムニディレクショナル)などがあります。これら指向性は遠隔会議においても、マイクロフォンの配置や複数の話者をより良い通話音質で集音するために役立ちます。
遠隔会議室における指向性の活用
会議用マイクロフォンでよく使われる指向性として無指向性があります。360度どの方向からも集音できるので、テーブル中央に置いて囲むように喋ると、1台のマイクロフォンで複数人数を集音できます。しかし、壁や天井といった周囲の反射音やノイズも集音しやすく、場所によっては明瞭性が落ちます。一方で単一指向性は、マイク正面の発話者のみを集音します。反射音が入りづらく明瞭な音質が得やすいですが、集音範囲が狭いので人数分のマイクロフォンを配置する必要があります。一長一短がある指向性ですが、そこでヤマハはオートボイストラッキングという仕組みを遠隔会議用マイクロフォンに採用しました。
指向性を自動制御するオートボイストラッキング
オートボイストラッキングは、発話方向へ自動的に指向性を向ける機能です。360度どの方向から喋っても追従するため、複数の話者を1台のマイクロフォンで明瞭に集音できます。ADECIAテーブルトップソリューションのマイクロフォン「RM-TT」が搭載しており、無指向性の集音範囲と単一指向性の明瞭な音質という、指向性マイクのいいところ取りをした性能を持たせました。これにより小規模から大規模まで様々なシチュエーションで活躍できるマイクロフォンとなりました。その他「RM-TT」は特殊な指向性を搭載し、トロイドというパターンでは、マイクの天井方向からの音を集音しにくい特徴を持ちます。頭上にプロジェクター等のノイズ源がある中でもノイズ音の集音が気にならず、周囲の話者の声は明瞭に集音できる指向性です。