ブラス・ジャンボリー 2019 開催レポート

「みんなで楽しむ大合奏」として多くの管打楽器ファンに愛されている「ブラス・ジャンボリー」も、今回でついに10回目。北は北海道から、南は福岡県まで、日本全国から世代を超えた650名もの管打楽器愛好家が参加しました。またスペシャルゲストとしてトロンボーン奏者の中川英二郎さん、そしてバイオリン奏者の岡部磨知さんのお二人が参加。第10回にふさわしい、スペシャルに楽しい、吹きまくりの一日となりました。

曽我大介の"吹奏「学」講座" 第2弾トロンボーン編

リハーサルの前に指揮者、曽我大介さんによる特別講座が開催されました。講座のテーマはゲストの中川英二郎さんにちなみ『トロンボーン』。中川さんにもご登場いただき、トーク形式での楽しいセミナーとなりました。恒例のクイズは『トロンボーンはいつできたか(15世紀ごろ)』『トロンボーンという名前はどんな意味なのか(おおきなラッパ)』『トロンボーンはなぜアルト記号やソプラノ記号など、他の楽器ではあまり使用されない調性記号で記譜されるのか(トロンボーンは人間の声の音域に近く、教会のミサでの合唱用譜をそのまま吹く必要があったから)』など、トロンボーン吹きでもなかなか知らない難問が続出。交響曲ではじめてトロンボーンを使ったのが、ベートーヴェンの『運命』だったとか、世界中の指揮者が祈る瞬間が、ボレロのトロンボーンのソロというエピソードも披露されました。
また、中川さんがトロンボーンを吹き始めたきっかけも話題となり『Sing Sing Singに憧れてトロンボーンを始めたこと』『6歳ですでにトロンボーンの演奏でお金をもらっていたこと』『きれいな音も強い音も出せる所がトロンボーンの魅力であること』といったお話を聞かせてくださいました。例年よりトロンボーンの参加者が多かった今回ですが、中川さんのトークが存分に聞けてみなさん大満足のご様子でした。

リハーサル

特別講義の次はリハーサル。期待に胸が高まります。
曽我大介さんが指揮棒を携えてにこやかに登場。指揮棒が振り下ろされて全員の音が鳴り響きました。
最も有名なマーチの名曲の1つであり、フルート、ピッコロが大活躍する『星条旗よ永遠なれ』では、『p(ピアノ)と書かれている部分は、単に音が弱いだけではありません。軽やかさが必要なんです』と曽我さんの指導。するとマーチの中間部で軽快感が出てきます。
吹奏楽の名曲『アルヴァマー序曲』では、「短い音はキレよく吹きましょう」などと、曽我さんから具体的な指示が出ると、みるみる間に曲がまとまっていきます。
『瞳〜メインテーマ~』では、スペシャルゲストの中川英二郎さんが登場し、『花は咲く』では、バイオリニストの岡部磨知さんが登場。ブラス・ジャンボリー合唱団も参加し、大合唱となりました。
リハーサルのラストは『宝島』。中川さんと岡部さんに加え、なんと曽我さんがベースを演奏!これは本番がすごいことになりそうです。

コンサート

約650人もの大アンサンブルによる荘厳な『ブラス・ジャンボリーのためのファンファーレⅡ』でコンサートは華やかに始まりました。
『アルヴァマー序曲』はリハーサルよりもはるかにダイナミックで緩急が効いた演奏が繰り広げられます。
大拍手の中、一人目のスペシャルゲスト、トロンボーン奏者の中川英二郎さんが登場。NHK連続テレビ小説で有名な『瞳〜メインテーマ~』を演奏。MCでは、実は連ドラ用には2曲録音して提案した、という裏話も披露されました。
次は『星条旗よ永遠なれ』。まさにマーチの中のマーチ!リハーサルよりもさらに軽快に、特大の吹奏楽サウンドで鳴り響きます。
そして、バイオリン奏者の岡部磨知さんを迎え、震災への思いを込めて『花は咲く』を演奏。イントロは深く響く美しい岡部さんのエレクトリックバイオリンのソロから。バンドメンバーだけでなく観客の方も合唱団に加わっての大合唱となりました。
『宇宙戦艦ヤマト』で、またもや合唱団が歌を披露。曽我さんも指揮をしながら歌い、会場全体が盛り上がりました。
いよいよブラス・ジャンボリー2019は佳境に。ホールの外は夕暮れから美しい横浜港の夜景に変わり、終盤に向けて演奏も熱を帯びていきます。
『ルパン三世のテーマ』は曽我さんがサイレントベースで参加。ソロは中川さんのトロンボーンと、超豪華なアンサンブルが展開されました。
ラスト曲の『宝島』では、バイオリンの岡部さんが再び登場。曽我さん、中川さんの演奏に、エンディングを迎えても、拍手は鳴り止まず、アンコールに応えて、急遽再び『宝島』を再演。こうして、ブラス・ジャンボリー2019は幕を閉じました。

出演者インタビュー

トロンボーン奏者 中川 英二郎さん

中川英二郎 オフィシャルWEBサイト
http://www.eijiro.net
朝から夕方まで思い切り吹ける楽しさ!
管楽器好きのみなさん、来年もぜひご参加を。

今日はとても楽しかったです!
みんなで練習したリハーサルも楽しかったですが、本番は全然違ってみんなすごいパワーでした。これがブラス・ジャンボリーなんだなと思いました。アマチュアの方と演奏する機会はあまり多くはないので、ブラス・ジャンボリーのように同じ場で同じ音楽を演奏するのは貴重な機会で、参加させていただき感謝しています。また今回は特にトロンボーンの参加者が例年より多かったそうで、ありがたく思っています。『宝島』ではトロンボーンのみなさんが私に向かって最後にスタンディングでプレイしてくれました。これは素晴らしい思い出として胸に刻み込みたいと思います。

今日参加された方は、普段から音楽が好きな方だと思うのですが、家ではなかなか演奏ができない管楽器を、朝から夕方までいっしょに思い切り演奏できるイベントはブラス・ジャンボリーしかないと思います。来年もぜひ友だちを連れて参加してください!
そうしたらここに入りきらないでしょうから、その時は武道館ですか?楽しみにしています。

中川英二郎 オフィシャルWEBサイト
http://www.eijiro.net

バイオリン奏者 岡部 磨知さん

岡部磨知 オフィシャルWEBサイト
http://okabemachi.com/
650人の管楽器の演奏はスゴイ迫力!
私も負けじと、楽しく演奏しました。

私はバイオリン奏者なので、今までブラスバンドの方とコラボできるとは思っていませんでした。ですから今日はこんな大勢の管楽器の方々と共演できて、とても嬉しかったです。ブラス・ジャンボリーは参加人数が多いとは聞いていましたが、ここに来てみたら予想以上の人数でビックリです。650人ですか?

実際にそれだけの数の人が楽器を持って座っているところを目の当たりにするとすごいですし、みんながそろって音を出すと、これがまたすごい迫力なので、私もついつい負けじと弾いて、のせられてしまいました。今日は『宝島』でソロを弾きましたが、バイオリンでああいったタイプの曲を演奏する機会はあまりないのでとても楽しかったです。

やっぱり、これだけ多くの管楽器に囲まれて演奏すると、管楽器ってパワフルで音圧があって、ちょっと管楽器に憧れますね。楽器って、体験するとやみつきになっちゃうものだと思います。横浜のブラス・ジャンボリーは開催場所も海に面していてステキですし、どなたでも参加できる開かれたイベントなので、今後も多くの人に参加していただきたいと思います。

岡部磨知 オフィシャルWEBサイト
http://okabemachi.com/

指揮者 曽我 大介さん

曽我大介 オフィシャルWEBサイト
http://www.soga.jp/ID/
ブラスの名曲が並んだ10回目のブラス・ジャンボリーでした。
11回目のブラス・ジャンボリーも、ぜひご期待ください!

節目となる10回目のブラス・ジャンボリーでしたが、今年も大変盛り上がりましたね。今回は、『星条旗よ永遠なれ』や『ルパン三世』など私が好きな曲がプログラムに並びました。特に最後の『宝島』は、トロンボーンの中川さんとバイオリンの岡部磨知さんの共演という、めったにない組み合わせもあって、特に凄かったですね。私が感動したのは、ラストでトロンボーンの方々が全員スタンディングになって「中川さんに届け!」とばかりに演奏したシーンでした。また、ブラス・ジャンボリーとしては初のバイオリンのゲストとして岡部磨知さんにも参加していただいて、これからのブラス・ジャンボリーの方向性もちょっと見えたような気がしました。

過去10回を振り返ると、大雪に見舞われた回など、いろんな思い出がありますが、それぞれの回に良さがありました。今回はいい盛り上がり方をしましたし、今回初めて参加された方も多かったので、今後さらにブラス・ジャンボリーが楽しい吹奏楽イベントとして定着するといいなと思っています。常連の方も、今年参加された方も、そして「来年こそ」の方も、ぜひお待ちしています。

曽我大介 オフィシャルWEBサイト
http://www.soga.jp/ID/