YV-1605J 生産完了品

大室 裕昭 (商品開発部打楽器設計課)

大室 裕昭 (商品開発部打楽器設計課)

1981年入社。これまでにティンパニと、ビブラフォン、グロッケンシュピール、マリンバ等の音板打楽器の開発・設計を担当。現在は打楽器全般における新商品開発のプロジェクトリーダーや設計リーダーを務める。

※所属部署および部署名は取材当時のものです。

吉田 友則 (商品開発部打楽器設計課)

吉田 友則 (商品開発部打楽器設計課)

1999年入社。これまでに、マルチラック仕様音板打楽器RDシリーズやグロッケンシュピールYG-2500、ビブラフォンYV-1605Jなどの音板打楽器の設計・開発を担当。

※所属部署および部署名は取材当時のものです。

この楽器が開発されることになったきっかけを教えてください。

大室)

前身のYV-1600AJを、よりパワーが出るように、バンドの中でより音が聞こえやすいようにモデルチェンジしようというコンセプトのもとでつくりました。YV-1600AJは、どちらかというとソロ奏者向きというコンセプトで、音板もソロ演奏に適した材質を使っていたのですが、この1605Jは上位機種と同じく、マルチに対応できる少し硬い超高力アルミニウム音板を採用しました。YV1600AJに比べると、はつらつとした、きらびやかな音色になっています。

大音量でも音が遠くまで通るというのが特長で、マーチングなど屋外で使用しても充分音が通るようになっています。ちょっと硬い音色と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、マレットを変えれば充分柔らかい音を出すこともできます。

ジャズ用として個人でお持ちになっている方もいらっしゃいますよ。

お値段は上位機種のYV-3000AJに比べて20万円ほどお安いですが、コンサートでも充分対応できる機能を備えています。

YV-3000AJと異なる点はどのようなところですか?

大室)

YV-3000AJはひとつの楽器で4通りの音板幅があって、低音部に行くにしたがって音板幅が広くなりますが、この1605Jは音板の幅が低音から高音まで一定です。それにより演奏がしやすいこと、お値段を下げられること、それから最大の点はコンパクトで持ち運びしやすくなった点ですね。やはりビブラフォンの中で一番重量があるのは音板の部分ですから。音板を統一の幅にしたことによって、YV-3000AJより5kgくらい軽くなりました。

逆に低音のほうが音板の幅が広いYV-3000AJ以上の機種は、低音がより響くので多彩な表現ができます。