PHX

ハイブリッドシェル構造(日本特許5384834号)

PHXシリーズはヤマハの永年にわたる木材基礎研究から生まれた全く新しい木材構成を採用しています。

音の核(芯)を作る非常に硬質な「ジャトバ」をシェル材の中心に置き、それを挟んでふくよかな中低域成分を含み、音のボディを作る「カポール」を複数層重ね、外層には音の明るさと反応の良さを与え、全体のバランスを整える「メイプル」を配し、シェル材の外側から中心に行くほど堅く強くなる「ハイブリッドシェル構造」となっています。これによりシェルの振動を最大限に引き出し、鳴りの良い豊かなドラム音を実現しました。

ジャトバ:最も硬い材料(ブラジル産)

カポール:ジャトバの次に硬い材料(マレーシア産)

メイプル:硬さと粘性のため高品質のドラム材料として知られているが、この構成の中では最も柔らかい材料(北米産)

アッシュ:タモ・珠杢

YESS II シェルマウントシステム(日本特許5286791号)(U.S.PAT.8168873)

タム本来の鳴りが、スタンドに取り付けた際に減衰してしまう事を防ぐ為に開発されたヤマハ独自のマウントシステムY.E.S.S.(Yamaha Enhanced Sustain System)。新たに開発されたY.E.S.S.II は、重量のあるPHXシェルを安定して保持することに加え、より音響効果の高いマウントシステムとして設計されました。

特殊なゴムスペーサーとメイプル材プレートを利用し、ノーダルポイント(振動を最も妨げないポイント)でシェルの重量を支えます。ゴムスペーサー内部にはボルトが貫通しておらず、このゴムのみでシェルを支えるショックマウント構造となっています。この構造によってシェルの振動や響きをスタンドに伝わりにくくする事で振動ロスを防ぎ、タム本来の持つ豊かなサスティンと音量を引き出すことに成功しました。

より大きなタムサイズでは、シェル重量を確実に支える為、ゴムスペーサーの固定数量を多く施しました。スタンドセッティング時に十分な安定感を保つとともに、その重量故に伸びすぎてしまうサスティンを調整し、小口径から大口径までバランスの取れた音量・サスティンを実現しています。さらに、メイプル材プレートは中低域の音色を引き出す為にも一役買っています。

YESS II シェルマウントシステム (特許出願:US8168873)

フックラグシステム(日本特許5282402号)

フックラグは、旧アブソルートシリーズに搭載されたヌーヴォーラグを更に進化させたものです。

ヘッド交換の簡便性等、脱着機構の優位性は生かしつつ、新形状のラグポストとラグケースにより、正確なチューニングを維持することに成功しました。またハイテンションチューニングに対する堅牢性に加え、音質も向上しました。ラグの取り付け位置も、余分な振動を抑え、基音の鳴りを引き出すことができる新たなポイントに配置しています。

これにより、生音でも適切にマイキングを施した様な豊かな基音を引き出すことができ、PAを通した中でも、あまりイコライジングの必要がなく、かつ他の楽器の中に埋もれない重厚で整った音色を作り出しています。

ベアリングエッジ形状

ドラムの音色と発音をコントロールする為に、PHXシリーズではバスドラム、フロアタム、タムタムそれぞれに独自形状のベアリングエッジを採用しました。

数多くの試作品を製作・検証した結果、最終的に全てのエッジの角度を30°に設定。ヘッドと接触する頂点の丸み(R=半径)を各ドラムで変える事により、最適の音響効果を得ています。加えて、エッジ部には特殊な表面処理加工を施す事で今までに無い滑らかさを生み出し、チューニングの心地よさと幅広いチューニングレンジを引き出しています。

ヘッド交換の際には是非、ご自信の指で触れてエッジ部の滑らかさを実感してください。

ベントホール

ドラムシェルの体積容量に合わせて適切なベントホール(空気孔)の数を設定する事で、ドラムの音色とサスティンの長さをコントロールしています。シェルサイズに合わせて、1~10の空気孔を設定し、空気の逃し量を変えることによって、特に大きなサイズのシェルで中低域の音色を増強できると共に、演奏時のタッチの快適さと適度なサスティンの長さを微調整しています。

"R-Version" バスドラム

バスドラムに、タムマウントベースを装着しない「R-Versionバスドラム」をラインナップ。バスドラムの最大限のポテンシャルを引き出す事が出来るとともに、ラックシステムを構築する際、タムマウントのスペースを有効に使うことができます。

デザインオプション

数々の音響面での取り組みと機能の充実に加えて、外装面での美しさにもこだわりました。PHXシェルの外装面には伝統的なメイプルトップに加えて、エキゾチックなバールドアッシュ2種類をラインナップ。

さらに、ラグ、フープの金属パーツには、通常のクローム仕上げに加え、ゴールド(金メッキ)仕上げがオプションでお選びいただけます。また、各モデルに付したバッジには、製品名にちなみ、ヤマハ創業時のオルガンに刻印されていた“音叉をくわえた鳳凰の図”をイメージした刻印を施しています。

WHY PHX? — 【Phoe-nix】* — noun

伝説の鳥、「フェニックス」は不死永世の象徴にたとえられています。

同様にPHXシリーズはヤマハドラムの新しいマイルストーンとするべく、考えられるすべての要素が取り込まれています。

次世代の革新性。ヤマハドラムの新次元

120年以上の楽器作りの歴史を持つヤマハ。現在は3本の音叉マークをあしらったデザインがヤマハのシンボルとなっていますが、前身である日本楽器製造株式会社設立の翌1898年 に定められた商標は、音叉をくわえた鳳凰でした。当時製作されたオルガンの鍵盤蓋には、この鳳凰が丁寧に彫り込まれています。そこには、 世界で通用する品質と何処にも負けない美しい音色を持った楽器を創りたいという創業者の想いがこめられています。

2007年にヤマハはドラム製造40周年を迎えることが出来ました。我々は、創業者の楽器に対する想いに敬意を表するとともに、どんな状況におかれようとも素晴らしい楽器を創り続ける、という使命を鳳凰のマークから見出だしました。

そして、以前より開発を続けていたニューモデルに鳳凰と同様の意義を持つ「フェニックス」に技術的な革新と音楽性の高さをなぞらえて、この「PHXシリーズ」が誕生しました。